昨日は忙しい一日だった。
何と言っても、クリスマスのプレゼント制作が
忙しいの忙しくないの、忙しさに拍車をかけている。
そんな中、長男のヘアカットの予約を入れてあったので、
サンフランシスコまで出かけて来た。
サンフランシスコと一口に言っても、
大阪にミナミとキタがあるように、
色々な地区がごった煮のように混在しているのが
都会の特徴である。
長男行きつけの美容院は韓国人が経営している所で、
ネイルの専門からエステまで幅広くサービスを提供している
サロンである。そこにソウルで頑張っていたビン君という上手な
ヘアスタイリストがいるので数カ月に一度通っているのである。
ちなみに、うちの夫も次男も行っている。
更にちなみに言わせて貰うと、私は行きません。
なぜなら、私は「ショウジさんについて行く」派だから。
ビン君は上手だけれど、ショウジさんの足下には及ばないから。
話がそれた。
そのうちの男衆3人が行きつけの美容院は、
1号線をずっと北上した先をちょろりと曲がった所にある。
その一角はちょっとした中華街のような感じである。
土曜日、日曜日はその中華商店街で買い物しようと訪れる人の
車やらでごった返し、予約の30分以上前に到着したにも関わらず、
車を停める所がなくって、グルグルグルと2から3ブロックを
放浪せねばならぬ位だった。
それでも、ようやっと駐車場を見つけて車を停め、
外に出る事ができた。
車から外へ出ると、そこは想像以上にアジアな感じである!
人、人、人、人、人!
中国語の大きな声が飛び、何かの香辛料の匂いが立ちこめている!
それに、お肉屋さんの店先にはブタの頭だって売っている!
なんだか知らんけど、そこに立っているだけで元気が出て来る!
車を停めた所から美容院までは3ブロック程あったのだが、
テクテクテクテクと楽しみながら歩いて行った。
日本人が使うと同じような食材もばれば、
お持ち帰りの出来る飲茶も売っている。
そうかと思えば、完全なるヨーロッパスタイルのケーキ屋さんも
あったりするし、日本の100円ショップまがいの店もある。
その店の自動ドアは開く度に、
オートマティカリィに「ありがとうございました」と
アナウンスしたりする。
長男が言う。
「チャイナ・タウンって全然、ジャパン・タウンと違うよね」
確かに、確かに。
サンフランシスコ日本人街のおとなしやかに、
ちんまりと、お行儀良くおさまった感じとは全く違う。
中国人達は中国4000年パワーという感じに活気溢れて生きている。
長男、更に言う。
「どうして中国の人達って、集団になるのかな?」
とても良い質問だと思う。
「どうして日本人は、中国人ほど一緒にいないのかな?」
とてもとても良い質問だと思う。
「どうしてなんかなぁ」
夫も私も一緒に考える。
「ママは思うんだけどさぁ。
こういう事ではないかしら???」
私の推論はこうである。
日本人は良きにつけ、悪しきにつけ、柔軟性に富んだ国民である。
例えば、食べる物にしたって、中国人達より韓国人達より、
より多くの国々の色々な物を美味しそうに食べたりするし、
家庭の中でも作ったりする。
だけれど、私の知る限りではあるが、中国人も韓国人も
何でも食べるけれど、家庭の中で作るのは圧倒的に自国の物
ばかりである。
それは、生活の習慣やら文化にも及ぶ事で、
海外での生活が長くなると、日本人の多くは自分が日本人だと
あまり意識しなくなる人が多い。
だが、中国人、韓国人は違うなぁ、と思う。
自分が中国人、韓国人という事にもの凄く意識しているし、
誇りも持っている。
その誇りというのは、その国の人間がその国の人間でいるために、
私は、無くては絶対にならない物だと思うのである。
私が最近、沢山の日本人の人達と接していて思うのだが、
日本から駐在として来られていて、その内いつの日か日本へ
帰らなければならない人達というのは、
私が日本に住んでいてそこで出会った人達にとても酷似していて、
いわゆる、普通の一般的な日本人でいらっしゃる。でも、
私のように永住権を持っていたり、はたまたアメリカ人と
結婚されてこの先ずっとこっちに
住もうとしている人達というのは、
日本語をしゃべってはいるが、一体何人なのか、
そのくくりと言うのがとってもファジーになってしまっている人が
多い。それは、はっきり言ってしまえば、
日本の文化とか習慣なんぞは、忘却の彼方なんだろうな、と
いう感じで、日本式を期待して接していると、
自分がとても居心地の悪い事になってしまうのだ。
でも、中国の人も韓国の人も違うなぁ、と思う。
いつまでも中国人だし、韓国人なのである。
特に、私は韓国の人達と多く交流があるが、
あの人達はいつまで経ってもずっと韓国人である。
そこには、長くアメリカに住んでしまった私なんかが
忘れてしまっていた古式なつかしいような習慣が
脈々と生き残っていて、身の引き締まるような思いをする。
いいなぁー、と思う。
私もいつまで経っても日本人でいたいなぁー、と思う。
とても日本人という部分にこだわっていたいなぁー、と思う。
そういう、自分が何人か?にこだわっている人達は、
自然と集まって来て、お互いに助け合う事から始まって、
ああいう巨大な通りを外国の町の中に貫かせたりする原動力に
なったりするんだろうな、と思う。
色々な州で色々なチャイナ・タウンに行ってみたが、
そのどこもが喧噪の町であった。
サンフランシスコにはもっと大きなチャイナ・タウンもあるが、
そことて信じられないパワーが満ちあふれいてる。
私は、本当の事を言って、中国の人が苦手である。
あの人達は、同じ黄色人種だけれど、確かに漢民族で、
私達モンゴル民族の流れとは違う人達だな、と毎度毎度痛感するの
だが、でも、あのパワーは凄いな!と脱帽である。
チャイナ・タウンのわさわさとした通りに突っ立っていると、
中国の人達は、私なんかにも力をくれるのである。
「あんたもアジア人やろ。しゃあない。分けたるわ」
という感じである。
その時ばかりかは、こんな私も
「私はアジア人だ!どうだ!見て!アジア人やで!」と
日本人という括りを外れて、飛び出して行くのである。
とても良い日本人からの脱却の仕方だと思っている。
そうした後に戻って来る日本人の括りは、
更に自分を磨き立ててくれるような、
そんな気分にさせてくれるのだ。
で、長男ぼんのヘアカットなんであるが。
ビン君、サロンにおらず。
え?どういう事?
ビン君。遅刻してとうとう私達が待っている間には
現れなかったのである。
で、予約はリスケジュールされたのであった・・・。
って言うかさ、ガソリン代と時間を返してくれーーー!!!

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