「『海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』☆」
あ行で始まる映画
『海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』
太田隆文 (監督)
佐津川愛美 (主演女優)
谷村美月 (主演女優)
芳賀優里亜 (主演女優)
東亜優 (主演女優)
波岡一喜 (男優)
三船美佳 (女優)
2006年制作
☆

現在売り出し中の中高生女優4人をフィーチャーしたファンタジック友情物語。世の中にはまだまだ物凄いものがあるもんである。
この映画のキャッチコピーは「はじめての友達は、もういない永遠の友達」。何故こんなコピーなのかというと・・・、友達のいなかった孤独な女子高生が、死んだクラスメートの幽霊との間に友情を築く、というトンデモナイ話だからだ!
誰かが一生懸命つくったものに対して、こんなことを言ってはいけないのだろうな、とは思うけれども、正直、この映画を我慢して最後まで観た自分を誉めてあげたい。ストーリーから、シナリオ、演出、映像、音楽、果てはタイトルまで、何もかもダメ。これじゃ出演した女のコたちがかわいそう。正直、☆の数ゼロでもいいと思うんだけど、一応「最低」は☆1つということにしているんで・・・。監督はこれが劇場映画デビュー作のようだけど、ポッと出の新人というわけでもないし、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

冷静にストーリーを考えてみれば、この映画、交通事故でクラスメートを同時に3人失い、自分だけ助かってしまった女のコが、事故後2日間精神的に非常に混乱し、彼女たちの死を受け容れられず、死んだ彼女たちの最後ののぞみを叶えてあげようと独り奔走する、という話。その過程で、主人公は、友情が芽生えてくるのは具体的な相互作用によってであることに気づき、不本意ながらも彼女たちの死を受け容れていく。この監督、大林宣彦のところにいた人だそうで、目指したのはあのテイストだったのか。とすれば、明らかに力不足。プロットだけ考えれば、悪い話じゃないのだが。
映画の舞台となっているのは、世界遺産に認定された熊野古道の町・和歌山県田辺市。そもそも、この街の美しい景色を背景に、少しノスタルジックな映画を撮る、というのが、そもそもの狙いだったようだ。それなのに、街の風景すら美しく撮れていないもんなぁ。いや、本当にどうしてこういうことになってしまったのか・・・。
ちなみに、主役級の2人(佐津川愛美と谷村美月)は、『
笑う大天使(ミカエル)』(小田一生 監督 2005年)で、それぞれ二言・三言のセリフのある役を演じていた(DVDパッケージのジャケット写真にも写っている)。なるほど、あの映画って、こういう次世代アイドル(?)が多数出演していた映画だったのか。
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「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」公式サイト

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