大相撲千秋楽の表彰式は観なかったが、後で見ると稀勢の里が君が代を聞きながら男泣きをした。私も貰い泣きをした。国民のほとんどが感涙に咽んだと思う。
稀勢の里はなにか見えない力が働いたと語ったがその通りだろう。万年大関と言われてきたのは稀勢の里の人の良さと気の弱さにあった。15年間でたった一日休場しただけである。立ち合いも常に真正面からぶっつかった。
照ノ富士戦の本割で立ち合い変化したのは勝利への執念だろう。格下の大関に負けるわけにはゆかない。優勝決定戦でも決死の小手投げが出た。小手投げは初めてである。負傷で通常の相撲が取れなかったということである。
13日目に日馬富士の鋭い出足に完敗したのは仕方がない。負傷した翌日の鶴竜戦では全く力が出なかった。人の良さと気の弱さから不調の先輩横綱二人に気を使ったのかもしれない。
私は稀勢の里が鶴竜戦は手を抜いて体力を温存して照ノ富士戦に備えたのかもしれないと思っている。考え過ぎかも知れない。

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