欠陥エアバッグのリコール問題で窮地に落ちたタカタが民事再生法の適用を申請して受理された。負債が1兆7千億円にのぼる戦後最大の破綻である。
中国傘下の米自動車部品メーカーKSSが経営再建を図る。実質的買収金額は1750億円である。
自動車メーカーが肩代わりしているリコール費用は債権放棄となるだろう。ホンダとトヨタが各7000億円近く被ることになるが予め損失を計上済みだから経営に問題はない。
タカタはシートベルト、エアバッグ、チャイルドシートで世界の20%を占める部品メーカーである
。創業者一族で60%以上の株式を持つ企業だから自己保身の体質である。高田社長は1年半も表に出なかった。再建のめどがつけば辞任すると表明した。
タカタのエアバッグは火薬に硝酸アンモニュームを使うので高温多湿化では爆発力が強く金属部品が飛び散って運転手を傷つける。事故を把握しながらリコールが遅れた。11人も死亡して漸く欠陥を認めた。最初にリコールに踏み切ったのがホンダである。
私がホンダの法務課長を務めたころタカタのシートベルトの欠陥問題で苦労した。アメリカのPL問題を全く理解していない。案の定エアバッグ問題で破たんした。
リコールは日本では70%対応済みであるがアメリカでは40%に過ぎない。今後も事故は起きるだろう。

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