光母子というから光を構成する素粒子の親玉かと思ったら、山口県光市での母子殺害事件の事だった。これで通じるほどこの事件は世間に衝撃を与えた。被害者の夫であり父である本村さんの悲痛な訴えが世間の耳目を集め、大きな同情を呼び集めたことは記憶に新しい。あれから9年経ったとは知らなかった。正に光陰矢のごとしである。
昨日広島高裁の差し戻し控訴審で元会社員に死刑の判決が下った。ほぼ最高裁の差し戻し理由に沿ったものでやっと国民の多くが納得するものとなった。被告弁護団はすぐ上告すると言うが最高裁の差し戻したものを又最高裁に判断を求めても仕方があるまい。
さっさと諦めて早く死刑を執行して貰いたい。こんな悪魔のような被告と同じ空気を吸っていると思うだけで不快になる。
一審の山口地裁、二審の広島高裁では被告が起訴事実をほぼ認め、強姦目的で侵入して23歳の若妻と生後11カ月の赤ちゃんを無残に殺したが、犯行時18歳と言う年齢や母親の自殺、父親からの虐待等不幸な生い立ちを考慮し、将来更正の可能性を理由に無期懲役を言い渡した。被告が獄中の手記で、無期懲役なら十数年我慢すれば釈放されると嘯いていたように,被害者本村氏ならずともこの判決には到底納得出来なかった。三審の上告審では少年だった事は死刑回避の決定的事情とまではいえない、二審判決の量刑は甚だしく不当として暗に死刑判決を求めて高裁に差し戻し漸く胸の痞えが降りた。
差し戻し審で新たに替わった弁護団の弁護戦略は極めてお粗末だった。被告に一転して母子への殺意や強姦目的を否定させ、弥生さんに自殺した母親のイメージを重ね、甘えたいと抱きついたら抵抗されたので誤って死なせた、生き返ってほしいと言う思いから儀式として姦淫したと供述させたのは死刑を免れる為の作り話以外の何ものでもない。
赤ちゃんに対しても首を絞めた認識がないと述べさせたが思わず笑ってしまった。
弁護士は被告の人権擁護が仕事とはいえ、余りにも正義に反する詭弁を弄すると正義の味方ならぬ正義の敵のように見えてくる。オーム裁判の弁護団にもうんざりしたが、弁護士諸君は今一度法律は何の為にあるのかを原点に戻って考えて貰いたい。法学部の劣等性で早々と司法試験を諦めた爺さんに弁護士を批判する資格は無いかも知れないが、これは弁護士批判と言うよりも人間批判である。

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