立川断層の地質調査を行って活断層の可能性が高いと結論付けていた東大地震研究所が、見解を撤回して謝罪した。断層のずれの根拠としていた岩石の破片が昔の建物のコンクリートだったと言う。まことに初歩的なミスで恥ずかしい。ずれていたのは自分の頭だった。
東大地震研究所は地震研究では日本最大の権威である。原子力規制委員会や地震調査委員会の主要メンバーもここ出身者が多い。土木工学の知見もないような地震学者に活断層の判断を委ねるのは考え物である。
安倍政権は原発の再稼働に前向きであるが、あくまで原子力規制委員会が安全と判断することが大前提である。現実には敦賀原発も東通原発も活断層の可能性が否定出来ないとしているから再稼働は不可能に近い。
活断層に関する規制委員会の見解は余りにも硬直的である。少なくとも12万年前に遡って活断層の活動を調査し、場合によっては40万年前に遡ることを提案している。活断層が動くのは千年に一度と推計されている。東北大地震と同じくらいの周期である。40万年も前の事を考える暇があれば来年の電力不足を考えたらどうだ。学者は浮世離れしていると言うが本当である。
人類の先祖ホモサピエンスが現れたのが約15万年前である。40万年前となると猿も生まれていない。人類の文明発祥は僅か5000年前である。一体何を考えているのかと呆れる。いっそ数億年前まで遡ってインド半島がアジア大陸に衝突してヒマラヤ山脈が出来た時代まで考察すればよい。その時の衝撃は震度7や8どころの騒ぎではない。活断層がそんなに怖いなら日本中で鉄道や道路は一切造れない。
政府は規制委員会の結論だけに頼るのではなく、合理的に政治判断をして原発の再稼働を推進するべきである。規制改革を叫ぶなら先ず原子力規制からやるべきである。

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