日歯の橋本派に対する一億円闇献金を巡って村岡元官房長官に有罪の逆転判決が下った。一審では無罪の地裁判決を東京高裁が覆したもので、多分大方の予想に反する逆転だろう。当然被告は最高裁に上告する事になる。平成研会計責任者の証言以外に証拠が無いのだから、滝川証言の信用性の認定しだいである。それが一審と二審で両極端に違うのでは司法の公正も怪しいものである。村岡氏が口を尖がらして文句を言う気持ちも良くわかる。尤も氏は怒らなくても口が尖がる人相ではある。
日歯が一億円の小切手を直接橋本元総理に渡した時、野中氏と青木氏が同席していたが村岡氏は居なかったと証言している。この証言を疑う余地は無いと思う。それなのに
後日平成研の幹部会議でこの献金の処理をどうするかについて諮り、村岡会長代理が不記載を決めたと滝川氏が証言しているが、常識的に考えて腑に落ちない。橋本氏が不在とはいえ、当時の平成研を牛耳っていたのは野中氏と青木氏であり、村岡氏は一丁上がりの会長代理のポストで何の権限も無かった。第一橋本、野中、青木の三大実力者が何れも記憶にないと惚け通したから、国民から見れば悪いのはこの三人と映っていた。然し三人とも政権の中枢にあり、若し誰か一人でも起訴されれば平成研は崩壊の危機にあった。その時丁度落選中だったのが村岡氏だったから、滝川氏が平成研の為を慮って村岡氏に濡れ衣を着せたと推測するほうが合理的であると言える。どうせ推測以外に方法が無いならば、より合理的な推測にするべきである。真実を知っている野中、青木氏が一切明かさない限り、村岡対滝川のどちらを信頼するかの問題である。
村岡氏が一見正直そうで朴訥に見えるが、海千山千の平成研でのし上がり、官房長官にまで登り詰めたのだから、どっこい強かなところがある筈で、お惚けは得意かもしれない。其の点滝川氏は一介の経理担当事務員だから、政治家と違ってはるかに純粋だろうと思うので、やはりこの際控訴審を支持する事にした。上告まで楽しみが出来たが、正直言うとどっちでも良いと思っている。

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