やっぱりと思わされることが続いた。
先ずは、CM。気が付いた方も多いと思うが、嵐の「麒麟グリーンラベル」(ビール)のそれだ。一部が変更されたのだが、それがやっぱりなのだ。
元々は、青空の下、嵐の5人が順に登場。商品の‘ラベル’を文字った台詞が入る。
松本 潤・・椅子で日向ぼっこ ⇒「日向ぼっこる」
相葉雅紀・・ステーキを食う ⇒「肉る」
大野 智・・岩の上でヨガ ⇒「ヨガる」
二宮和也・・ギターを弾く ⇒「ギタる」
桜井 翔・・ハンモックで読書 ⇒「始める」
変更されたのは「ヨガる」。僕は初めてそれを見た時から思った。「ヨガる」か、嵐によく言わせたな、と。
「ヨガる」はご存じか?
家にある小学館『国語大辞典』には載ってないし、『広辞苑』の解説は面白くないので、『日本隠語淫語陰語辞典』に拠る。
【男女の性戯性交において相手の慰撫、奉仕、時には虐待によってさえ全身に時にはある部位に相手の愛を感じ、肉体的或いは精神的に満たされ気持ち良くなること。交悦、喜悦、随喜】
多分、制作会議でも揉めたと思う。
「嵐だよ。ヨガるはダメだよ」
「でも、実際に大野君はヨガやってるんだよ」
「何?ヨガるってなに?」
「お前は黙っとけ」
「だってこの中じゃ、ヨガるが一番いい出来だよ」
「そうそう。肉るって成立してないよね」
「そうだろ。ヨガるはそういう言葉があるんだから。しかもそれがちょっとエロいから、それをしれっとやるとこにまたちょっと制作者の遊び心みたいなものがあって、してやったりってことじゃないの」
「しかも嵐だ!」
「しかも大野君だ!」
「いやそこまで言うなら桜井君に言わせようよ」
「ええ、それは虎の尾を踏み過ぎだろ」
「判ってるけど・・・でもそうなると、桜井くんの‘始める’は何これ?」
で、これが、視聴者からクレームがあったのか、嵐ファンからお願いがあったのか、所属事務所から文句が出たのか、2月に入ったあたりから変わっちゃったのだ。
「ヨガる」が「みなぎる」に!
懸念、的中!やっぱりか!
折角、「お、やるな」と少しだけど思ってたのになぁ・・・・
二つ目のやっぱりは政治家だ。
初当選から29年目にして初入閣、田中直紀防衛大臣。
実はこの人が防衛大臣になったと聞いて、僕は危ない、というかダメだ、出来ない、やっちゃうと思っていたら、やっぱりやっちゃった。
――就任直後の1月15日、NHKの番組に出演した際、国連平和維持活動における武器使用基準の緩和と武器輸出三原則の見直しを混同。入閣前から懸念されていた国防知識の欠如を露呈。
――普天間基地問題で、2012年中の埋め立て工事着工を示唆する発言をおこなってしまい、県外移設を主張している沖縄県側の反発を招いた。
――1月31日の参院予算委員会。秘書官が耳打ちする回答をそのまま答弁し、「腹話術をやめろ!」とヤジられた。
――同委員会中、無断で食堂へ行きコーヒーを飲んでいたことが発覚。
――普天間基地を視察した時、飛行場に隣接する小学校の上空をヘリが飛行する頻度を真部朗沖縄防衛局長に尋ね「“頭上にヘリがおりてくる”って言うんだが、そんなに多いわけじゃないんでしょう!?」と発言。勿論というべきか、ご存知のように普天間周辺は住宅密集地で、2004年には近くの沖縄国際大に米軍ヘリが墜落しているのにだ。
周辺の学校に勤める女性教諭は「ヘリが近くを飛び騒音で授業ができないぐらいだ。認識が甘い」と批難。
――石破元防衛大臣に「自衛隊は何故合憲か?」と問われ、憲法九条をそのまま引用した。立派というか、唖然と言うか、大物というか、気楽というか。
因みに九条は、
『第一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』
これを読んで、武力であり戦力である自衛隊が合憲なわけはないのだが、石破氏は「これを自民党が合憲に持ち込んだ努力と経緯」を言って欲しかったのだが・・・勿論、そんな努力と経緯は亡国であり、国民不在の暴挙である!
――沖縄滞在中、仲井真知事に「沖縄や石垣島には毎年家族と来ている」と親近感を抱かせるアプローチを試みたが、「伊江島に行った」というべきところを「硫黄島(東京都)」と混同。
僕の予測を超えた無知発揮で、つまり期待通りで感慨に堪えない。
こうなったらこの際、もっと沢山不用意発言とかしてい頂いて、防衛省そのものの存在をおびやかして欲しいと願うのは僕だけだろうか。朝鮮の新聞が彼を「野田政権の爆弾」と伝えたそうだけど、大爆発して欲しいものだ!
ガンバレ田中直紀、71歳!
因みに彼の嫁さんはあの田中角栄の娘、田中真紀子さんであるぞ!
三つ目のやっぱりはこれが本題、東京電力の賠償だ!
1月23日放送のNHK『クローズアップ現代・原発賠償 遠い生活再建』によれば、東電が負うべき賠償額はこの5年間で約6兆円!
しかし、震災から10ヶ月経ったこの時点で東電が行った賠償は3300億円!1割にも届いていない!
