ソーシャルネットサービスの最大手であるアメリカのFACEBOOKが鳴り物入りで上場したが結果は惨めなものだった。創設者のザッカーバーグ氏が莫大な上場利益を手にすると観られていたがバブルは起こらなかった。私はなぜかほっとして胸を撫ぜ下ろした。
世界の9億人が利用していると言われるSNSの上場に個人投資家が群がると思いきや、存外投資家も馬鹿ではなかった。FACEBOOKはその巨大さゆえに大変危険で、米国経済を破壊する要因に成り得るとウォールストリートジャーナルが警告し、投資家達に待ち受けているのは絶望か過ちであるとメキシコのエコノミスタが予告したのが効いたのかも知れない。フランスのレクスパンション誌もFACEBOOKの様な企業は二年以内に衰退するだろうと予測した。
私はこのブログで日本のSNSであるグリーやDeNAを痛烈に批判した。コンプガチャ商法が反社会的だと見做されて禁止されたのでSNSは急に苦しくなった。ミキシーの身売り説も出ている。
最近は起業と言えばIT関連が圧倒的に多い。アイデア一つで投資が不要だから誰でも出来る。動機は世の為人の為よりも金儲けだから不善である。こんな企業は長続きしない。実業ではなく虚業だからバブルが弾けるのが当然の帰結である。
私も面白半分でFACEBOOKに入ったが最近はチェックもしない。学歴。職歴、趣味、信条などを事実ベースで書き込んで仲間と交流するのが売りであるが、なるほどあっと言う間に仲間は増える。余り親しくも無い仲間の誕生日が近いと通知が来る。余計なお世話である。大震災で通信機能が麻痺した場合はSNSは有用であるし、デモを呼びかけるにも便利である。然し実名ベースの絆と言うが所詮バーチャル空間と変わらない。
人間関係には世阿弥の言う「秘すれば花」と言う観念が大切である。何でも繋がればよいと言うものではない。孤独こそ自分を鍛える基本である。SNSは何れ衰退するだろう。

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