またまた‘TSUTAYA’だ。
勿論というのも腹立たしいが、その商売がおかしい!
僕は怒ってる!
僕は年間200本近く映画を見る。
しかしこの頃は殆どがレンタルだ。映画は映画館でというのが本来の映画の楽しみ方であり、作った人、出ている人へのそれが礼儀、そして感謝の表し方だとは思っている。
だがこの年になると、登場人物の名前や物語の展開など、一回、それもノンストップで見なければならない映画館では付いていけない事態に陥るのだ。特にサスペンス、犯罪ものなどでは流れが重要だ。そうなると家でいつでも画面を止めたり、前へ戻ったりして確認が可能なレンタルが有り難い。そんな訳でレンタル様々な僕なのだ。
その確認の一環にパッケージがある。タイトルや写真は勿論、物語や解説、そして監督以下スタッフ、主な出演者の名前などが書いてある。画面を止めて確認することが結構ある。助かるのだ。
それは映画館におけるパンフレットと同じ役割を果たす。だから僕はレンタルする時はパッケージ毎にしている。要るのだ。
それを、ファッキンTSUTAYAは5月から止めにすると、先日パッケージごと借りたい商品を差し出した僕に告げて来た。
勿論、納得など行くわけがない。
「その理由は?」と聞くと、「メーカーからの指示です」という答えだ。
「え、じゃTSUTAYAとしては、利用者のニーズに関係なく、そう言って来たからそうするという事?」
それへの明確な反論はなく、そうですという感じだ。
「メーカーがそうする理由は?」と聞くと分かっていない。
「メーカーの都合と客の要望で、メーカーの都合を取ったんだ」。無言・・・
映画館は勿論だが、例え家であってもこれから映画を見る時は、見れるぞ、見るぞという待望感が溢れる。なんかワクワクする一瞬だ。そんな商品である映画。いや、商品ではなく作品である。娯楽でもあるがメッセージでもある。映画に救われ、慰められ、また勇気づけられたりする。映画一本で人生が変わることもある。食べ物でも、衣料でも、電化製品でもない商品、映画!それを楽しむために一客だが必要だと言ってるのだ。メーカーもTSUTAYAも映画で商売をしながら、いや、させて貰っていながら、奴らは映画を何だと思っているのか!商品でしかないのか!
因みにだが、メーカーからのお達しは以前からあって、僕が今日までパッケージごと借りられたのは実はTSUTAYAの配慮のお陰ということだった。それは知らなかったし、それには感謝するが。僕は更に、TSUTAYAには何故パッケージごとではダメなのかをメーカーに確かめ、今後の対応を決めて欲しいと思うのだ。
それだけでなく、メーカーの通達に従わないと今後商品を扱わせて貰えないとTSUTAYAの店員は言ったが、いやいや、全国のTSUTAYAが逆にそんな事言うならうちにはあんたとこの商品は置きませんと言ったら、メーカーは聞かざるを得ないだろう、と思うのだが。
だって、TSUTAYAはデカイよ。あそこに拒否されたら映画の売上げにどれだけ影響することか!
TSUTAYAは客の為に何処まで頑張るか、お手並み拝見である。
畢竟、TSUTAYにしろ、メーカーにしろ映画で商売をさせて貰ってる奴らが客のことをどう思っているかだ。つまりは映画をどう思っているかだ。
だが、その上で結局TSUTAYAがメーカーの指示通りに対処するとしても、僕はせめて毎回パッケージごとレジに持って行くぞぉ!
アホの抵抗、意志表示だぁ!
さてさて、ひとしきり息巻いた後は、あれから随分時間が経ってしまったが『R−1・ファイナルステージ』だ!
ここまで駒を進めて来たのは、
◆COWCOW多田
◆徳井義実(チュートリアル)
◆スギちゃん
果たして選びに選ばれた彼らが最後に見せてくれたのは!
