ギリシャの総選挙が終わった。反緊縮の急進左派連合が圧勝して第一党になるのは確実である。ツイプラス党首は勝利宣言をした。但し過半数は取れなかったから新民主主義党との連立政権になるだろう。
ツイプラス党首は「ギリシャにとって歴史的な日だ」と喜ぶが、冗談ではない、屈辱的な日である。五年前のギリシャ危機が再燃するだろう。因みにユーロは急落した。
ギリシャが財政破綻に陥ったのは国民が身分不相応に贅沢な暮らしをして、そのくせ税金を払わず、公務員ばかり増やしてきたからである。時の政権は選挙のたびに支援してくれる人を公務員に採用し、財政の実情を隠蔽してきたからである。EUから30兆円以上の金融支援を受けて漸く国対を維持してきたがその条件は当然緊縮策を取ることだった。
緊縮策を取れば経済が低迷し国民の暮らしも悪くなるのは当たり前である。公務員を大幅に減らせば失業者が増えるのも当たり前である。然し国民は5年間の耐乏生活に耐えられなかった。急進左派連合が公務員を増やし、年金も引き上げると甘い公約をしたから見事に引っかかった。
EUが反緊縮策を承認するわけがない。ギリシャにこれ以上金融支援は出来ない。そうなればギリシャはユーロ圏から離脱して自国通貨制に戻るだろう。ギリシャの通貨ドラクマは信頼性が無いので誰もギリシャに輸出しない。当面ギリシャは自給自足に徹して輸出だけに励まざるを得ない。つまり今より以上の耐乏生活を強いられることになる。
心配なのは反緊縮政策が隣のスペインやイタリアにも広がってユーロ圏離脱の雪崩現象が起きることである。そうなると正に世界経済の危機になる。

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