可笑しな話があるものである。プロ野球の統一球が指定されてから飛ばなくなったことは子供でも知っている。コアを反発係数の小さい材質に替えたのだから当然である。それが今年は何時の間にか飛ぶ球に替わっていた。日本野球機構が製造メーカーのミズノに指示してコアの反発係数規制を緩めたと言う。ほんの0・01%でも飛距離が2%伸びると言う。100Mなら102Mに伸びるからホームランが出易くなる。
一試合平均のホームラン数が今年は去年の5割増しになった。ホームランは野球の華だから人気を高めるために飛ぶ球に替えるのは個人的には賛成である。体格に劣る日本人が米大リーグの球に統一する必要は無いと言いたいが、それは違う。スポーツには全てルールがある。野球が国際的になって五輪復帰を目指しているが、ルールを統一するのは常識である。
世界野球連盟があるのだから、日本の機構が球の材質を替える場合は諮問しなければならない。金属バットは高校野球では使えるがプロ野球では使えないのと同じである。
機構の加藤コミッショナーは知らされていなかったと言う。どうやら下田事務局長の独断らしい。下田氏はミズノにも変更を口止めしていた。一番問題なのは選手会に対して何の通知もしていない事である。一球入魂と言うが、選手にとっては球の材質変更は由々しき事態である。特に投手にとってはホームランの出やすい球は致命的である。
加藤コミッショナーは知らされていないの一点張りで、不祥事ではないと言うがガバナンスの不在は明らかである。さっさと責任を取るべきである。

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