政府の司法制度改革審議会が裁判への国民感覚の反映を目指してその導入を提言してから8年目の今月3日、我が国で初めての「裁判員裁判」が開廷された。勿論、ご存じのことでしょう。
世間の耳目が注目する中、その最初の俎上に載せられたのは「足立区隣人殺害事件」と呼ばれる事件だった。
事件は今年5月1日に起きている。
容疑者の男性(71歳)は、1日午前11時50分ごろ、近所に住む韓国籍の整体師の女性(66歳)と、女性の家族がバイクの方向転換をする際、容疑者宅の前に置かれていたペットボトルを倒したことから口論になり、女性の胸をサバイバルナイフで数ヵ所刺して殺害したものである。
容疑者は事件後逃走、約8時間後に同区内で発見、逮捕された。
調べによると、双方の間には元々騒音やゴミのことで近隣トラブルがあり、容疑者は「(被害者)の態度が良くないから、頭にきて刺した」と述べている。尚、容疑者は口論の際、一旦自宅に戻りナイフを持ってから犯行に及んでいる。
この情報で何が判断できるわけではなく、また、この事件を裁判員になったつもりで判断してみようという訳でもない。既に判決は出ているし。従って、事件そのものについてはここまでにしておく。
勿論これについては報道番組がニュース番組があれこれと、様々に伝えたから、
◎選任手続きでは候補者47人だったこと
◎裁判員6人が女性5、男性1だったこと
◎公判は4日間連続だったこと
◎容疑者の腰縄・手錠が回避されたこと
◎初日には裁判員からの質問がなかったこと
◎そして、判決は懲役15年だったこと
只、日本の裁判は時間がかかり過ぎるという定評があった筈だが、何だ、こんなに早く出来るんだ!と思った方もおいででは。
それはそれとして・・・・・・・
僕は裁判員制度については、概ねで賛成である。
しかし、それは制度の内容や実効性といったような事ではなく、物事全般に対して、新しいことはやってみればいいという誠に大雑把な、良く言えば大局的な考え方に過ぎない。
権力は腐敗するが、古いものは当然腐敗し、汚泥が沈澱し、腐臭を発する。新しいことをやろうとするのは、間違いなく改善策であり、必ずとは言えないが有効な対処法の筈だ。勿論、司法も権力だ。腐敗しているに違いないし。だから、新しいことはとにかくやってみればいい。
ただ、この「裁判員制度」の導入に関しては。僕にはひとつの条件があった。それが実現しないままの導入だったから、如何に大局、高所とはいえ、疑問と不安は小さくなかった。
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と、ここで、少し話がずれて、思いもかけないことで脚光を浴びている酒井法子ちゃんのこと!
最初にそれを聞いた時、先ず頭に浮かんだのは「青木一郎」という既に亡くなった同業者(放送作家)の事だった。彼とは何本か番組でご一緒になった。相当な酒好きで、しかし、酒癖が悪く同席者の愚痴を何度も聞かされたことがあった。僕もそうらしいが・・・・・
彼は、大のいや、相当の、いや尋常でない、つまりはキチガイじみた酒井法子ファンだった。アイドルオタクと公言していたが、中でものりピーは特別だったようだ。僕は世代的にものりピーではないので、彼とのりピーの話をしたことも無く、彼がどれくらいのりピーを愛していたかは知らないが、あのマンモス可愛いのりピーが覚せい剤って!青木さんきっと無念に違いないと、思ったのだ。
で、その酒井法子と裁判員制度を結びつける面白情報が飛び込んできた。
彼女が裁判員制度のPR映画に裁判員を務める主婦役で出ていたというのだ。製作したのは最高裁で、今回の裁判に負けない迅速さで、
→同作品の使用自粛を命令!
→HPでの無料動画配信をストップ!
→DVDやパンフレットの貸し出し、配布を中止!
→全国の裁判所などに提示したポスターは撤去!
→今後の上映予定は見送り!
を次々と決定したらしい!早や技!