■COWCOW多田■
――多田登場。「お題BOX」とタイトルコール。
――彼の右側に「お題」と書かれたBOXがあり、その中から1枚ずつ紙を取り出すとそれにお題が書いてある。多田はそのお題に従ったネタ(ギャグ?)を次々と時間まで披露する。
※♪はメロディが付いていること、actは動きが付いている事を表す。
@カッコいい早口言葉
⇒「青パジャマ、赤パジャマ、黄パジャマ。全部似合ってるぜぇ!」
A何でもカッコ良く決める人
⇒「鼻くそを飛ばそう、虹の方へ!」
B大ケガした焼き肉好き
⇒「♩アバラ折れてるのオレ!」
C小さなウソ
⇒「♪恋人はアンダスロー、本当はサイドスロー!」(act)
D楽器を選ぶジャパネット社長
⇒「♪カスタネット、クラリネット。おれはカスタネット、タ、タ、タ!」(act)
Eうっとうしい納得の仕方
⇒「♪マ〜クドナ〜ルホド〜」(act)
Fラマーズ法を手伝うホスト
⇒「ヒッヒィ フゥワ フワッ!」(act)
G滑舌の悪い郷ひろみ!
⇒「♪言えないよぉ〜ろうにゃくにゃんにょぉ〜」
Hだまされたプリンセスプリンセス!
⇒「♪ダイアモンドじゃねぇ〜!」
Iやる気のない剣道部員!
⇒「面!胴!くえせぇ〜!」(act)
J聖徳太子の本音!
⇒「ふんふん。うんうん。(四方へ頷いておいて)うるさぁい!」
K明るい運送屋!
⇒「パンパカパーン!パンパカ、ウンパーン!」(荷物を運ぶact)
L無職の今井美樹!
⇒「♪わたしは ヒマ〜」
Mドラマチックいないいないばぁ!
⇒「(顔を両手で隠し)いないいない、ケンジ、カツミがいない。きっとあいつらに拐われたんだわ」「何、あいつら!早く助けに行かなけれバ〜(両手を開いて顔を出す)」
Nチャラチャラした坂本竜馬!
⇒「(ポケットに手を突っ込んで)日本の夜明けぇ マジ近けぇし」
O飲み過ぎロケット!
⇒「(しゃがんで両手で頭の上にロケットの先端を作り)ファイブ!フォゥ!スリー!ツゥ!ワン!ゲロォ!ヴゥワー!(と立ち上がる)」
Pエグザイル先生!
⇒「(EXILEの回転をやりながら)この円の面積を求めなさぁい!」
Qチャラチャラした裁判長!
⇒「逆に 無罪」
R客とケンカをするさだまさし!
⇒「(ギターを弾くマネで「北の国から」のメロディ)♪あ〜あ あああああ〜あ あぁ゛ん?!」
――ここで制限時間を告げるチャイムが入る。
Sカッコつけたハト
⇒「(ポケットに手を入れ、肩をいからせながら)クルックゥ!」
という20個のネタ。勿論、表情や台詞の間、言い回しやもっと細かい動きも入る。
だがである。作ったネタを覚えておいて、順番にやっているだけである。しかもネタは決して出来が良いと言うわけではない。安易とさえいえるお手軽感である。フリ(お題)に対する答がそのまんまというものが少なくない。勿論、それを狙ったのだ、時代はこれなのだ、大衆芸能はこれでいいのだという立場、考えかもしれないのだが・・・僕は疑問を禁じ得ない。
それに8本は芸能界、もしくはテレビを見ていないと元が何か判らないので誰でも笑えるということではない。
更に時代にモノを言ってる訳ではない。論理的に落ちている=事象を斬っている訳でもない。
無論、そうでなければということではないが、彼が何故このネタをやるかが分からない。本当にやりたいか?とさえ思う。
僕が些か求め過ぎなことは分かっているが、僕は求める必要があると思うので、多田くんに期待してお節介を書くのだ。
■徳井義実■
――フォーマルスーツで登場。漫談か、と思ったら、とんでもない変態ステージだった。
