『八月のクリスマス』
ホ・ジノ(許秦豪) (監督)
ハン・ソッキュ(韓石圭) (主演男優)
シム・ウナ(沈銀河) (主演女優)
1998年制作
1999年日本公開
☆☆☆☆
映画の冒頭に示されるオリジナルタイトルは「8月
의 크리스마스」。「月」の漢字が使われている。「パルォレ クリスマス」と読むのだと思う。
韓流ブーム以前の韓国映画の代表作。映像の色合いというか質感から正直もっと古い映画かと思っていた。ちなみに『シュリ』が1999年(2000年日本公開)。

僕は映画のことはよくわからないんだけど、ヨーロッパの映画みたいだなぁという印象。『イル・ポスティーノ』とかあんな感じの(『イル・ポスティーノ』は好き)。
初めて観たときは正直グッとくるものがなくて肩透かしをくらったような感覚だったんだけど、話の展開を知った上でもう1回観てみたら今度はシミジミ良い映画だなと感じました。
2005年に山崎まさよし主演で日本でリメークされた。本家の邦題は「八月のクリスマス」で、リメーク版は「8月のクリスマス」。
この映画で最も印象に残っている言葉は「
아저씨(アジョッシ)」。「アジシィ」と聞こえる。意味は「オジサン」。血縁関係のない見知らぬ男の人に対して使う言葉らしい(とずっと思っていたんだけど、血縁者としての「オジサン」もやっぱり「アジシィ」みたい)。店員やタクシー運転手に呼びかけるような場合も使う。居酒屋で女性の店員に「
아줌마(アジュマー)」と呼びかけるシーンもある。
想像して下さい。あなたは個人経営の小さな写真屋の店主で、最近20代前半の女性が客として来るようになった。
おんな:「アジシィ。」
あなた:「何?」
おんな:「ここで休んでもいい?」
あなた:「イェー、クルゥセヨ〜。」
おんな:「もう暑いのはウンザリ。」
あなた:「大変だね。(扇風機のスイッチを入れる。)」
おんな:「アジシィ、サダタニチョ? 獅子座は私と相性いいんだけど。」
あなた:「・・・。」
おんな:「クンデ アジッシ ミョッサリエ〜ヨ?」
あなた:「僕? 20代後半だよ。」
おんな:「イェー? そう答えるってことは30代でしょう。ホンジョニアジシネ〜。」
あなた:「フフ。」
おんな:「キョロンアデチョ?」
あなた:「子供が2人いるよ。」
おんな:「ウソついても服装でわかるわよ。少し寝るから話しかけないでね。」
あなた:「ハハハ。(扇風機を彼女の方に向ける。)」
おんな:「ところでアジシィ。」
あなた:「ん?」
おんな:「今日は言葉がぞんざいね。」
「ホンジョニアジシネ〜」は「本当にオジサンね〜」なんだと思う。何か韓国語を聞いているうちに、ひょっとして俺、韓国語できるようになるんじゃないかなぁという気がしてきた。というわけで今日のキーワードは「アジョッシ」。

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