東京公演も終わり、今朝、「オールザッツ漫才」が終わり、2008年が終わろうとしている。
「オールザッツ漫才」の新人フットカットレース(?)は最終の3組に藤崎マーケット、ジャルジャル、クロスバー直撃が勝ち進み、結果はジャルジャルが栄冠に輝いた。
放送時間がギリギリだった為、3組の喜びの声や悔しさを聞けなかったが、持ち時間30秒、或いは1分という条件の元、しっかりネタを作って挑んだ3組が最後までコマを進めた事は当然とはいえ、その頑張りに拍手を送らせて頂く。
そして今回、スタジオへ入ると塾生である(あった)城田和哉が構成で入って、芸人さんとの打ち合わせにバタバタしている姿があり、一方ステージではリハーサル(ネタ見)の場にADとして頑張る青木優子の姿があったのが、少なからぬ感慨であった。
その二人とは番組収録後の朝7時、福島の中央卸売市場まで行き、寿司を食べて帰った。とても美味しゅうございました。
さて製作日記、最終回である。
だが、次回東京公演は12月22、23。一か月半以上もある。この長さは曲者である。第一には大阪公演の緊張が全く消えてしまうからだ。幾ら東西公演とはいえこの空隙はいささか長い。精神的持続が途切れるのも怖いが、台詞がかなり消えそうなのも怖い。特に僕や哲ちゃんなど、高齢者(哲ちゃんゴメン)には厳しい。うん、カオルコさんもリットンもそう安閑とはしていられないお年かもしれぬ。
いや僕はいい、台詞が少ないから。他の人は、哲ちゃん、カオルコさん、水野くんは台詞が多い!
この長い休暇(?)には自らの懸命な対処が必要であることは間違いない。そこは信頼して任せることにしよう。
という状況下、11月中は稽古なし。再開は12月に入ってから。と大阪を解散した。
よって、11月はあまり動きは無い。
■11月10日(月)■
そんな中、いきなり全くのプライベートだが、喉を治そうと梅田の医者へ行った。病状は結構悪く、この1週間前から、舌癌ではないだろうかと、「家庭の医学」などという本を読んだり、万が一の時の覚悟を模索したりしたのだった。
耳鼻咽喉科だ。さっと行ってさっと帰れると思っていたら、案に相違して待合室いっぱいのお客さん。甘かった。しかも結構若い人が多い。
さて、待たされること40分。簡単な問診の末、軽い治療で僕は帰らされた。
結果、右奥歯がやや内側に出ており、そこに舌が当たり傷が付いて炎症を起こしているという診断であった。芝居の稽古で普段より舌を動かすことが多かったことが第一因であった。
患部に薬を塗布、五日分の薬を貰って帰る。
三日程したら、ほぼ治ってしまいました。癌て!
■11月15日(土)■
この日は城田と坂元が僕の誕生祝いをやってくれた。59歳です!
ミナミへ出て飛び込みですっぽん鍋の店へ!
二階へ上がり、座敷に座る。僕はすっぽんは二回目。彼等は初体験だ。
そのさ中、ノブシコブシの吉村君より電話が。何かと思えば、殊勝に「M−1ダメでした!」。残念ながら準決勝に行けませんでしたということだった。
去年のM−1準決勝東京大会、僕は彼らの「東野圭吾」のネタを見たから今回この芝居に入って貰ったのだ。準決勝ぐらいは楽に行けるコンビである。ま、時の運や、笑いの神を舐めてはいけないが、来年は決勝だ!そう言って電話を切った。
因みに、浜口浜村も準決勝を目の前に3回戦で敗退。来年だ!
さて、すっぽんの後はen。その後は失念、忘念、滅念・・・どうやって帰ったか覚えてません。
あ、すっぽん鍋の支払いは何と城田と坂元が!バイト身分なのに、有難う!また来年も生きてたらお願いします!
■11月20日(木)■
どうもチケットの売れ行きが芳しくない!
ま、放っておいてもどんどん売れるとは思っていませんが、出演者に電話し、いろんなライブやイベントで宣伝してくれと頼みの電話をし、中村(壮)くんも色んな働きかけをやってくれている。
僕も頑張っている!
