中国を訪問中の安倍首相は李克強首相に引き続き習近平主席と会談した。国際会議を除き、日本国首相の中国公式訪問は7年ぶりである。
安倍首相は冒頭、競争から協調へ日中関係を押し上げてゆきたいと述べた。習主席も日中関係は正しい軌道に戻り前向きな勢いを見せていると応じた。
日中は北朝鮮の非核化について連携することで合意した。米中の貿易摩擦を前提に自由貿易を重視する事でも一致した。一帯一路構想に因む第三国での経済協力でも合意した。
尖閣問題や東シナ海問題にはあえて触れなかった。友好第一の観点が優先された。
一帯一路構想における中国のインフラ整備は第三国の抵抗で行き詰まっている。過剰な借金を背負わせるやり方は改めなければならない。質の高いインフラ整備は日本のやり方を導入する必要がある。
日本は第三国支援に4つの条件を提示した、開放性、透明性、経済性、財政健全性である。インフラはどこの国も企業も利用できなければ意味がない。計画は国際的ルールに則って透明でなければならない。長期的視点から採算性が取れなければならない。借金は返済可能の範囲でなければならない。
中国が日本との関係を正常化する必要に駆られるのは米中貿易摩擦が背景にある。また日本を訪れる中国人が増えて対日感情が大きく改善していることもある。ただし日本人の9割が中国のやり方を嫌っている。これは自業自得である。

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