旅仕事続きで随分と良さそうなライヴを見逃していたが、
今週の日曜日は大丈夫。
ネットの掲示板でたまたま目に飛び込んできたのが、
日本のブルース・バンド、Jungle Hopの道内ツアー。
とにかく、メンバーが凄い。
●小出斉(G&Vo)
ローラーコースターなどで活動している、ブルース・ギタリスト。
ブルース評論家としても有名で、彼の著書「ブルースCDガイドブック」 と、
ギターマガジン連載中のコラム「ブルース雨アラレ」は僕も愛読している。
●石川二三夫(Harp)
ソロとマッドワーズ等で活動している、国内ではトップクラスのブルース・ハーピスト。
数年前、高円寺JIROKICHIで小出氏と石川氏参加のブルース・セッションを観た。
●岡地 曙裕
元ボ・ガンボス、現在は吾妻光良&スウィンギン・バッパーズのドラマー。
●江川ほーじん
言わずと知れた、爆風スランプの初期ベーシスト!
岡地氏とほーじん氏は、昔懐かしい札幌の夏フェス「ロックサーキット」以来だ!
(もちろん、ボと爆風で)
で、このJungle Hopは今年ファースト・アルバム発表のニュー・バンドである。
CDの方はタワー・レコードで試聴済み。
プレイボタン押して数秒で、レジ直行!・・・しようと思ったが、
お金がなかったブルースマン。
その数カ月後、目の前で観られるなんて。
結局、そういう運命なのねブルースマン。
ヘブンスタジオはススキノのど真ん中にあるビルの地下。
程よい客の入りで、定刻通りスタート。
岡地とほーじんが登場して、おもむろにブギのリズムを刻み始める。
次に小出、石川が加わって、バンドの音がドカンと鳴り響く。
曲名はわからないが、ジョン・リー・フッカー風のワンコード・ブギ(たぶん)。
しょっぱなから、ハードだ!!
なんだか、ギター走り気味でドラムをグイグイ引っ張ってるし・・・。
ビール片手に和んでる場合じゃねーよ!
ボーカルは小出と石川が交互に担当。
両氏の声も嫌味がなく、バンドの音にマッチしていた。
各曲の始めに、演歌の前説よろしく歌詞の内容の説明が入る。
全曲カバーで英語の詞なので、これは重要。
歌も聴いて欲しいという、思いも伝わる。
ブルースの詞は失業、失恋、酔っ払いとか、
どうしようもないのが多いんだけど、
そんなものは蹴飛ばせ!
熱さは全編変わらず、石川は客席の女性の前へ駆け寄り、
甘く、エロなハープを吹きまくる。
肺活量全開の超ロングトーンも圧巻だ。
それに負けじと小出もシールドの長さが許す限り、
小屋の後ろまで乱入、客のグラスでギターを激しくスライド。
椅子の上でストラップを外して、背中弾き・・・。
こんな事ばかり書いているとまったく渋さのかけらもないが、
ブルースとはこういうものだ。
シンプルで、ユーモア満点でバカな音楽。
はじけ方は少々違うが、一週間前のライジングサン・フェス、
KINGBROTHERSのステージも非常にブルースだった。限りなくバカ。
小出のギターの音が凄くいい。
テレキャスター(フェンダーではないようだ)アンプ直結(かそれに近い)。
たぶん世界で一番正しいエレキ・ギタリストのひとりだろう。
程よくダーティな歪みで、生々しい感じ。
スライ風リズムのファンク・ナンバーではワウを使っていた。
ここではほーじんとのリズムの絡みが気持ちよかった。
前半終わって休憩タイムのあと、
石川氏と地元のブルース・ハーピスト4人でのセッション。
ハーモニカだけで数曲演奏。ハープはリズムも刻める。
なんとなく、ほのぼのムードのあとは、怒涛のバンド復活。
彼らがカバーするナンバーは、クラプトンやストーンズがやったアレとか、
お馴染みの(?)ものがほとんどないマニアックなものだと思った。
(単に僕の知識不足もあり)
独自のアレンジで原曲の面影も薄いという。
「どブルース」には無縁だった江川ほーじんの功績も大きいのか?
クライマックスは、ほーじんのベース・ソロ。
得意技の高速チョッパー攻撃のあとは、アンプに駆け寄ってギンギンに歪ませ、
クレイジーなフレーズとリフを連発。完全にロック・ショウ。
ソロのあと初めてほーじんのMCがあったが、よくしゃべる!
関西弁ではあるが、この早口と奇声の上げ方は・・・。
サンプラザ中野とパッパラー河合のアレだ!爆笑。
内容はよく聞きとれなかったが、
「いつでも行くよ!」と「CD買ってください!」だけは耳に残った。
今夜は一週間の北海道ツアーのラスト。
燃え尽きたステージだった、と勝手に思った。
また来てくれ!という思いも込めて、CDを買った。
小さいハコの?楽しみ。メンバー全員にサインをいただく。
そのとき軽く、Jungle Hopインタビュー?(記憶不足で正確な返答はゴメン)。
コ「前に高円寺で見ましたよ。ガッツ・バラエティー・ショウ」
石川「あー、懐かしいね〜!今はやってないけどジャグ・バンドで出てるよ」
コ「ギターマガジンの連載、ブルース・ガイド本愛読してますよ!」
小出「ああ、ありがとう!」
こ「ロックサーキット以来です!ボ・ガンボス」
岡地「あ、そうだね〜!」
こ「爆風の頃からファンです!」
ほーじん「・・・」
たぶん、ほーじんさんは熱狂ステージで放心状態と思われた。
しかし「ありがとう」と握ってくれた手は力強く暖かかった。
髪型もルックスもあの頃と変わってなかった。
白いジャズ・ベースが、サーフ・ブルー?になっていたけど。
いろいろな意味をこめた、
ディープなブルース・ナイトでした。
JUNGLE HOP(ジャングル・ホップ)http://www.bls-act.co.jp/artist/jungle_hop.php

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