政府はモザンビーク政府と石炭輸入で合意した。新日鉄住金が同国炭鉱開発プロジェクトの採掘権を得る事になった。年間200万トンの原料炭が確保出来て製鉄業界の需要の10%を賄う。
日本は原料炭の調達先を殆どオーストラリアに依存してきた。然し中国が自国産の石炭では足りなくなってオーストラリアの原料炭を買い漁るようになり、足元を見たオーストラリアが年々価格を引き上げて、2004年に50ドル前後だったのが4倍の200ドルに跳ね上がった。これは鉄鉱石も同じである。オーストラリアは石炭、鉄鉱石、ボーキサイト等の鉱物資源の日本への輸出で栄えてきた。日本ほど重要なお得意先は無い。然しウエットな日本と比べてドライなオーストラリアは平気で付け込んで来る。
今まで誰も遥遥アフリカから石炭を輸入しようとは考えなかった。オーストラリアが嵩にかかって値上げするから苦肉の策で調達先の多様化を図るのである。これで価格交渉が日本の有利になるだろう。何事も欲張りすぎると駄目である。
日本の火力発電の四分の一が石炭火力である。一般炭の価格は大震災前は100ドルだったが、原発停止で115ドルまで上がった。原料炭の価格の値下げが一般炭にも波及するだろう。

6