今朝、6時の飛行機で長男はまたあの薄暗く、陰鬱な世界へ帰った。
筈だった。
クスっ。
・・・等と、笑ている場合か。
昨日、最後の一分一秒をプレ嫁とらぶらぶで過ごしている長男の為、
私は大荷物をパッキング。
夫が早起きして彼を空港へ送り届ける。
そういう役割分担が出来ていた。
が、夫、こんな日に限って寝坊ーーーーーずーん。
ここだけの話しだが、夫は自分にメリットのない事では時々こういう事をしでかす。
これが自分が今から飛行機に乗ってどこぞへ行く、となると、
あのおっさんは絶対に『寝坊』なんて事態を引き起こさない。
それはもう、「なんでこの時間に」と思う程早くに起床し、
家族全員を叩き起こして意気揚々と準備に勤しむが、
何せ、自分は空港へ送りに行くだけの身故、
どこか身の入らない早起きだったんだろうな。
だから、丁寧に目覚ましを止めて、二度寝した模様。
とにかく、起きたら飛行機の出る15分前だった。
まぁ、うちのおっさん(と今日ばかりは呼ばせてもらう。え?いつもだって?)、
自分のせいでこういう事態になってしまったのに、
これが不寛容で心が狭量だから、長男に謝りもしない。
(ま、長男も自分で起きろっちゃあ、起きろって話しですけどね)
そして、上から目線で長男に、
「しょうがないな。お父さんがユタまで車で連れて行ってやるか」とか言う。
バカか、この男は。
もっと冷静に考えろ。
そして、シエラネバダは先日のストームで大雪。
行った先のユタも感謝祭前前日のストームで学校がシャットダウンされる程の大雪。
その上、お前が行って帰って来るだけでどれ程の金がかかるんだ。
金はかかるし、時間もかかる。
ならば、一度は飛行機を調べてみてもいいじゃないか。
と、私が提案。
そして、チケットを調べて格安でゲット。
長男は明日、帰る事になった。
こうやって、貧乏人は二重に金を失う様に出来ているのだ。
その上、傲慢なバカおやじは、こんな失態をしでかしておきながら、
しかし、偉そうな口調で「座席の指定をしろ」と言う。
だから、残り少ないチケットを慌てて買っているのに、
そんな事する必要もないし、お前、私の肩越しにグズグズ言う前に
言っておくべき言葉が人間としてあるだろうが。
と、一喝してやった。
自分で「僕がそうする」と言ったんだ。
私も「私がそうするからね」と言って、大荷物をまとめ、
我家で使っていない炊飯器を長男に持って帰らせる為に梱包までしたんだ。
そして、長男はそんな我々に「世話をかけます」と頭を下げているのだ。
言った事を言った通りに責任を果たすのが普通だ。
結果的に出来なかったのであれば、詫びを入れるのが人間としてこれも普通だ。
「しみましぇん」と、何言ってるんだか判らない風にごもごも言う、
ああ、どこまでも傲慢な夫だ。
どれだけ「この阿呆、惚け、カス、すっとこどっこい、脳足りん」と
言いたいのを我慢しているのか、このおっさんは知らんのだ。
実に、私の足がおっさんの横っ腹を蹴り倒したがっているのを知らんのだ。
我慢しているのを知らんのだ。
夫は外面が良い。
多くの人から、
「あんな奥さんで大変ね」とか
「良い人よね」と言われて、素直にそれが「自分の真の姿だ」と思っている。
本当にシンプルで簡潔で簡単で短絡的な生き方だ。
だが、驚嘆する程に、成長のない生き方だ。
26歳の時にはそれでも良かったが、46歳の今、それでは向こう側が透けて見える。
透けて見える程に人間に深みがない。無さ過ぎる。
もう、笑けるがな。
笑って、笑って、どこまでスケスケ人生を歩むのか見届けるしかない。
そして、薄暗い、夜もまだしっかりと明けきらぬ内、
我々親子三人は阿呆の証明を繰り広げていた訳である。
電気くらいつけたらどないやねん。
なぁ?

2