今回の「たくらだ堂」を書き始めたのが3月24日。その2週間前に東北地方を襲った未曽有の大地震の爪痕は、1ヶ月半を過ぎた今も生々しく、そればかりか今日も新しい被害を生み続けている!
その生み続けられる被害の元凶とも言うべき東京電力の清水社長が被災地を訪れ、謝罪した。だが、その彼に遠慮なく被災者の憤激が投げつけられた!
「もっと早く、謝罪来いよ!」
「きれいな町を返して下さい。早く帰りたいんです」
「東電は殺人者だ。もう流す涙もない」
「あんたら偉い人、何処にも行かないでしょ。安全なとこにいるんでしょ。第一(原発)に行って下さいよ」
「1日でいいから、泊まってみて下さい、こういうとこ」
「今日我慢すればいいと思って来てんだろ」
「早く、原発、東京へ持って帰って下さい」
平身低頭、頭を下げていた清水社長だったが、帰ったら部下は言うんだろうな。
「社長、よく、我慢なさいました」
「社長、私は、見てて涙が出ました。私にはできません」
「社長、全部地震が悪いんです」
「被災者は電気が通じればまた変わります」
「社長、やはり、東電は必要なんです」
それを受けて、社長は何て言うんだろう?
@「平気、平気」
A「二度と嫌だからね」
B「みんな結構、頑張ってたね」
C「向こうも運。こっちも運だね」
そんな社長に、佐藤雄平福島県知事は、「原発の再稼働はあり得ない」と大きな釘を刺した!
――しかし、これまでもそんな反対を撥ね退けて今日まで来た東電だ、そうはいくか、佐藤知事!しかも、後ろには自民党が付いている。頑張れ、サ・ト・ウ!
ハイ。勿論、僕は東電の味方ではありません。
そんな現実をよそに、僕は3月後半から、来月早々に控えた『コント衛門・3』の台本と稽古に追われていた。
為に、「たくらだ堂」の間が空いたが、時の進捗と共に変化する災害の事実を憂いつつ、既に現状は違った局面をさらけ出してはいるが、時間の遅れを気にせず書き継ぐこととする。
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あの日、3月11日。今日はあれから2週間だ。
死者は遂に1万人を超え、被災者の受難に終わりは見えない。
更に、行方不明者は1万5千人だという。不謹慎ではあるが、これと同じ数の死者数が潜在しているということではないのか。しかも、中には、その骸が見つからなかったり、誰であるか確認できない場合もあることだろう。
無惨さと、口惜しさが巨大な暗雲となって被災地を覆っている。
それを庇うように、日本中の善意と言う善意が今、その被災地と言われるところに集まっている。が!
その善意の全てが、目的を達している訳ではなく、また功を奏している訳ではない、この現実。
そのすれ違いを埋めるのは、愛と忍耐と時間だ。
しかし、埋めきれない事実が既に生じている。その現実。
そうした葛藤や、苦悩や苦闘をテレビを第一人者とするマスメディアは映しだそうとするが、本当のところは到底伝えきれない。それは、マスメディアの力不足や、勘違いや、傲慢ではなく、現場で起こっている事全てを報道できるわけではない、口惜しいばかりのジャーナリズムの限界であろう。
〜発見される「死体」。その悲惨と過酷の全てを映像に出来るわけではない。そして、それは人に限らない、ペットも、家畜もだ。
〜折角助かった命なのに、既に避難先で起きている「臨終」。その撮影は冒涜、傲慢とも受け取られる。
〜避難者同士の「齟齬」はあるはずだ。「口論」に発展することもあるだろう。家族内でも。救助の人に対しても。緊急時の人間の限度はより小さくなっているはずだ。
〜その他、睡眠、排泄、生理、入浴・・・・今まで、非常に個人的であった日常が人の目の届くところに引っ張り出されている。その不便と不興と不安と不自由。
被災者のリアリティはどこまで伝えられるのか!
そこに追い打ちを掛ける原発だ!
核が人間の手に負えない、人類が扱ってはいけない、悪魔の物質である事が白日の下に晒される日々が続いている。
以下、ニュースを見たり、読んだりする中から、僕の素直な疑問とツッコミ。
――何ミリシーベルト、何マイクロシーベルトかなんか知らないが、この数値なら安全です。いやいや、そうではなく、何がどれだけでも、本来そこに無かったモノが、しかも、人体にも動物にも植物にも良くないものが出てきているのだ!
