ぼん君がフランス語を習い始めて半年が過ぎた。
思えば、ユタで中学校に上がる時にフランス語を
勉強したい、と要望を出したら、
英語のリソースクラスみたいな所に入れられた。
文句を言いに行ったら、カウンセラーはひらすら、
「要望が多過ぎたから」と言うのだが、
小学校での英語の成績がC以下の子が入るそのクラスに
うちの子が入るのは、とてもとてもおかしい。
その様に文句を言ったら、
「でも、外国人だし・・・」と言われた。
悔しかったから、「ある意味、人種差別よね」と言ったら、
ものすっごく否定していたけど、いずれにしろ、
クラスの変更は叶わなかったので、
長男にしてみれば、2年ぶりで思いが叶ったと言う事になる。
さて。
フランス語の『フ』の字も知らずに始まった長男の
初めての・・・あれ?二度目か?・・・外国語授業だが、
全くもって、日本語の外国語授業のあり方って、
考え直して然るべきだよな、と思うのである。
長男のフランス語、もちろん、フランス人からしたら
お話にならないレベルである事は確かなのだが、
だが、たった半年とは思えない習得ぶりである。
先ず、物に関する単語はほぼ終っている、と言っても
過言ではない。家中の物を指さして、
「これ、フランス語で何?」と聞くと、
ほとんど全部答えられる。すっげーーー!
その上、トレジョで買って来るフランスから輸入した
お菓子の外箱なんかに書いてある文章位なら、ほぼ読めてしまう。
この間、図書館に連れて行ったら、フランス語の児童文学を手に
取って読んでいたので、「わかるの?」と聞いたら、
「ところどころ」と答えやがる。すっげーーー!
私、英語習い始めて半年では、何が何やらさっぱり、だった。
そして、簡単な挨拶程度とか、質問程度の会話もこなしてしまう。
学校にやって来たフランス人に果敢にフランス語で話しかけ、
「君、アメリカ人にしては発音が良いね」と言われた、と
喜んでいた。・・・アメリカ人じゃあ、ないけどね。
再来年には、学校が用意しているフランスへの短期留学に
参加しようと思っているらしい。
「それまでには、かなり僕はフランス語が話せている筈」
・・・だろうねぇ。
日本で私は合計6年間、英語を勉強した。
ぼんに言わせるなら、
「それで今、この状態は、ママ、あきらかにおかしいよ」。
ガガーーーン。
いや、今この状況に甘んじているのは、それは私のせい。
私が悉く、英語での環境を拒んで来た結果でしかないが、
でも、中学校、高校の6年間で英語が話せるように
なった人なんて、きっと学年に一人か二人くらいだった。
その一人か二人も、
「私、ECC行ってるねん」とか言うてたもん。
だって、会話の授業なんて、全くなかったもん。
と、弁解しまくると、長男は鼻で嘲笑いながら、
「まぁねぇ〜、読み書きは確かにもの凄く重要だけど、
聞けない話せないじゃ、言語の意味がないからねぇ」と
軽く言いやがる。
・・・自慢じゃないが、
ママは中高で読み書き中心に習ったけど、
高校卒業時、読み書きもまともに
出来てなかったですけど、何か?
6年間!である。
で、読み書きもまともに出来ていない、なんて、
やっぱり何かがおかしい。
読んで、読んで、読んで、
「かっこに入る適切な言葉を選びなさい」に答えて、
「この英文を日本語に訳し」たりなんかして、
しかし、数ページに渡るエッセイなんか書いた事もない。
考えてみれば、日本語でもあんまり書いた事ない。
日本の外国語教育はおかしい。
絶対的に歪んでいるように思える。
もちろん、教えて下さる事に無駄な事はないけれど、
視点がうんとずれている。
だけど、英語の教育だけじゃないよね?
社会も国語も、やっぱりおかしいよね。
お受験の為の丸暗記。
果たして、これを学問と言うのだろうか?
そうして、私が学校を出てから、20年以上経っているのに、
何も大きく変わっていないこの事実。
一昨年の夏、日本へ帰った時に、久方ぶりに日本の
中学校へ足を踏み入れたけれど、
そのあまりにもの変わりの無さに驚愕した。
もう、軽〜く30年前にタイムスリップしてしまえたわ。
で、授業もちっとも面白くなかった。
大人の私でさえ、10分もしたら、集中力がどこかへ
飛んでしまう授業内容。
「ここ、テストに出るからなぁ〜」のアホらしさ加減。
そら、英語なんか話せる筈がございません。
ぼん君、君はええなぁ。
フランス語も話すんやね。
将来はトライリンガルを目指すんかね。
母は、身悶えする程羨ましい。
「羨ましいのならぁー、とっとと大学へ行きぃー、
英語にまみれて恥の上塗りをして来ぉーーーーい」
・・・なんか、天からのお告げが聞こえた様な、気が・・・。

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