完熟トリオ(小坂忠/鈴木茂/中野督夫)
初の札幌公演を観に、ひさしぶりのペニーレーン24へ。
雪が降りそうな予報だったけど大丈夫。
開演待ちもわりとあたたくて助かった。
会場のスタンバイ時に常時かかっていたのは、
ボブ・ディランの新譜「テンペスト」というのがうれしい。
改めていいアルバムだなと思った。
オープニングアクトは札幌のベテランR&Bバンド「Twincam's」。
はじめて観たが洋楽カバーと日本語オリジナルで20分の短い時間ながら、
聴き応え十分の余裕のステージ。
そしていよいよ完熟トリオ登場。
三人とサポートの打楽器奏者が現れるとともに盛大な拍手。
ステージは二部構成で、
第一部はカバー特集、第二部はそれぞれのオリジナル。
とにかく完熟なので、休憩時間が大事なのだという(笑)。
メイン・ボーカルはアコギを抱えた小坂忠さんで、
鈴木成さんと中野督夫さんはストラトのツイン・エレキ。
お二人ともわりとエフェクト深めのギター・サウンド。
安定したバッキングから攻撃的なギター・ソロまで、
ベーシストはいないが、
パーカッションと最小限のドラムセットを駆使して、
リズムをキープする永原元さんが大活躍。
とくにキックが強烈!
リズムだけでも聴く価値大あり。
全体の音量は控えめではあるが、
立派なギター・ロック・バンドだ。
カバーは懐かしい洋楽中心で彼らの音楽スタイルの素のような選曲。
加えて80年代を代表するあのヒット曲はちょっと意外だったかな。
オルガンのフレーズで有名なあの曲も、
茂さんのギターで見事にカバー。
忠さんの声は本当にソウルフル。
ステージでは渋さよりむしろ力強さを感じるものだった。
第一部から鈴木茂さんソロ弾きまくり大会。
感動しました(笑)。
第二部はそれぞれのオリジナル。
もちろん名作アルバム「ほうろう」、
「砂の女」からもばっちり。
珠玉の名曲演奏はもちろんだが、
曲のあいだのトークがまた濃い。
若き頃のこぼれ話を話しだしたら止まらない。
客席も同じ時代を共にした人たち中心で同窓会な雰囲気。
ユーミンの話が出て、
茂さんが「この曲」といいながらギターでさわりを弾くなど、
ファンにはたまらないんだろう。
中野督夫さんの飄々としたキャラクターもじつに面白い。
センチメンタル・シティ・ロマンスというバンドは
竹内まりやと共演しているくらいの知識しかなかったのだが。
わたしはこの場所では若輩者でアウェイだが、
レアな話題に顔がほころびっぱなし。
「砂の女」のイントロのカッティングで歓声があがった。
ライジングサンで達郎が歌ったナンバー、
やっと本人の歌とギターで聴けた!
忠さんの曲でのスライド・プレイも見逃せない。
アンコールのラストはやはり忠さんのあの曲で。
二回目のアンコールを求めるのは野暮です(笑)。
今週は行きたいライヴ目白押しだが、
完熟選んで大正解!大満足のステージだった。
また札幌に来たいということを強調しながら、
ライジングサンにも出たいのでWessのひとにも頼んでいるそう。
今年はフジロックに出て好評だったというので、
是非、石狩の夜に観たいものだ。
リクエストします。

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