この日は、メールでお願いだ。
東京へ行っている魁塾の生徒、嘗て倉本寺(同業・倉本美津留が東京で開いた芸人・作家塾。僕はそこで一時期だが講師をやらせ貰っていたのだ)で生徒だった子ら、その他東京の後輩構成作家、知り合いの役者さん、芸人さん、元アイドル・・・でも40通ぐらいですが、緊急のお願いをしたのです。
■11月27日(木)■
レギュラー番組「DTDX」の収録日。
今日はその間に緊急の仕事(?)を入れた。
「聞くたくらだ堂」の収録だ。
勿論、既に、魁塾のHP内に収蔵済みだ。お聴き頂けましたか。
この話は二日前の火曜日、塾の講義の合間に、城田と中村君と三人で決めた。
「聞くたくらだ堂にノブシコブシに出て貰って、芝居の宣伝をしよう!」
翌日、マネージャーに連絡し、了解を貰い、今日の16時入りで、録音できることになった。急だったのに有難かった。
場所は、成城のTMCの楽屋。しかも機材はハンディカメラ1台。吉村くんと徳井くんには申し訳ないが、ネットラジオで金が無い。勿論、ノ―ギャラ。吉本興業さんすいません。そして有難うございます。
二人は早々に入って準備万端。いや、どちらかというと、初めての松本人志なので、心はこんなラジオに在らず。頭の中は対ダウンタウン戦略ばかり。
一応だが、浜ちゃんとは何かの番組で面識があるらしいのだが、それとても大勢の中のふたりとして入っていたので、浜ちゃんも殆ど初体験だ。
ところが城田が遅れている。多少の連絡不行き届きのせいだったのだが、1時間ほど遅れて到着。
ノブシコブシの楽屋はフォーリンラブ(男女コンビ)と一緒で、彼女たちが1本目の収録に行っている間に録るのだ。
収録時間はざっと10分。気もそぞろなおふたりに有難うである。
後から聞いたら、僕の声がかなり聞きとりにくい。勿論今でも聞けます。すいませんが、頑張って聞いて下さい。
■11月28日(金)■
東京。ダウンタウンDX会議後、新橋で讓くんのマネージャー藤井君と会う。
要件は東京の観客動員について。
つまり大阪が思ったほどではなかったので、それを懸念して、具体的な動員戦略の確認をしたいという訳である。
マネジャーとしては当然の心配であり配慮だ。勿論、僕も観客動員は芝居の内容や出来とは別に一番気になるところだ。
しかし、その結果は当日にしかわからない。
今現在、スタッフ全員が最大の努力をしているということと、その具体例を示して、藤井君の了解を得る。
いわば要らぬ心配をさせてしまっている訳で、申し訳ない限りだ。
そして、藤井君側も相応の努力をしてくれている。当たり前だが共にがんばりましょうと別れた。
一人でも多くのお客さんをと、みんなの努力は初日の前日まで続けられた!
■12月6日(土)■
芝居とは関係ありません。
この日はM−1準決勝大阪大会。
実は今回はオファーが遅く、今年は無いなと、あのブログ炎上が影響したのだなと思っていたら、いつもなら10月中にはある筈の立田さん(吉本興業)からの電話が11月の末になって掛かって来たのだった。
迷いながらではあったが、使命感と共にお受けした。
だが、ブログには書かないようにと念を入れられた。
でも、一寸だけ書いてしまう!
今年の大阪大会の出場は26組。明日の東京は40組。去年まではほぼ半々だったのだが。このお笑いブームの中、実質的な栄光=お金と人気を求めて東京を目指し、そして移り住む芸人が増えていることのあからさまな証左である。
だが、まだ笑いの力は東西五分五分だ。
しかし、このままいけば、嘗て笑いの本場だった大阪は・・・・!
それも時の流れか。
しかし、それが結局はテレビ番組の為だけでしかないということが危惧される。
さて、M−1大阪大会。
他と隔絶した笑いを取っていたのはモンスターエンジンとダイアン。
その笑いの量以上に良く出来たネタだった。
モンスターは「ハリウッド映画に出られたら・・・」
西森の大袈裟なハリウッド風台詞回しと、エイリアンぶりが笑いのツボだ。
そしてダイアン。「サンタクロースを知らない西沢」が全編を造り、そして潰す!ダイアンはこのネタで漫才の、或いはコンビの核心に一歩近づいたのではないかと思われる。その自信の一端が先日のオールザッツ漫才でも噴出したと僕は見た。
他に大阪で特筆すべきはジャルジャルであろう。
「会社をサボった男が家にまで来てしまった上司に双子の弟だとまで言って言い逃れする話」
彼ららしい、一設定突っ走りコントだ。M−1だから冒頭は漫才で入るが、これはコントだ。しかしそこをあげつらう気はない。
何が面白いか、彼等が何を面白いと思っているかを旗印に鮮明なるジャルジャルワールドだ。文句が無い。
終了後はいつもなら朝日放送、吉本興業の関係者と審査員とで新羅会館(近くの焼肉屋)なのだが、今年は城田と酒と話し。話は勿論、M−1評、漫才論、番組考、お笑い教、差別伝、戦争戦、恋愛臭、糞尿譚まで、留まるところを知らず!