――最初の頃は、よく、レントゲン撮影一回分より少ないとかいっていたが、だから、それは止むに止まれず、しかも、治療の一環としてそれを勝るものが得られるからの最低限の放射能であって、今回は只管(ひたすら)害あるのみだから。
――屋内退避とか、屋外避難とかいってるけど、体が動かないとか様々な事情でそう出来なかった人、つまり危険な場所にそのままにされた人たちがいたんです。つまり国の安全対策は、完全ではなく、ある場合には国民を見捨てる事があるということなのだ!
――(3月14日読売新聞)「東電によると、原子炉格納容器内の放射性物質量の測定値と、運転停止後の経過時間などから、燃料を覆う金属の破損程度を概算。その結果、1号機の燃料集合体400体の70%に、2号機の548体の33%に、それぞれ小さな穴や亀裂が生じている恐れがあるとしている。1、2号機では、燃料の一部が露出した状態が長時間続いているため、破損が進んだらしい。
14日に水素爆発が起きた3号機では、格納容器内の放射性物質を測定する装置が故障しており、どれだけ破損しているかを推定できない状態だという」なんか、「恐れがある」とか、「進んだらしい」とか、「推定できない」とか、原発のニュースはそんなんばっかり。事故が起きた時の対策は出来ていたのか!どんだけ見切り発車やねん、原発!
――自衛隊のヘリコプターでの散水、或いは消防車での放水。あの光景。頼りなくない?え、そんな感じなの?なんか、大丈夫って感じ。他にやりようは無いの?
――3号機でセリウム144が検出されたら、「これはヨウ素やセシウムと違い、本来燃料棒の内部にあるもので、これが出たと言うことは、燃料棒が割れたのかもしれない」。しれない!? いや、それが判らないの?原発ってそうなの?
――(時事通信)「東京電力は26日、福島第1原発2号機の原子炉建屋から水が漏れ出た跡が確認されたと発表した。25日午前9時ごろみつかり、建屋の搬入口から外の排水口まで続いていた、建屋内のどこからでたかは確認されていない」ええっ!?確認できないの!
――(同)「経済産業省原子力安全・保安院によると、流出跡付近では毎時15ミリシーベルト程度の放射線が計測されたが、流れた水が原因かどうか判っていない」ええっ!?こんなんばっかり!そんなに判ってなくてこの後、大丈夫か?
――そして、今日、「班目春樹・原子力安全委員長は28日夜の記者会見で、東京電力福島第1原発のトレンチでみつかった高放射線量の汚染水への対応について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べた。首相への勧告権限も持つ専門家集団トップの発言だけに、その役割について議論を呼びそうだ」だって。ひどい!責任逃れも甚だしい!勿論、持ち合わせていないことが理由になる訳は無く。持ち合わせていなければならない物の筈だ!こんな奴が委員長って!きっと、委員長に就任した時はパーティとか宴会とかやったんだろうな。きっと、この後はさっさと誰かに譲って、高い退職金貰うんだろうな。寄付とか支援とかしないだろうな。しかも、この斑目さん、原発に関する問題発言、過誤発言が目白押し。興味の無い方でも、面白いのでネットで、‘斑目’で是非どうぞ!
と、事ほど左様に、原発への疑問、乃至怒りは、挙げだしたら際限が無い。それは結局、原発の事故は全て未経験だからだ。シュミレーションが出来ない。それが原発事故だ。避難訓練も防災訓練もきっと原子力発電所の構内ではやったのだろうが、しかし、火災訓練は実際に火を燃やして行うが、原発は実際に放射能を噴出させたり、漏らしたりしては出来ないし、やってもいない。それは相手が放射能だから、噴出させたら、訓練なのに実際と同じ取り返しのつかない被害、影響が出るからだ。つまり、原発は、放射能は未だ人間の手に負える代物ではないのだ。人間はまだ核分裂に手を染めてはいけないのだ!
