元社会党の委員長で女性初の衆院議長を務めた土井たか子さんが亡くなられた。享年84歳で肺炎による。一つの時代が終わったと感慨深いものがある。
土井さんは憲法学者であり根っからの護憲主義者だった。持ち前の歯切れの良い弁舌で社会党の委員長に上り詰めた。委員長時代に橋本政権の自民党を大敗に追い込んで「山が動いた」と名セリフを吐いた。
日本の政治は長い間自民党と社会党の二大政党が国対政治で妥協しつつ停滞してきた。何でも反対の社会党の影響で思い切った改革が出来なかった。防衛政策や憲法改正はその典型だった。
私も若いころは社会党を支持したから他人のことは言えないが、なぜこんな反対だけの政党が多くの国民に支持されたのか不思議である。国民は総じて貧しかったし、自民党がブルジョワの政党で社会党がプロレタリアートの政党というイメージがあったからだと思う。
社会党の後継の社民党は今でも自衛隊が憲法違反だという。集団的自衛権などとんでもないことだという。社民党は国民にも愛想をつかされて今や絶滅危惧政党である。福島前党首は土井さんにそっくりだった。
野党に転落した自民党が起死回生の自社さ政権構想で与党に戻った。その時村山社会党委員長を首相にするため、うるさい土井たか子氏を衆院議長に祭り上げた。土井氏には思わぬ漁夫の利となった。衆院議長は実績がなければなれない。土井さんには大して実績がない。
私は土井さんや福島さんみたいな口だけの政治家が嫌いである。私に言わせれば「山が崩れた」である。

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