泉谷しげるがやってくる。
今回の上陸は旭川の隣の鷹栖町。
最初から諦めていたが、
ギリギリの線♪で機会に恵まれて、
遠征出来ることになった。
個人的には、2009年の小樽以来になるのか。
国道12号線を走って、
早めに会場に着いて当日券を手に入れた。
会場一時間ほど前から、
がらんとした駐車場でホカ弁を食べながら待つ。

鷹栖町メロディーホール

お土産も買った。鷹栖町といえばこれか。
時間が近づくと暗闇から車がぞくぞく。
地元の中高年の方がほとんど。
同じく札幌から来ている梅ちゃん菊ちゃん夫妻、
遠軽のPKOくんと合流してから会場入り。
思えば古いおつきあいになっている。
メロディーホールはキャパ500の綺麗な建物。
席は後ろの方だったが、ステージからは程よい距離。
客入れのBGMはもちろん泉谷ナンバー。
アルバムそのままではなく、
バラエティに富んだ心憎い選曲で楽しめた。
数分ほど押してイズミヤ登場!
椅子に座り、激しく12弦ギターをかき鳴らす。
このギター抱えたら、もちろん曲は「紅の翼」!
吠え方もギターの切れ味も抜群!
この一曲で今夜のステージの出来は決まったようなもの。
続いて藤沼伸一がいつもの小ぶりのアコギで加わっての「野良犬」。
いつもにも増してコンビネーションばっちり!
次は「旅立て女房」。つかみの選曲としては定番の流れか。
「黒いカバン」も難なく?歌いきる。絶好調。
あえて難を言えばスリリングさに欠けるかな(笑)。
「手拍子するな!」ネタはいつものとおり。
「おー脳!!」はギターを藤沼に任せて、
「歌って踊る」スタイル。
サビの振りを強制するイズミヤに真面目に答える、
おじさんおばさんのノリの良さがなんともおかしかった。
コミカル風味路線の次にしっとりで落としてくるのもお決まりか。
「里帰り」「春のからっ風」を続けてアコースティックな前半終了。
「からっ風」の藤沼のスライド・ギターは沁みる。
リズム隊の2人が現れて、一旦泉谷さんが引っ込む。
藤沼のギターをフューチャーしたセッションで一息。
バンドの音のバランスもいい。
藤沼のギターのトーン、
フレーズの懐の広さにため息が出る。
イズミヤ再登場!
ミディアムテンポのエイト・ビートは「カウントダウン」。
前々作アルバムの一曲目だ(帰ってから調べてわかった・・・)。
ゆったりとしたビートにあわせてシャウトする、
生き生きとしたバンドの立ち姿がなんともいい。
繰り返し聴き続けた過去ナンバーよりも、
この曲でいちばん目頭が熱くなった。
新しい歌を生み続ける泉谷しげるに感動する。
「愛と憎しみのバラッド」。
アルバムではオーケストラのバックにあわせて歌う異色のスタイルであったが、
ここではもちろんバンド・スタイルで披露。
これも実にいいアレンジで、CD再収録を希望したい。
「Y染色体のうた」も同じ前々作アルバムから。
盆踊り調のドラミングではじまるこの曲は、
「A HA HA HA」に似たノリのコミカルな歌詞。
でもテーマは、笑ってばかりはいられないシリアスな…。
「♪わーいわーい染色体」の振りで再び会場が一体化!
さて、ここからハード路線。
ついてこれるか?タカス!?
大定番「眠れない夜」からスタート。
思わず全編歌いまくってしまいそうだが、
ぐっと抑えてサビだけにしておいた。
(心の中では大絶叫)
つづいてこのボ・ディドリーなドラミングは、
「Dのロック」だ!
そのまま「火の鳥」、「国旗はためく下に」という怒涛の展開。
選曲はある程度予想どおりではあるが、
泉谷とIZバンドの一体感に息を呑む。
板谷の破天荒なドラミングに渡邉(今夜は平井堅似)のベースがうねり、
藤沼が足を上げながらギターをかき鳴らす。なんだこれは!
そして、吠えまくる泉谷!
まるで全盛期のザ・フーでも生で見ているかのような、
日本人離れ(いい意味で)したグルーヴと一体感。
この鋭さはLOSERでは体感出来なかった「ロックっぺえ」音だ。
最近タバコをやめて喉の調子が良くなったとのこと。
体こそヘロヘロ状態のシーンはあったが、
ヴォーカルが途切れるような心配はほとんどなかった。
71歳のポール・マッカートニーにも迫るような勢いか?
ちょっと残念だったのは、
「翼なき野郎ども」が演奏されなかったことか。
このノドでもう一度吠えて欲しかった。
(あー、一緒に吠えたかった!)
あと、「デトロイト・ポーカー」も…。
でも「国旗はためく下に」は、
いま一番リアルに響く歌なのかも知れない。
(「黒いカバン」で時事ネタはなかっただけに一層)
熱気が最高潮に達したところで「春夏秋冬」。
サビで自分のために歌えとのメッセージ。
バンドの演奏が止まったところで、
客席の歌声だけが会場に響く。
そのまま引っ込まずに「強制アンコール」!
ペイントのモーリスを激しくかき鳴らして、
曲はもちろん「野性のバラッド」だ。
後半はいつもの老若男女の連続ジャンプ。
そして、イズミヤの会場乱入。
後ろには来てくれずにステージに戻ってしまったが…。
ラストは「Come to my bedside」。
レゲエのリズムでボブ・マーリーになって、
下ネタを絡めた「やっちゃえ」大合唱(強制)。
このへんは最近の定番なのかな?
大歓声に包まれながら、
二時間弱のステージが終わった。
このあとはサイン会があるとのこと。
CDもグッズも買っていなかったが、
会場でも売っていた泉谷ハンコTシャツを着ていたので、
オーケーだという。忘れないで良かった!
梅ちゃんPKOさんと早めに列に並ぶことが出来た。
やがて目の前に泉谷しげるが!
ひとりひとり名前をきき、会話に答えながら、
サインする泉谷さん。
サインのあとも「写真はいいのか?」と声かけ。
長い列が出来ているにも関わらず、
じっくりコミュニケーションしてくれる。
「コオロギと書いてください、ハンドルネームなんで…」の注文にも、
「なんだ?訳わかんねえ〜」と言いながら、デカくTシャツの背中に書いてもらう。
(その前に首にマーカーで「○」印も描かれた!)
「札幌には十何年も来てくれてませんね〜」と言うと、
「行ってねえなあ…行かねーよ!」とのお言葉(笑)。
こんなやりとりが出来るのは地方公演の醍醐味なのかも知れない。
会場が近くても遠くても行けない時は行けないし、
すべてはその時のタイミングである。
この先、ライヴが観られるのはあるのか、
もしかしたらこれが最後なのかは分からない。
心配だった帰りの天気も雪は降らず穏やか。
泉谷のアルバムを取っ替え引っ変えカーステに突っ込みながら、
最高の気分で深夜のドライヴを楽しみながら札幌に戻った。
【SET LIST】
※順番は間違ってるかも。曲目はあっている?はず。
紅の翼
野良犬
旅立て女房
黒いカバン
おー脳!!
里帰り
春のからっ風
(バンドのみのインスト)
カウントダウン
愛と憎しみのバラッド
Y染色体のうた
眠れない夜
Dのロック
火の鳥
国旗はためく下に
春夏秋冬
野性のバラッド
Come to my bedside

鷹栖の夕映え

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