ロシアの下院選挙が行われたが圧倒的勢力を誇ったプーチン与党の統一ロシアが大きく退潮し、辛うじて過半数を維持する程度に後退した。共産党が20%近い議員を得たのでスムースな政権運営には他の党と組む必要が出てきた。独裁好きのロシアも終に連立政権になるだろう。
プーチンは憲法に定めた大統領任期が切れると側近のメドヴェージェフに譲って自分は首相になり、来年には又大統領に復帰してメドヴェージェフを首相にすると言う政権のたらい回しをしてロシアを私物化してきた。安保理常任理事国でG8のメンバーである先進国ロシアがアフリカ並みの政治形態である事に驚きを隠せない。ロシア国民は帝政の時代から常に独裁を許してきた。共産主義国家になってもスターリン、ブレジネフ、フルシチョフなど個人権力者が国家を牛耳ってきた。
私は青春時代からドストエフスキー、トルストイ、チェホフらのロシア文学やチャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフらのロシア音楽に心酔して来たので、なぜロシア国民が唯々諾々と独裁を許すのか不思議でならなかった。従来ロシアは9割以上が貧しい農民であり、教育格差や経済格差で市民が育たなかったと言う事である。然し今はIT革命でネット時代に入ったから様子が違ってきた。2000年から12年間もプーチンが実質上のトップに居座り、更に来年から憲法を改正して大統領任期を二期8年に延ばそうとしている。詰まり延20年間もプーチンに牛耳られる事になる。流石のロシア国民もこれには反発した結果が下院選である。
投票率は60%程度と予想されているが若者がツウィッターで反統一ロシアを呼びかけたのが奏効した模様である。プーチンは調子に乗りすぎた。独裁政治の下に政治の腐敗が顕著である。

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