因みに、映画は同制度のPR映画の第3弾で、上映時間60分、製作費7100万円。これまでに、DVDとビデオ合計約19万5000本が制作されたということだ。
だけど、最高裁の迅速なる判断もどうかなとは思う。
そらまあ、前科のある人を裁判員にすることはないかもしれないが、裁判員をやった人がその後に容疑者、或いは犯人になることはあるだろうと思うのだ。いや、それすらも最高裁の立場からすれば、全く許されないこと、起きてはならないことなのだろうが、それって、「明日は我が身」を地で行くエピソードで結構教訓めいてる気がするのだが!
――勿論、のりピーの裁判員役は事実ではないが。
最高裁、そう言う視点からその映画の新しいあり方、使用法を考える気は無いか!無いな。
更に付加的な話、いや、文句。
のりピーが容疑者扱いになったというそのニュースを伝えるある番組(ワイド番組)の出演者が一斉に「酒井容疑者」と言っていたのだが・・・・・
中で芸能レポーターの福岡T某もそう言っていた。
う〜ん、のりピーに一番近かった芸能レポーターが誰かは知らないが、ひょっとしてT某がそうだったら尚のことだが、きっと彼ものりピーを応援し、彼女に仕事として世話になった(お互いかもしれないが)ことがあっただろうと思う、それなら世間がそうであったとしても、せめて彼ぐらい「酒井容疑者」などと言わず、「酒井さん」、「のりピー」、「法子さん」とか言えばいいのにと、おかまさんて結構反権力志向強いのにとも思いつつ、残念な思いでテレビを見たのだった。
以上は相当予断と偏見に満ちた怒りと悲しみでした!
それにつけても、変な言葉が発明される世の中になった。「□□容疑者」もそうであるが、もっと変なのが「○○メンバー」!何これ?
言葉も道具だ、時代と共に、新しい事実や現象と共に今までには無かった言葉が生まれ、作りだされていく。それが言葉の歴史であり、歴史の必然なのであろうが、このところの新しい言葉は、どうだろう何処か守りに入ったところから生み出されているような傾向があるのでは。
事態を切り取る、情況に斬り込むのではなく、回避し、弁護する為の言葉。
それは現状保持の精神であり、改革革新の気概ではない。現状否定、現状打破のみが歴史を作ると言うのに!
う〜ん、大言壮語!
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さて、ずれた話を元に戻して、「裁判員制度」。
昨晩、その事に関するある番組を見た。それはHDDに撮っておいたNHKの番組で、録画日は去年の12月20日!半年以上も前という「NHKスペシャル」(66分)だ!
来年、つまり今年、「裁判員制度」が始まるのを見越してNHKが作った番組である。
そのタイトルは、
『あなたは死刑を言い渡せますか』
〜ドキュメント 裁判員法廷〜
内容は、模擬裁判だ。架空の裁判を用意して、そこに登場する裁判員の苦悩と葛藤を鑑みようとする番組だ。
しかし、模擬とは言え天下のNHK、かなり本意気だ。
◆法廷はセットでなく、大宮法科大学院大学の中にある授業用の法廷(教室)を使用。
◆3人の裁判官(判事)は元裁判官であった男性2人と女性1人が担当。
◆6人の一般裁判員はNHKが企業や団体に依頼し、33社85人から抽選で選ばれた男性4人、女性2人。この番組の主役はこの人たちである。
女性A 菓子メーカー社員(40歳)
女性B 化学品メーカー社員(24歳)
