英国BBC放送と米国メリーランド大学が27カ国約28000人を対象に行った共同世論調査によると、最も世界に良い影響を齎している国で日本はカナダと並んで第一位になった。三位が欧州連合、四位がフランス、五位が英国だった。又米ネット企業,エクスペデイアガ欧州のホテル関係者15000人を対象に行った調査でも最良の観光客で日本人が一位、アメリカ人が二位、スイス人が三位、続いてスウェーデン人、ドイツ人の順だった。更に日本の外務省が米国で行った世論調査でも、日本は経済力に見合った重要な役割を国際社会で果たしていると言う回答が83%に達したと言う。海外での世論調査で日本に対する高い評価が目立つが、調査関係者の意見では、先ず高い技術力、日本発ポップカルチャーの世界的流行、海外での日本人の行儀の良さが原因だろうと言う。
私はこの見方には賛成できない。技術力の高さは間違いないがポップカルチャーが日本の高い評価に繋がっているとは思えない。確かに子供は日本のアニメに夢中だしテレビゲームのソフトでも日本が世界市場を席捲しているが欧米の知識人は批判的である。
日本人が行儀が良いというのも眉唾物である。一時のように農協の団体や地方議員の視察団が取った破廉恥な行動は観られなくなったが、ギャルやオバタリアンは旅の恥はかき捨てとばかり傍若無人の振る舞いをして現地人の顰蹙を買っている。青少年のヒッピー旅行者にも問題が多い。行儀が良く見えるのは単に言葉が出来ないからガイドに率いられて一糸乱れぬ統一行動を取るからだと思われる。日本の今の世相を観れば日本人の行儀は悪くなる一方である。それが海外で急に良くなる訳がない。
日本のイメージが良いのは何といっても日本製商品の品質が世界一高いからだと思う。
そして日本企業が世界中に進出して現地生産や合弁事業で現地に貢献しているからである。国際人の日本ビジネスマンの寄与も大きい。政治的には戦後60年以上も一貫して戦争に関与しなかった事と、経済力を活かしてODAなどで多大の国際貢献をしてきたのも
認められたものと思う。そして世界第二の経済大国でありながら国際社会では常に控え目に振舞ってきた事が評価されたのかも知れないがこれは功罪相半である。
一方日本人は自国をどう見ているかとなると自己評価は極めて低い。国際貢献は必要最小限しかやっていないと言う人が60%を越す。日本は外国人に正確に理解されていると思う人は僅か10%である。又国際社会で国力に見合った地位や尊敬を得ていないとする人が65%に上った。国外の好意的な目と日本人の自己評価の目とのギャップが大き過ぎる。これは明らかに自虐と言える。一つには明治以来西洋に対する劣等感があって舶来意識がまだ抜けきっていない事から来る自虐思想だと思う。そして戦後一貫して米国の属国であり続けたことに対するコンプレックスの表れでもある。更に中国、韓国から半世紀以上も軍国時代の反省を強いられて萎縮している事も自虐史観に繋がっている。
加えて日本のマスコミや民主屋や人権屋や自称インテリの知識人が必要以上に日本を批判的な目で観て貶す事も悪い影響を与えている。私は世界70カ国を回って客観的に日本を見るとこれ程恵まれた素晴らしい国は無いと確信しているので祖国を悪し様に貶し不平不満を言う人を見ると無性に腹が立つ。一部の政治家や高級官僚には不満があるが押し並べて日本は愛するに足る祖国だと思っている。
そろそろ日本人も自虐史観から脱却して対米追随を止め、中韓の批判に真っ向から反論して国際社会で積極的に発言し、大国に相応しい地位を堂々と要求して良い時期に来ている。海外の高い評価によって自信を取り戻すべきである。

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