大勲位中曽根康弘元首相が亡くなった。101歳で老衰である。まさに大往生だった。巨星墜つの感がある。老衰で死ねる人は滅多にいない。去年までご健在で日本の政治について立派な見解を述べていた。81歳で死ぬことを望む青二才の私などは大勲位の爪の垢を煎じて飲むべきである。
戦後政治の総決算を掲げて就任した中曽根首相は内政、外交に辣腕を振った。中でも国鉄、専売公社、電電公社の民営化でリーダーシップを発揮した。特に国鉄の民営化は至難の業だったが労組の猛烈な抵抗を抑えたのは見事だった。
外交でも米国のレーガン大統領とロン・ヤスの友好関係を築いて日米同盟を確固たるものにした。サミットでは常に米国大統領の傍の真ん中に立った。従来の日本の首相は端っこに立つのがサミットの慣習だった。
中曽根氏は大変な勉強家だった。常に読書を欠かさなかった。麻生太郎氏と違って漫画など見向きもしなかった。本当の教養人であった。100歳までボケないのは読書と勉強の積み重ねのお陰だろう。
中曽根氏の唯一の問題点はバブル経済を招来したことだった。

6