あがた森魚デビュー40周年コンサート
『女と男のいる舗道』
ひさしぶりの道新ホール。

札幌に住み始めたころ、
ブルーハーツも憂歌団もここで観たな。
あがた森魚はいままでノー・タッチだった。
ニュー・ウェーヴな80年代に、
アニメ「うる星やつら」のテーマを歌っていたことと、
ミニ・シアターで観た映画のなかでちょっとだけ。
最近になって、ドラマ「深夜食堂」に役者で出ていたり、
尾崎亜美さんの音楽番組で歌う姿を観て、
なんだか突然気になりはじめた。
それで今回のデビュー40周年コンサート。
代表作を二枚ほど聴いて、
軽い気持ちでチケットを買った。
なんといっても、バンドのメンバーがすごい。
駒沢裕城、坂田 学、白井良明、鈴木 茂、
鈴木博文、武川雅寛、矢野 誠
…この名前にすぐピンとこない人はまあいいんだけど(笑)。
なんといっても、ギタリスト鈴木茂がいる!
でも、あがた森魚さんのコンサートだし、
終始アンプラグドな落ち着いた感じなのかなと思ったが。
ツアーも初日なので、
詳しいことは書かないけど、
最高のロック・コンサートだった!
オープニングは雰囲気たっぷりでタメを効かせて、
バンドの音が鳴れば、軽快なフォーク・ロック。
そのまま彼のパフォーマンスにどっぷり。
とにかく、深いな。
ちょっとネタバレになるが、
尾崎亜美さんの番組で、亜美さん礼さん夫妻と共演していた、
「俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け」も歌ってくれた。
この歌のコール&レスポンスが楽しくて、
壮大なメロディ、アレンジも美しくてとてつもない世界。
唯一の若手、ドラムの坂田学は、坂田明のご子息だった。
彼のパワフルな叩きっぷりもこのステージの重要な部分だろう。
わたしの席は三列目でステージはすぐそこ。
さらに、目の前で憧れの鈴木茂さんがストラトを弾いている!
バンド・アレンジもギターの見せ場が多くて、
白井さんとのツイン・リードで弾きまくる場面も。
これは、たまらない(笑)。
もちろん、ほかのベテランたちの演奏も素晴らしい。
会場で先行発売されたニュー・アルバムは、
古き良き映画音楽のカバー集。
ライヴでも数曲演奏され、好評だった。
ステージは三時間近くに及び、
代表曲もたっぷり、全く飽きるヒマもない。
生で聴くあがたさんの声は本当に素晴らしくて、
不思議な魅力を持ったヴォーカリスト。
彼の好きなボブ・ディランと同じ、
理屈ではない力を備えている。
いちげんさんな私が多くを語るには、
まったく役不足なのでこの辺で(笑)。
コンサート終了後はすぐに握手会。
あがたさんと白井さんが和気あいあいと、
一瞬のふれあいに応じてくれた。
帰り道の地下街のトイレで、
同じレコード袋を持った年配の男性に思わず、
「最高でしたね!」と語りかけると、
うれしそうに答えてくれた。
昔からのファンだという。
最後まで、気持ちのよいコンサートだった。

最新作「女と男のいる舗道」と「あがた森魚読本」
いただいた色紙にはメンバー全員のサインが!

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