男性A 元商社社員 (68歳)
男性B 不動産会社社員(53歳)
男性C 食品メーカー社員(38歳)
男性D 精密機器販売会社社員(37歳)
◆裁判は実際に3日間にわたり行われ、最終日に判決が言い渡された。
◆扱った事例は実際に起きた犯罪(殺人事件)を人物名や社名等を変えて使用。
◆事件そのものは、放送上は再現ビデオにより視聴者にはその内容が明かされたが、恐らく法廷では本来と同じように、調書や、検事の説明、証拠写真、証拠物等に寄ってのみ知らされたことだろうと思う。
◆裁判には弁護士が3人、検事も3人登場するが、彼らもまた現役、もしくは元それぞれの職業に付いていた人だと考えられる。放送上、その説明は無かった。
◆また法廷に登場する、加害者、加害者の母、被害者の娘、そしてビデオに登場する被害者夫婦は役者である。しかし、裁判自体には台本が無いので、出廷した3人は事件とその役を理解した上で、尋問等にはアドリブで答えている。
◆尚、傍聴席にも人が入っているが、どういった人々かは不明。恐らくはその大学で法律を学ぶ生徒だとか、抽選に落ちた人達とか、この番組用にNHKが集めた一般市民であろうと思われる。
◆但し、カメラは法廷にも、9人の裁判員が意見交換や質疑応答をする評議の部屋にも、裁判員の家庭にも入って行っている。勿論、番組が一番探りたいのが、6人の一般裁判員の言動、思考、そしてその変化であるはずだからだ。
さて、では事件そのものを明らかにしよう。
■事件概要■
容疑者Aは33歳、男性。金に困って、嘗て働いていた町工場を狙い、目だし帽をかぶり事務所に侵入。金を見つけたところへもの音に気付いた社長が現れる。ナイフを構えるが揉み合いの中帽子を取られ顔を見られてしまう。更に格闘の末、社長の足の付け根あたりを刺す。社長はその傷による失血で死亡。その直後社長の妻が現れる。悲鳴を上げて逃げる妻を襲いナイフで首などを刺し死亡させる。
現金12万円を奪って逃走。
その半年後、ふたりを殺害した強盗殺人の疑いで逮捕。
■裁判の争点■
裁判員裁判は、何故か「死刑」かどうかを争うような重大な事件のみを扱うことになっている。
現今の日本で「死刑」になることが考えられる罪は以下の通りである。
【刑法】
「内乱首魁」⇒死刑・無期禁固
「外患誘致」⇒死刑
「外患援助」⇒死刑・無期・2年以上の有期
「現住建造物等放火」⇒死刑・無期・5年以上の有期
「激発物破裂」⇒死刑・無期・5年以上の有期
「現住建造物等浸害」⇒死刑・無期・3年以上の有期
「船車覆沈致死」⇒死刑・無期
「往来危険による船車覆沈致死」⇒死刑・無期
「水道毒物混入致死」⇒死刑・無期・5年以上の有期
「殺人」⇒死刑・無期。5年以上の有期
「強盗致死」⇒死刑・無期
「強盗強姦致死」⇒死刑・無期
【爆発物取締罰則】
「爆発物使用」⇒死刑・無期・7年以上の有期
【決闘に関する件】
「決闘による殺人」⇒死刑・無期・5年以上の有期
【航空機の強取等の処罰に関する法律】
「航空機強取等致死」⇒死刑・無期・7年以上の有期
【人質による強要行為等の処罰に関する法律】
「人質殺害」⇒死刑・無期
【組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規則等に関する法律】
「組織的な殺人」⇒死刑・無期・6年以上の有期
※無期・有期は共に懲役刑
と、以上の18種である。
それにしても法律の名前の何と珍妙な事!
