豊洲地下水の再調査結果が発表された。ベンゼンが基準の100倍検出されたほかにシアンとヒ素も若干検出された。これを受けて都の専門家会議が開かれ平田座長は科学的・法的には安全であると断言した。
9回目の検査から急に値が増えた原因として地下水管理システムが稼働したからだと結論付けた。システムの稼働で地下水流動が変化して残存していた汚染物質が移動した可能性を指摘した。今後の対策として地下水管理システムを強化し、気化した有害物質が充満するのを防ぐ換気システムの導入を提案した。
地下水の環境基準は飲料水を対象にしている。70年間毎日2リットルを呑み続けることが前提である。誰が豊洲の地下水を70年間も飲み続けるものか、まったくナンセンスである。
平田議長は歯切れがよい。科学的に安全だと断言した見識に敬意を表したい。但し安全と安心は別物である。シアンだとかヒ素だとか言われると国民は不安になる。小池知事も安心を重視しているから移転の結論を出すまでに時間がかかるだろう。
石原氏がこれ以上移転を先延ばしするなら小池知事を不作為の罪で訴えると息巻いている。小池さんが都議選で自民党に勝つために、豊洲移転を推進してきた自民党を懲らしめるためにだらだらと先延ばししているなら本末転倒である。

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