以下、そのネタの流れを大まかに。
「僕は変態的なんです」⇒「基本的に頭からパンティを被っていたいという欲求がございまして」⇒「しかも公衆の面前で」⇒「ただ、街頭でパンティを被ると騒ぎになって敵(=警察)を呼ばれたりもする」⇒「そこで、今日は公衆の面前で自然な形でパンティを被る方法を伝授したい」⇒「街頭でバイクにまたがり、キーをONにして、こうです」⇒(ポケットからパンティを出して頭に被る)⇒「これで大分自然な感じで、あ、ヘルメットかなって思われます」⇒「ただこのまま走ると捕まります。ノーヘルです。法律がありますから」⇒「脱線しますが、僕は法律はおかしいと思う。何十年も前に決まった法律が今なお生き続けているんですよ!」⇒「でも犯罪は日々多様化している、進歩しているんです」⇒「今の犯罪を大昔のルールでは裁けないんです。太刀打ちできないンすよ」⇒「その結果、社会はどうなりましたか?」⇒「皆さんの周り変な奴がいっぱいいますよ!まともな生活できません」⇒「皆さんの可愛いお子さんを安心して公園に遊びに行かすことが出来ますか?できませんよ!」⇒「変な奴いっぱいおるから」⇒「一人暮らしの女子大生、危ないですよ。気持ち悪い奴いっぱいおるから」⇒「ついでに言いますけど、今の社会は若者たちが夢を持ちにくい社会になってます」⇒「でも言いたい。若者たちよ夢を見つけて欲しい」⇒「そしてそれを叶えて欲しい」⇒「くじけそうになる事あります。僕もあった。あったけど頑張って、頑張って夢を追い続けた結果」⇒「こうなってます」⇒「それでもくじけそうになったら僕に相談して欲しい」⇒「君は一人じゃないぞ!」⇒「僕がいる。いや、僕みたいな奴がいっぱいいる!」⇒「そしてその夢が叶った暁には、女の子!」⇒「パンティをくれ!いち、2枚くれ!」・・・・「じゃ、最後に、めっちゃ可愛い猫の映像のモノマネをして終わりたいと思います」⇒用意してあった段ボールにパンティを被ったまま飛び込む。
徳井は何故こんなネタをやったのだろう?単独ライブの中の一本としてやるならまだしも、全国ネットの番組で、こんな二枚目徳井君としては決して得にはならないネタを。自棄?破れかぶれ?でも、何割かの開き直りを感じたのは僕だけではあるまい。そしてきっと何か意図があったのだろう。僕が思いっきり僕の考えに引き寄せて邪推するなら、その他の若い芸人にこれぐらい好きな事を、或いは危ない事をやって欲しいという、たまたま決勝へ行けた故のメッセージか、と。違うか?
でも、パンティ被りっぱなしで、公衆の面前でパンティを被れる法を説き、昔の法律で今の犯罪は裁けない!何故か。犯罪は多様化しているんだと叫び。その結果、僕のような変な奴が増えたのだと自らと社会の変化を嘆き。そんな危ない社会だが、若者よ夢を持ってくれと願い、それが叶ったら僕の夢の為にパンティを2枚くれ、と懇願する変態徳井。お笑いへの覚悟が感じられて嬉しい限りだ。
それに、実は僕はこれぐらいは変態だとは思わない。
ただ不満が無いわけではない。話題のつなぎ目で「脱線しますが」とか「ついでに」などという繋がってないことがあからさまに判るような言葉を演者自身が言うのは損だ。そこを傲慢に、いかにも論理的なように言いくるめて話しを進めるのがプロなのではないか。その方が聞く方も気持ちが良い。
けれど、そんなネタをゴールデンの、しかもR−1決勝でやる徳井の覚悟と実践には大きく長い拍手を送りたい。こんなネタを僕は好きだ。
■スギちゃん■
1回戦と変わらぬ‘ワイルド’ネタだ。