「船車覆沈」=「せんしゃふくちん」これを変換したら、我がコンピューターは「1千社福珍」と出した!アホですが、彼に罪は無い。しかし、「せんしゃふくちん」と聞いて「船車覆沈」だと思いつく人間はいまい。「何かエロい」と言えればその人は許してあげよう。
で、この事案は「強盗殺人」。既にある法律に則って被告の「死刑」か「無期懲役」を決めることになる。
参考までに、これまでの最高裁の判決に見る量刑基準は、
○3人以上殺害⇒死刑
○2人殺害 ⇒殺意、方法等により死刑か無期
○1人殺害 ⇒死刑にはしないで、無期もしくは有期刑
但し、3人以上でも死刑に至らないものもある。
本件は「2人殺害」。よって死刑か無期か、審議・判定が重要なものとなる。勿論、それ故に今回の対象事件として取り上げたのであろうが。
さて、ここが肝心なのだが、被告は、
社長の妻に対しては「殺意」を認め、
社長に対しては「殺意」を否定している。
結果、社長への「殺意」の有無が量刑判断の重要な決め手となってくる訳である。
■加害者の事情■
しかし、「殺意」の有無だけで量刑が決められるものではない。加害者に事件を起こしたのも仕方がないと思われる事情がどれほどあるか、情状酌量がなされる。
加害者の生い立ちである。
13歳 母親が再婚。家庭で孤立する。
18歳 実家を出る。
20歳〜 低賃金で各地の工場を転々。
26歳〜 職場で大ケガ、就業が出来ず借金が膨らむ。
32歳 事件直前。暴力団員の車と接触事故。
多額の慰謝料を要求され、
脅迫、暴行を受ける。
そして、今回の事件。
仕方がないかと思う人もいるだろう。私も同じことをやったかもと言う人も。勿論、私は彼とは違う、と言う人も。
そして、彼は事件後、証拠を隠蔽し、半年間に渡って逃げ回っていたという事実もある。これは反省の余地という観点から被告には不利に働く。
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ここまでが裁判員に知らされた事実である。
無論、証拠写真を見たり、加害者や被害者遺族の陳述も放送された部分以外に実際に見たり、聞いたり、手に取ったりしたうえでの事であるが、ここから裁判員の手に移り、彼らの判断に委ねられるのである。
それはきっと、裁判員の知識、経験、思想、志向、感受性、想像力、情念、死生観・・・・・あらゆるモノが意識するしないに関わらず動員されるということであり、逆に彼らのあらゆる内実が晒され、問われる事態だとも言えるのではないだろうか。
法務省の邪魔をする気はないが、裁判員、うっかり受けるモノではないという気がする。
だって、何か意見を言った時に、「何故、あなたはそう思うのか?」とか聞かれて、自分の性癖や、今までに誰にも言ったことの無いことを言わなければならなくなったりしそうだし。
下手をすると、他の裁判員から「それはあなたが民族差別者だからでしょう!」などと詰問されかねない!勿論、僕はそんな差別者ではないが、僕だったら、「あなたは何でもお笑いが一番とか思っているでしょう!」とか言われるのかもしれない。
しかも、その時に上手く受け答え、或いは反論できればいいが、言いよどんだりしているうちに、押し切られたりすると、その夜は自己嫌悪に陥るしかない!それか、相手を恨んで自棄酒だ!ああああ、安っぽい男で結構!なんてね。
とまあ、そんな弱腰はさておくとして、6人の裁判員は真摯に事件、加害者と向き合い裁判は進んで行った。
それは例えば男性A(68歳)のこんな言葉に表れているのでは。
「いやあ、疲れますね。とにかく全員の話を一言漏らさず頭に入れていかなくちゃならない。普通会議なんかは、自分に関係ないところは他のこと考えてるとかあるんですけど、これはそれが出来ないから」
人の命が掛かっているのだから当り前の発言かも知れないが、裁判員の責任の一端を考えさせられる言葉である。
裁判員各々がそんな実感をものにしつつも、1日目、2日目、加害者の母や被害者の娘が登場して裁判は進み、閉廷後は勿論話し合い(評議)が行われ、いよいよ裁判員の疑問や葛藤が明らかになっていく。
それを捕らえようと、カメラは女性A(40歳)と男性C(38歳)を追い、彼らの私生活の中にも入って行く。
そのあたりの詳細は省くことにして、問題は、番組の主眼は、やはり3日目、判決をどうするのかの最終評議だ。
そこでの焦点はやはり「殺意」。
「殺意」。
僕たちはそれを、「あいつを殺したいと思う気持ち」「こいつさえ居なければと相手の死を願う気持ち」「こうしたら捕まらないであいつを殺せるのではと頭の中で考えること」・・・・・といったぐらいに考えている。
