The Birthdayも終わり、
日付も変わったSunStageに
浅井健一。
オープニングで静かに口ずさむこの曲は、
ブランキーのフォーキーな初期ナンバー。
三枚目の『CB.Jim』からだったかな?と一瞬思ったが、
これは大好きなセカンド『BANG!』の「二人の旅」だ。
この最初の一曲でベンジーに捕まってしまった。
ここ数年は他のアーティストに気をとられて、
彼のステージを最後まで観ることはなかったのだけれど・・・。
じつは、今年もベンジー少々で、
Earthのeastern youthへ走ろうと思っていたのだが・・・吉野ごめん。
最近の彼のソロ・バンドにサポート・ギタリストが入っていると聞いて、
えっ?と思っていたのだ。
そのギタリストがプレイグスの深沼だと知って、さらに驚き。
うーん、意外な組み合わせ。
サザン・ロック通のイメージがある深沼氏が入ったせいか分からないが、
バンドの音がいつもよりオーガニックな感じになったような。
ベンジーのボーカルにもどこかアダルトさが・・・。
バイオリンと鍵盤を操る岡村美央の妖艶な音と佇まいも刺激的だった。
あとで調べると、ベースはシアターブルック、blues.the-butcherの中條卓。
これにもびっくりしたが・・・この音は、なるほど。
まあ理屈はともかく、
今年のベンジーにはロックンロールの深さを強く感じた。
『BANG!』からは、ジャームッシュの映画の世界のような、
「ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車」も。
地を這うベース・ラインと怪しげなギター・ソロも最高だ。
そして後半は、キラー・チューンの「ディズニーランドへ」。
思わずステージ前へ駆け寄ってしまった・・・。
人の心、友情や愛情のもろさを赤裸々に歌った決して楽しい歌ではないけれど。
そんな痛みを含んだ言葉の世界に強く共感せずにいられない。悪いけど。
ミッドナイト・ベンジーに完全に持っていかれた。

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