オバマ政権の出足は順調である。特に環境問題ではブッシュ政権と様変わりになりそうである。クリントン国務長官の下に環境担当特使を任命してポスト京都を睨みアメリカがイニシャチブを取ろうとしている。ブッシュ大統領が拒否権を発動したカリフォルニア州の排気ガス規制法案を復活させた。ブッシュ氏はビッグスリーの陳情を吞んで先送りをしたが、ビッグスリーは常に排気ガス規制はコストアップになるとして反対を繰り返してきた。それが燃費の良い車の開発で後れを取った最大の原因である。
エネルギー業界出身のブッシュ氏は化石燃料に替わる新エネルギーの開発には当然後ろ向きだった。オバマ氏はグリーンデイール政策でソーラー発電、原子力、風力発電を推進して化石燃料依存を減らし、温室効果ガスを減らし併せて雇用を創出しようとしている。労働組合が支持基盤だからビッグスリーの救済には前向きであるが、公的資金の投入には厳しい条件をつけるだろう。
環境の次に重点を置いているのが中東問題である。これも中東専任特使を任命した。
自分の代でイスラエルとパレスチナの問題を解決すると言明した。実に頼もしい。
オバマ氏も当然イスラエル支持ではあるが、これまでのようにイスラエル一辺倒から脱却して双方に妥協を強いると思う。ハマスはテロ組織だから相手にせず、ファタハを立ち直らせて後、和平を探ると思う。
対日政策もジャパンパッシングの心配は無さそうである。クリントン国務長官が議会の公聴会で日米関係こそアジア政策の機軸だと言明した。然しクリントン夫妻が中国から多額の政治資金を貰ったと言う疑惑がある手前、ヒラリーさんも中国重視とは云えなかったからだと思う。ヒラリーの本音は日本より中国である。
駐日大使も日本通のナイ氏を起用したし、外交、経済閣僚にも知日派が多い。但し日本のアフガン戦争に対する一層の協力を要請されるだろう。イラクのサマワに自衛隊を派遣したようにアフガンにも派遣するべきである。集団的自衛権の憲法解釈に決着をつける時である。首相が決断すれば済む話である。

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