小池都政の喫緊の課題が築地市場の豊洲移転問題である。小池知事は立ち止まって考えるべきだというが、豊洲市場がほとんど完成しているのに今更中止をする選択肢はないように思う。中止はそれこそ膨大な税金の無駄使いになる。精々一部設計の見直しだけだろう。
築地市場の老朽化の問題は40年以上も前から指摘されていた。毎日商売しているから一斉に建て替えるのは不可能である。なぜ一部ずつ徐々に建て替えなかったのか不思議である。
移転を決断したのは石原元都知事である。豊洲の土壌汚染問題が表面化したが都は盛り土と除染で問題はないとした。石原氏は都議会のドン内田茂氏に弱かった。ドンの圧力に抗しきれなかったのだろう。
大規模な移転だから巨大な利権が絡むのは確かだろう。小池さんは都議会の利権追及に熱心である。ドンが関係する会社に発注している件も多いという。
ほかにも築地跡地を高速道路が通る計画があるが、このほうが利権より問題が大きい。都心の交通網整備は土地買収が極めてむつかしい。築地市場の跡地なら好都合である。
築地市場は都民の胃袋を賄う名所であり有名な観光地でもある。それだけに老朽化を放置出来ない。いずれ移転は不可欠である。単なる郷愁で判断すると間違う。
反対者の多くは水産物の仲買人である。人口減少に伴い仲買人の役割も減る。長期的に見て仲買人は淘汰される運命にある。私は豊洲移転に賛成である。

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