昨日の読売夕刊にNHKのBSプレミアムの番組宣伝が載っていた。明日11日と来週18日に午後9時から放送される「超常現象ー科学が挑む不可思議の世界」である。NHKが一般的に眉唾と言われる事象を大々的に取り上げるのは異例のことである。皆さんにも是非視聴をお勧めしたい。
この企画は科学・環境番組部の井上チーフプロジューサーが現代科学のあり方に疑問を投げかけることからスタートしたという。「メガクウェイク」や「宇宙の渚」を手掛けた敏腕プロジューサーである。「かっては著名な学者も超常現象を研究して壮大なロマンを追うのが科学だった。今では論文の成果を挙げることばかりに力が注がれ、発見のチャンスが失われている」との視点から超常現象を科学的に研究する人々の情熱を追うドキュメンタリーを目指したという。
こんな企画は一般人やマスコミから批判を呼ぶだろう。認可したのは私の後輩の小野直路副会長の英断だと思う。マスコミの記者は一般的に浅い科学的知識で判断するから直ぐ眉唾だと批判する。取材者の梅原ディレクターは「不可思議な現象は膨大に存在し、単に科学で証明出来ないだけである」と述べている。
私はこのブログで過去に何回も超常現象について書いてきた。超能力や虫の知らせや霊視や生れ変りを今でも信じている。然し盲信ではない。科学的に納得がゆくまで勉強した結果である。
前にも書いたが現代物理学は相対論と量子論が主流であり、ミクロの世界では何があっても不思議ではない。宇宙は物質だけの三次元世界のほかにも異次元の精神世界があって、十次元まであるというのが定説になった。自分に見える世界だけしか信じられない人は非科学的である。超常現象にいつも懐疑的な早稲田の大槻教授は有名人になったが、彼の物理学はニュートンの古典力学から一歩も出ていない。つまり知識が浅すぎて知らないだけである。
宇宙が神の一撃によって火の玉のビッグバンから始まったとされていたが、ビレンケンは宇宙は無から始まったという新説を唱えて有力となっている。無と言っても素粒子の世界の無はゼロではない。宇宙空間は真空だと言われていたがヒッグス粒子やニュートリノなどで満ちている。
宇宙は電子のトンネル効果でポロリと生まれたという。トンネル効果とは江崎ダイオードでおなじみであり、半導体は全てトンネル効果のお蔭で機能している身近な現象である。親宇宙の他にも子宇宙や孫宇宙が続々と生まれたはずだという。水が沸騰するとぼこぼこと煮えたぎるのと同じ現象で宇宙が初期の超超高温時にぼこぼこと煮えたぎって次々宇宙ができたという。
これは相転移という現象である。液体の水が沸騰すると気体の水蒸気になり、0度以下に冷えると個体の氷になる現象を相転移という。宇宙のビッグバン時に温度の変化によって次々と素粒子の相転移が起こった。原子核は陽子と中性子からなり、その周りをマイナスの電子が回っている。原子核は1000度を超すと陽子だけのプラズマ状態になる。一億度や一兆度を超すと原子も壊れてクオークになる。この状態では普通の物理法則は通じない。つまり何でもありになるのである。これ以上書くとまた仲間から疲れたといわれるからこの辺で御仕舞にする。

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