中国で民主化要求集会を呼びかけるネット予告は27都市に広がったが、当局の強力な封じ込めに会ってどこでも尻すぼみに終わって居る。今後も全人代の開催に向けて益々ネット予告は広がると予測されるが、中東のような勢いを期待できないと思う。
大体デモの呼びかけを海外や香港からやっても大衆が燃えない。自分は安全なところに居て大衆を煽るのは卑怯である。ノーベル平和賞を受賞した劉さんのように、留学先から帰国して渦中の第一線に立たなければ指導者にはなれない。現場にリーダーが居ない烏合の衆が幾ら集まっても駄目である。
胡政権は中東の反体制デモの飛び火を早くから恐れて極力封じ込むよう手配して来た。一際体格の良い警官隊は清掃作業と称してデモ指定場所を封鎖し放水車を多数配置して民衆の動きを封じて居る。一寸反抗的な態度を取ると直ぐ連行して拘束する。
テレビの映像で見る限り集まった群衆の数は中東より多いくらいだが、デモをしない群集は単なる野次馬である。警察官の弾圧が厳しくて動けないのかも知れないが、それより中国の大衆が勇気に欠ける事の方が問題である。因みに中国ではまだ死者など一人も出て居ない。
小国のカタールやオマーンでも死者が出ていると言うのに人口13億人の中国で一人の犠牲者も居ないのでは反体制デモとは呼べない。
中国での民主化要求が力を持つのは、物価高騰に不満を持つ貧困層が民主化要求デモと結びつくことである。温家宝首相はそれを察知して物価対策やネットでの対話に全力を挙げ、民生改善に努めるとアピールした。驚異的経済成長を続けている中国の民生が毎年向上するのは当たり前の話であり、インフレ対策やばら撒き政策で貧困層を懐柔するのは簡単である。
問題は共産党一党独裁から選挙による議会制民主主義に早く移行することと、言論や結社の自由と民族の自治を認める事である。それをしない限り民衆の不満は何時まで経っても解消しない。経済大国、軍事大国になっても政治小国、人権小国では世界のリーダーになれない。

7