「これより戦線を離脱。不時着します」
同じ内容の、2度目の通信。強行軍も度を過ぎたか。
対手を甘く見た−いや、側に居るブラッドクロウ達の熱に浮かされたか。
みすみすボルターに撃たれる位置への進軍を許した自分が甘かった。
剣の聖女の戦い方は良く心得ている。懐へ飛び込みさえすれば、戦闘力は皆無。
あるいは、熱戦砲の届かぬ距離を保てばよい。
それを徹底できなかった指揮官のミスは決して軽くない。
ランドレイダーは刻呪僧らの猛攻に抗っているが、それも時間の問題だろう。
2両の戦車は敵の戦線を揺るがし続けている。
あとは、自分らが一帯を制圧できるポイントに辿り着けば勝負は決まる−
そう戦場を読んだ時、頼もしい援軍が到着した。
ドレッドノート。恐れと痛みを知らぬ鉄の巨人。
勝機は充分にあり。そう確信した。


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