安全です。大丈夫です。と嘘を言って進めて来た原発政策が破綻した日々である。
原発には未来があると推進者――それで儲かる企業と、彼らに抱きかかえられたファッキン政治家と御用学者ども――は言ってきたが、その未来を今、原発が破壊しようとしているのだ。
だが、金の亡者どものドタバタをよそに、被災地には人や物の応援・支援が届けられている。それは、すべからく心である。会社が大きくなる事が日本を良くし、国民の為だと思いあがっている奴らには想像も出来ない、私に出来る事があるなら、少しでもという思いである。
だが、現実には、受け付ける自治体の問題。運搬手段の問題。人手の問題等、具体的な困難が横たわり、それらの善意が必要なところに必要な分届いているかは、今はまだ予断を許さないが、しかし、今回、遠くの地で被災を逃れた人々は今、素直に自分の生活や家族や仕事や、そこにある欲望を顧みて、想いを被災地に致している。そして今、日本には愛が溢れている!
その愛のひとつに、様々な「中止」がある。
僕は、その愛から生まれた「中止」に文句がある!
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と、バタバタしながら書きましたが、「中止」については次回に回し、ここで、毎度毎度の宣伝!
勿論、『コント衛門・3』!です。
もう何度もこの欄でお知らせしました!「コント衛門・3」!
全役者が決まって、稽古が始まってほぼ1ヶ月。魁塾、京橋花月稽古場、そして僕の家、KOKOプラザ、大淀区民ホールなどなど、数か所を併用しながらの稽古の日々が続いています。
では、全役者、8人の紹介!
@帽子屋お松(京橋花月劇団PLAYERS)
A街裏ぴんく(元・裏ブラウン/魁塾2期生)
B松本時代(松本よし坊改め/NSC31期生)
C小竹佑典(京橋花月劇団PLAYERS)
Dプリンストン・ななえ(NSC32期生)
E 〃 ・かなえ( 〃 )
FWHYNOT・原井亮宣(魁塾2期生)
G 〃 ・かわら長介
そして、作家陣は今回より二人増えて五人!
●かわら長介
●田中亮治(魁塾・3期生)
●寺内崇(〃・6期生)
●也田貴彦(〃・8期生)
●高山拓志(〃・13期生)
そして、その五人が書いた、今回上演――飽くまでも予定――の珠玉、いや、玉石混交のコントは!
@『夕暮れの親子』〜父の帰りを待つ息子。父が現れる!そして繰り広げられる怒りと自由の闇をさ迷う血塗られた言葉の数々!
A『四十七の力』〜神に弄ばれる人間ども。その代表として描かれる大阪人たち。果たして、神の試練に大阪人が出した答えとは!
B『癌告知・3』〜あの「癌告知」、そして未発表の「癌告知・2」に続く第3弾!もし、癌告知が下手な医師がいたら!
C『ある試験』〜その試験には裏があった。だが、その裏にもまた裏があった!それは国家による・・・・
D『最期の望』〜その死刑囚の最期の望は叶えられようとしていた。そして、それは、圧倒的なスピードとパワーで叶えられた!
E『偶然38!』〜偶然は二つのそれが重なった時に怒る。一つだけでは普通に日常が過ぎて行くだけだ・・・・
F『部屋〜ん』〜あなたの部屋には妖怪がいます。それは、あなたが戸を開けると隠れ、閉めると、途端に出てきます。だがそう思って、あなたが戸を急に開けても、そいつらは、もの凄い速さで隠れるので、結局、あなたはその妖怪の姿を見る事ができません。ところが!(初演、それをプリンストンの為に大改稿!)
G『大は小を兼ねるんか』〜息子の面影に生きる母。だが、それを良しとしない息子。ふたりの葛藤は迷走する!
H『螺旋のふたり』〜それは最初は先生と生徒の問題だと思われた。だが、問題は次々と別の局面を表し、元へは戻れなくなって行く・・・・
I『馬鹿はDANGER!』〜これは日本のある地方局のそう言うタイトルの番組であるが・・・・・視聴率は・・・・・そして、今は・・・・・
現在は以上の10本を予定し、稽古に励んでいます!
では、イベントの詳細。
第三回かわら長介Produce
『コント衛門』微糖公演〜あと52回〜
日にち:5月7日(土)
場所:世界館
・JR環状線「弁天町」下車、徒歩約7分
・地下鉄中央線「弁天町」東改札口4番出口より徒歩約8分
※詳しくはブログを。
■1回目 開場:14時 開演:15時
■2回目 開場:18時 開演:19時
料金:前売り2000円 当日2300円
チケットぴあ電話予約
0570―02―9999
Pコード:411−838
【問い合わせ】
※blog:http://blog.ap.teacup.com/conteemon55/
※twitter:@conteemon
※mail:conteemon.55@gmail.com
では、では乞うご期待!!!!!

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