その内容は、慰謝料や避難費用など当面必要になった分だけで、土地や建物、或いは車両などの今後の生活再建に向けたお金はまだである。
つまり、放射能汚染で使えなくなった畑や田んぼなどの代替地を買うことや、避難地域に指定されたおかげで追い出された家、手放した店舗、工場などを他の土地で再建したり、新しく求めたりするお金はもらえてないのだ。それは住むところ、働くところがないという情況を作り出しており、お金を得られないということでもあるのだ。無論、貯蓄が十分にあった人たちは自分で手を打った訳だが、家は無くなったがローンが残っているという人さえいる。
東電は言う、「国の避難区域の見直しが終わらなければ家や土地の価値が判断できず、損害額が算定できない」「どの区域に当たるかということが、おそらく私どもが賠償する中身に直結してくる。もうしばらく時間を頂きたい」(東電福島原子力補償相談室室長・小川敬雄)
盗人たけだけしいではなく、これは盗人白々しいだ!
元々「原発」などという人間の能力を超えた、いざとなったら人間では扱い切れない――それこそが今回の原発事故なのだが――アブナイモノを作っておいて、それが迷惑(では済まないが)掛けたというのに、その責任を少しでも取ろうという姿勢も見せず、いっそ共犯者の国に成り行きを任せて、「もうしばらく時間を」などという精神と立場の取り方が許せない。
しかも、小川室長、「おそらく私どもが賠償する」などとのたまっている。「おそらく」ってどういうこと?賠償するのは絶対あんたがただろう!ひょっとしたら責任がないことになるかもみたいな言い方する神経が判らない!
じゃ、「時間をくれ」と言いながら、東電として国にその「見直し」を早くしてくれとか、まだですかとか、なんならこちらかからスタッフ出しますよとか言ったのかということだ。もう難癖に近いが、賠償することが本当に会社の責任だと思っているなら、人間としてはそういう話になってもおかしくはない!
しかも、彼らの言う賠償は避難地域に限るのだ。だから避難地域に指定されてはいないが子供の将来や家族の健康の為に避難した人々は入っていない。また、事故当時、避難地域は日を追う毎に拡大されたのだが、避難地域に指定される前に避難地域から出た人々も対象ではないという。おかしい!絶対おかしい。東電という会社が本当に今回の事故に責任があると思うなら、政府の判断を待たず、明日の再建が出来ない人たちに十分な賠償をしてやるのが筋だろう。もし、算定が出て払い過ぎたというなら、あんな分厚い賠償請求書類を被害者に書かすのではなく、後追いでお前らが計算して過払い分を戻して貰うようにせえ!
「国が答を出してないので・・・」。人のせいにするな!原発作って、これまで儲けてきたんやろ!
まだ言わせて貰う!
そんな福島の人々が、突如故郷だった土地を追われ、避難所に、仮設住宅に、親戚の家に、旅館に、病院に肩身も身上も部屋も狭くして、あの土地でやっていた仕事の再開もままならず希望も奪われてこの1年近くを過ごしているという時に、多分、東電の社員はGWを楽しみ、お盆を迎え、クリスマスを祝い、忘年会をし、新年おめでとうと言い、時に誕生日も祝い、結婚式も挙げ、酒を飲み、二次会に行き同じ1年近くを過ごして来ただろう!自粛せい、自粛!中にはどれかを自粛した人もいただろうけど、全部自粛でもトントンではない!
確認しておこう。あんたらが絶対安全だと言っていたあの原発のせいで、あの地で仕事や、家族や、友達や、老後という人生の大切で重要な縁(よすが)を作ろうとしていた人たち、或いは既に作っていた人たちの夢と現実を打ち砕き、家を捨てさせ、土地を手放させ、友だちと別れさせ、仕事を変えさせたのはあんたがた東電なのだ!
しかもその嘆きと願いを国のせいにして10ヶ月も放置している。原発が何であるか、原発を造るということがどういうことか判って作っていないやつらの所業だ。いや犯罪だ。いや傲欲慢だ!というか、原発が本当に何であるか判っていたら原発は作らないだろう。いやいや、そういう言い方は東電をはじめとする原子力村の奴らを普通の人間として見ることになる。つまり、きっと彼らは本当の原発の恐さ、危なさを判っているのだ。だからこそ御用学者や御用知識人、御用タレントを使い安全ですよと言い、事故を隠し、国と一緒になって原発交付金なるもので地元民の顔をはたき、何かがあった時の為に人口の少ない所に建てたはずなのだ!
そして何かが起こってしまった!
結局、原発はリスクはあるが上手くやれば金もうけができると踏んだのだ。企業なんて地球のことより人命より、先ずは金なのだ。でもそれが企業。それは判っています。しかし、上手くやれなかった。商売失敗である。だったら潰れても仕方ないのだ。賭けに出て失敗したのだからしわ寄せは自分のところに来る。ひょっとすると彼らは原発の恐さは判っていたが商売の恐さを判っていなかったということなのか。これはなかなかのジョークだな。
そして、おまけの‘やっぱり’
それは橋下徹大阪市長の盟友である松井一郎大阪府知事。
あの人はきっと橋下さんの足元をさらうか、手を噛む。それは積極的にではない。それは失言、失態、失策、失礼、失速、失火、失念、失自、ともかく何か失敗をやらかして結果的にそうなるということだ。
彼は橋下さんの傀儡だ。だからきっとそうなる。
これは予測で予感です。でも僕の予感は当たるのだ。
当たって欲しいかって? さ、どうでしょう?
PS:『コント衛門・5』 動きだしました!5月末、もしくは6月頭を目指してます!

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