しかし、裁判での「殺意」は可なり(放送では‘少し違う’と表現していた)違う。
登場する裁判官の説明に依れば、法律上の「殺意」とは、
▼その行為が、相手を死なせるに十分なほど危険な行為であること。
▼被告がその危険を判っていたこと。
となる。
「こうしたら相手は死ぬと思いながら、その行為をした時に殺意があったと認められる」と言うことだ。
――被告はナイフを持って社長と争う内に、社長の大腿部の付け根を刺し、死に至らしめた――
当初、裁判員の意見はこうだった。
「殺意あり」 =男性A 男性B
「殺意なし」 =男性C 男性D 女性A 女性B
続く評議では、その場面をナイフを持って裁判員同士がシミュレーションするなどして確認、さらに意見を述べ合うのだが、それを見ながらの僕の判定である。
――社長が殺されたのは、ふたりが揉めている最中に、被告が社長の足の付け根付近を刺し、それが動脈を切断、社長は失血死したのである
――が、先ずはそこ(足の付け根)を意図的に、つまり狙って刺したかどうかが、被告自身も明確に覚えていないといっている
――し、殺そうと思って狙って刺すなら、女性Aも言っていたように、心臓とか首を狙うだろうと思われる。
――人を殺すのに、ここだと思って「足の付け根」を狙うやつはいないだろう。
――だから、法律上の「殺意」に照らし合わせて観るなら、体のその部分には動脈が走っているのだからそこを刺すことは「実際には相手を死なせるに十分な行為」ではあるけれども、被告は、或いは一般的に言っても、「そこを刺せば殺せる」という考えはなかったと思われる。しかも、もう一度言うが、意図的とは断定できない。
よって僕の判断は「殺意なし」
一応、僕はそう判定を出したものの、被告さえ覚えていない格闘の一瞬の出来事の意志を、他人が「殺意」があったとか、なかったとか、勝手に推測、それも出来るだけ理にかなったように、それは自分が納得する為に、或いは相手を納得させる為に、頑張り、言い合っている姿を見て、到底分かるはずの無いことの答えを出そうとしている何という徒労だと思ったのである。
当たり前に分かる訳が無いと思う。本人さえ判らないと言ってるのだ、他人が判ったと言ってもウソでしかない!それを決めようとしている傲慢な人々!
僕の眼には、何の因果か判らないが、ひょんなことで殺生与奪の権限を得た人間が、人を裁く能力なんて元々ありもしないのに――それはプロの裁判官もそうだが――増してや、罪を犯したとは言え、ひとりの人間に対し「こいつは死んでもいい奴だ」などと決める力などありはしないのに、いつの間にかそれができる人間であるような錯覚に陥り、増長し、喜々としてその権力を誇示しようとしているように見えた!
僕は今回生まれて初めて、人が人を殺す相談をしているのを見た!
滑稽だった。
そして、彼らの最終判断は、
「殺意あり」 =女性A、女性B、男性B、男性D
「殺意なし」 =男性A、男性C
3人の裁判官は全員「殺意あり」
3人の裁判官が当初はどうであったかに依るが、裁判員の中では、逆転死刑!である!
僕は、DVDを再生しながら、全員が「殺意なし」であれと願っていたのだが・・・・・
僕は死刑反対の人間です。
********************
最初に、僕は「裁判員制度」は条件付きでありだと答えたが。
その条件とは、
――せめて、日本から死刑を無くしてからにして頂きたい――ということだ。
きっと、今後出てくる、裁判員に選ばれ仕方なく「死刑」を決定するはめになってしまった方々。その人たちの多くは、きっとその後、色んな裁判(犯罪)に興味や関心を持つようになるだろうが、その都度、その判定と自分が下した判定とを比較し、「あの時の私は間違っていなかった」と思いたがる事になるのではないだろうか。
しかし、毎回、そう行くだろうか。明らかにあの時の自分たちの判定より緩い=温かい=人間味のある判定が出される事があるはず。勿論、現在でも、裁判官、裁判長の違いによって判定にブレはあるのだが。その度に、「死刑」という取り戻すことのできない判定を下した自分をどう見る、どう考える、どう処理するのだろう。
そんな苦悩は、それに見合う給料を貰っているプロに任せておけば・・・・・でも、冤罪はあるんだな、これが。
今回は可なりシツコイことになってしまいました。
それは多分、僕が死刑反対だからだと思います。

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