今週が仕事始めの週でした。
私の今の仕事、と言ってもお金になる仕事をしているわけではありません。
むしろ実習生として実習料を払い、スーパーバイザーについてもらっているので、その費用も交通費も馬鹿になりません。
この年でこんなことができるのは周りの理解があってのことです。
思えば遠くへ来たものです。
自分を取り戻す旅の後、今度は人様の心とお付き合いする道を選んでしまいました。
これまでに何人もの人と出会いました。
50分間、初めから終わりまで怒りをぶつけた人もいました。
何の問題もないと言いながら無表情で、ちっとも楽しそうな顔を見せない人もいました。
先日、ある人のカウンセリングが終結しました。
仕事始めに終結というのも感慨深いものですが、「とりあえずは一人でやってみることが出来そう」と語れるところに来た人は、初回とは変わってとても自然な穏やかな趣になっていました。
人の成長の過程に立ち会えるというのは、とても光栄なことだと思います。
この人とは、去年からずっと依存(自立)をテーマに話してきたように思います。
私自身の問題やテーマともだぶりながら、二人で後になったり先になったりの旅でした。
未熟者のカウンセラーによくぞついて来て下さったと思うのと同時に、話すことで人が変わっていく姿を、鮮やかに見せてもらえたと思います。
心や内面世界というのは目に見えず、防衛や否認が働きやすくわかりにくいものです。
けれども、自分の中の鏡像に自問自答しているより、信頼できる赤の他人に(守られた場所で)話すことで、気づきや理解が起こることが多くあります。
そうして内面に変化が起こると、目に見える外側も変わります。
その人を取り巻く人との関係や、身近な家族さえ微妙に変化します。
家族のもろもろを無意識に引き受けて生き辛くなった人が、そういう自分に気づき、家族と適度な距離を取り、自分を引き受けるようになると、家族もまた変わらざるをえません。
家族は家族でそれぞれが自分自身の心や内面と直面し、自分自身のことは自分自身で引き受けていかなくてはなりません。
それぞれがそれぞれにそこを乗り越えたら。。。
「初めて声をだして笑ったのを見ました」
とクライエントが言ったような、自然な心や感情が流れる家族に戻れるのでしょう。
そうして私の役を終える時が来たわけです。
ちょっぴりさびしいけど。
きっと、ずっと、この出会いを大切に思って、これから進んでいくことになるでしょう。
私が与えていただいたものは多かったと思います。

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