4月1日からガン対策基本法が施行されガン医療の地域格差解消を目指して「ガン診療連携拠点病院」が指定されたが、これらの病院でも約3割の病院でガン専門医が不在である事が読売新聞の調査で判明した。特に抗癌剤治療や放射線治療の専門医が不足し、不在のところと複数確保のところがあり、格差が大きい。手術件数も年間41件から4300件まで隔たりが大きいから当然医療水準の差は歴然だろう。
ガンを治すだけでなく、痛みを和らげる緩和ケア体制の充実も拠点病院には必須であるが、現実はお寒い限りで実績がゼロの拠点も13%あると言う。
現在は二人に一人がガンで死亡する時代であるからガンは他人事ではなく何れ自分に降りかかる問題である。どこの病院を選ぶかで結果が大きく違うとなると患者にとっては正に死活問題である。格差是正は必要ではあるが、急の間に合わないならせめて情報開示で患者に選択肢を与える事が必要である。
私は自分がもしガンになれば手術は一切拒否し放射線治療を受けるか緩和ケアを受けると決めている。「患者よ、ガンと闘うな」と言う慶応病院の近藤医師の本を読むと、
ガンには二種類あり、進行性ガンとガンもどきだという。進行性のガンは手術しても何れ又転移するから手術で体力を弱めるだけ損だと言う。一方ガンもどきは切っても切らなくても一緒だから切らないほうが良いと言う。それならピンポイントの放射線照射でガン細胞を叩く方が体力を弱めない分良さそうに思う。抗癌剤も健康な細胞まで叩いて副作用がきついし、まだこれと言う切り札が無いから一切服用しないつもりである。
近藤医師の見解が正しいとは限らないし、事実医学界から猛烈な批判を浴びて追放寸前である。然し医療機関の多くが手術不要な良性のポリープまで取って手術料で稼ぎ、やたらと抗癌剤を処方して効きもしないのに患者を苦しめている現状があるのは事実である。近藤氏がこの現状に一石を投じたのは勇気ある行動であった。氏は放射線治療の専門医だから、多少我田引水のバイアスがかかっているかも知れないし、手術医師に対する対抗意識があるのかも知れない。まあ参考程度に留めた方が良いと思う。
ガンの末期の痛みは強烈でとても耐えられないそうだから、モルヒネ注射による緩和ケアは必須である。せめて最期だけは尊厳をもって安らかに死にたいと切に願う。

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