■12月7日(日)■
M−1準決勝東京大会。
今回は東京タワーの近くのめるぱるくホール。初会場だ。
「ものいい」からラスト「POISON GIRL BAND」まで40組。
既に書いたが、「マジカルラブリー」が秀逸であった。
昨日と今日の激闘を凌いで本戦に選ばれたのは御存知の8組。そこへ敗者復活からの1組が加わり、大いなる栄冠は遂に「NON STYLE」の頭上に輝いた!
全9組の今後の努力と栄光を期する!
ところで、M−1、今年の視聴率などを見るとその盛り上がりは年々ヒートして来ている。結構な事だ。有難いことだ。
だが、考えてみれば、とんでもない状況でもあるのだ。例えば、今年のエントリーは4489組!
これは1年に1組のチャンピオンを生み出すルールから考えたら、この夢を全員が叶える為には4500年掛かるということである。無論、コンビ結成10年未満という条件付きだから、計算通りという訳にもいかないが。
しかし、このお笑い戦争を闘う者として、M−1が一方でそんな馬鹿げた状況であることも頭に入れておかねばならないだろう。
とすれば、‘M−1在りき’という頭も少しは冷まさなくてはという事にならないだろうか。何事も過ぎてはいけない。M−1に折角の夢を狂わされては本末転倒。
M−1優勝以外に我が人生無しとなっては、余りに他人のふんどし、そは何の為にお笑い人になりしや!
M−1で優勝することの価値や影響は計り知れないし、その何を
も一切否定するものではないが、自分を失っては元も子もないという当ったり前の話である。
以上はM−1審査員の僻隅として書かせて頂いた。
その夜は城田、塚腰とまたまた戦争、差別、死刑、天皇、セックスについて侃々諤々!
■12月8日(月)■
今日の明石家電視台は2009お正月特番の収録。しかも12月17日に世界一周アースマラソンに旅立つ寛平さんスペシャルなのだ。
そう言えば、今日は1月1日、寛平さんは今頃どこなのだろう。いずれにせよ大いなる夢の途上であることは間違いがない!
寛平さんと僕は同い歳なのだ。
この日、番組の出演者とスタッフが船に張る旗にそれぞれ言葉を書き寛平さんに送った。僭越だが僕は「嗚呼、60歳の力!」と書いた。僕も頑張らねばという思いである。
とまれ三年後、寛平さんの無事の帰還を願うばかりだ。
因みに、今夜1月1日、午後11時半よりの放送です!
これも、芝居とは関係ありませんでした。
■12月10日(水)■
稽古再開!!!!!
御徒町・魂源堂、お昼12時集合!
久しぶりの顔だ。
讓くん、リットン、お松さん、ノブシコブシ、イー☆リャン、浜浜、亀谷、そして僕。
ということで、カオルコさんと、哲ちゃんが参加できず。
東京公演の最大の課題であり、目玉であるのがノブシコブシのWキャストである。
実は、東京公演までに稽古日は今日を含めて4日ある、いや、4日しかないのだが、ノブシコブシが参加できるのは今日だけなのである!
しかも、本日ノブシコブシは14時まで!
必死の2時間。ふたりが出る場面だけを繰り返す。
そして時間が来る。彼らの不安はどれほどだろう。これ以上は彼らに任せ、芸人という火事場の馬鹿力に期待するしかない!
他の部分は、先ずは台詞を頭に復活させる作業だ。休んでいた脳、忘れていた頭に、あの台詞を蘇らせ、1か月半前に戻すのだ。
瞬く間の5時間。
再開初日の終了。
いつものようにお疲れ様のお酒。
藤原君、浜浜、イー、お松さん、塚腰、河内と御徒町駅前、赤から鍋です。
そして今回僕は東新宿二連泊。
今夜もゴールデン街!
塚腰と城田、男3人の夜。
ありゃりゃ、最終回に出来ませんでした。
去年の事をいつまで書いとんねん、という状況ですが、けじめです。製作日記はあと一回あります!ご容赦。
さあ、2009年。牛です。決意がいっぱいです!

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