――このGジャンの袖も買ってすぐ引きちぎってやったぜぇ。レジの前でだぜぇ。お金と交換に引きちぎったぜぇ。ワイルドだろう。
――この前、芳香剤を買ったぜぇ。換気扇の凄い近くに置いてやったぜぇ。良い匂いが部屋を経由することなく外へ出て行ったぜぇ。ワイルドだろう。
――スギちゃん、ワイルドだからメニューなんて見ないぜぇ。どうするかって?ファミレスの店員が来るぜぇ。メニューの上から5つって頼むぜぇ。大体、5種類のサラダが運ばれて来るぜぇ。デザート食べてみたいぜぇ。ワイルドだろう。
――今から目の前でワイルドなところ見せるぜぇ。新品のカメラだぜぇ。(使い捨てカメラを取り出す)出すぜぇ。巻いたぜぇ。(カメラを下に向け、被写体を決めないままシャッターを押す)撮ったぜぇ。このまま現像に持って行くぜえぇ。27枚撮りなのにだぜぇ。店員さんは、後26枚撮れるって言うぜぇ。スギちゃんはいいぜって言うぜぇ。店員さんは現像してもう一度驚くぜぇ。唯一撮られている一枚が床なんだぜぇ。ワイルドだろう。
――この前スギちゃんは、床に片栗粉をばら撒いて寝てやったぜぇ。朝起きたら旨みが閉じこもった気分になったぜぇ。気付いたら卵とパン粉を被ってたぜぇ。何の事だか分からんだろう。私も分からんかったぜぇ。
――スギちゃんワイルドだから、コーヒーはいつもブラックでしょって聞かれるぜぇ。スギちゃんはミルクを多めに入れるぜぇ。マイルドだろう。
――(急に四つん這いになって手足を震わせて)これ何か分かるかだぜぇ。これは生まれたてのワイルドだぜぇ。(立ち上がって)突拍子もないワイルド出たぜぇ。以上だぜぇ。
ラストの3つは変化球という分かり易い構成だ。
だが物足りない。「ワイルドだぜぇ」という割にはインパクトが少ない気がする。申し訳ないが‘一発屋’の香りが芬々とする。しかし嘗てそうであった‘波多陽区’や‘ひろし’よりもインパクトや色は薄い。人が良さそうだし・・・・お節介だが、大丈夫かスギちゃん。
前に書いたが、ストーリーの中でワイルドであり続けるのはどうだろう。
「初めてのデート」でもいい。「居酒屋ワイルド始めました!」でもいい。「ワイルド党から総選挙に出る!」でもいい。「僕はワイルドな医者!」でもいい。「もし僕が桃太郎だったら!勿論ワイルドな」でもいい。「僕の孫もきっとワイルドだぜぇ」でもいい。どれもワイルドな世界がやすやすと想像できるではないか!
無論、それだけが彼が生き続ける方法ではない。多分‘ワイルド’を降りることが最も有効で、だが一番しんどい策だろう。そして彼もそれへの対処や対策は練っているだろう。スギちゃんの次の展開に期待するしかない。
そして結果だ。
▼高田純次 ⇒ スギちゃん
▼板尾創路 ⇒ COWCOW多田
▼ラサール石井 ⇒ スギちゃん
▼木村祐一 ⇒ COWCOW多田
▼天野ひろゆき ⇒ COWCOW多田
▼関根 勤 ⇒ COWCOW多田
▼桂 三枝 ⇒ スギちゃん
つまり、COWCOW多田が日本一になった。
現場では木村祐一が答えを出すのが遅れ、彼以外の六人がスギちゃんと多田に3対3に別れ、木村祐一の答え待ちの中、思いがけない事になった木村祐一が苦渋の顔でCOWCOW多田に入れたという一幕があった。
その結果に取り立てて文句や不満はない。勝負は時の運。演者の調子もあるし、観客によっては受ける受けないはその日次第だ。また審査員が違えば結果は違う。
来年を楽しみにするだけだ。
・・・・因みに僕なら徳○義○だ。

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