2012/1/24
1月18日。
昨夜の消灯がはやかったためか、すぐに寝たからなのか、目覚ましもならない朝04:00に目を覚ました。
予定より1時間はやい起床。
ヒザをまげのばしし、軽くストレッチしながら足の調子を見る。
よしっ!なんとか大丈夫だ。
目覚めのコーヒーを入れ、昨日の酒を抜く。そしてまだ薄暗い中での朝食を摂る。
冷たい雪と氷と岩の世界に暖かな太陽があらわれた。
夜が明けるぞ。

天候は良好。
さあスタンバイ開始だ。今日はアタック予定のため、ハードシェルを上下着こみハーネスにカラビナや確保具を装着。フル装備だ。
そしてひんやりと冷えた靴の紐をしっかりと編み上げてゆく。
そしていつもの確認。
スパッツよし!アイゼンよし!
YUくんもアイゼンのチェック中。途中で外れたら大変な事になるからね(笑)

今朝の予報と雲の感じからすると、天候が持つのは恐らく午前中のみ。
戻る時間も考えると、アタックチャンスは午前10:00くらいまでだろう。
笠が岳(かさがたけ)をバックにさあ出発だ!

気温は−15℃前後だが、風も弱く、爪先以外はさほど寒さは感じない。
丸山を超えルートをチェックする。中央右側に小さく見える四角い岩が独標。三角の山がピラミッドピークだ。

雪質はしっかりと締まり、コンディションは良好。アイゼンを噛む音がギュッギュッと心地よい。
ほどなくして独標手前に到着。この先はルートが険しくなるためザイルを出すことにした。

ここからは雪、岩、氷のミックスルート。まずはこのでっかい岩の塊=独標に登る。

フロントポインティング(アイゼンの前爪のみで引っ掛ける)とピック(アックスの歯)をうまく使いながら、三点確保で登攀。
2701メートルの独標を難なくクリア。足も問題なし。
ちょっとオチャラケ(笑)
次はあの三角形=ピラミッドピークだ。よ〜く見ると三角のてっぺんに、クライマーの姿がかすかに見えるぞ!(黒い点みたいなの見えますか?)

独標〜西穂高岳まではナイフリッジに大小のピークが乱立する要注意エリア。

真ん中にYUくんを挟み、トップはリーダーのS氏。自分は最後尾のサードで登る。

両サイドが切れ落ちた薄べったいいくつものピークをクリアして行く。
アンザイレン中(ザイルで繋がった状態)は安全が最優先される為、なかなか写真が撮れないのが残念。


そうこうしている間にピラミッドピークをクリア。

今回の短い日程での西穂高岳登頂成功率は約40%くらいと踏んでいたが、これはもしや行けちゃうんじゃないのか?
ここからも小ピークのアップダウンは続く。いざ本丸=西穂高岳へ。

クライム オン!
歩いたルートを振り返る。

自分らが付けたトレースがくっきりと見える。
午前09:30。西穂高岳手前の鞍部に到着。

ひとまず小休止。
ここからはリーダーS氏のはからいで、自分がトップに交代。いよいよ西穂高岳へアタック開始だ。

トップの絶対条件は絶対に落ちない事。しっかりと3点を確保し、気を引き締めて慎重に登攀。

正面のルンゼ(縦溝)内から真上の雪壁を直登でつめる。

雪壁に取り付きアックスを突き刺す。そして一気にのぼる。
おりゃ〜〜〜〜!

あと3メートル
2メートル
1メートル
09:30。厳寒期西穂高岳2909メートルに登頂成功だ!

よっしゃ〜〜〜〜!
こみあげるよろこびと達成感。3人でガッチリと固い握手。

西穂高岳山頂からの美しい気色。左にちょこんと見えるのが槍ヶ岳。そしてまん中が北穂高岳、右側が奥穂高岳。

こちらは吊尾根側。左がジャンダルムと奥穂高。右側が前穂高だ。

写真ではなかなかダイナミックさが伝わらないのがちょっと残念(笑)
そして妻から託されたお守り=ねむ太郎も登頂(笑)

よかったね!
この美しくデッカイ気色は登った者だけが見る事のできる気色だ。
はたから見たらこんな危険な遊びはくだらないと思われるかもしれない。
しかし自分らにとっては、バーチャルな世界や、利便性の高まったこの世の中で簡単に手に入ってしまう薄っぺらなよろこびとは違う、本物の感動なのだ。
厳寒期西穂高岳登頂・ミッションクリア!!
今日の事、一生忘れないぜ!
山頂での滞在時間は18分ほど。そのままもと来たルートを下山した。

下山後は至福の山荘名物=西穂ラーメン。

無事登頂できたよろこびと足が持ってくれたことにホッと胸をなでおろした。
今回も沢山の感動をくれた北アルプス。

厳しく

そして本当に美しい大自然

北アルプスよ山の仲間よ

本当にありがとう!

ありがとう

THANKS:S氏、YU氏(JR山岳会)

FIN
・

昨夜の消灯がはやかったためか、すぐに寝たからなのか、目覚ましもならない朝04:00に目を覚ました。
予定より1時間はやい起床。
ヒザをまげのばしし、軽くストレッチしながら足の調子を見る。
よしっ!なんとか大丈夫だ。
目覚めのコーヒーを入れ、昨日の酒を抜く。そしてまだ薄暗い中での朝食を摂る。
冷たい雪と氷と岩の世界に暖かな太陽があらわれた。
夜が明けるぞ。

天候は良好。
さあスタンバイ開始だ。今日はアタック予定のため、ハードシェルを上下着こみハーネスにカラビナや確保具を装着。フル装備だ。
そしてひんやりと冷えた靴の紐をしっかりと編み上げてゆく。
そしていつもの確認。
スパッツよし!アイゼンよし!
YUくんもアイゼンのチェック中。途中で外れたら大変な事になるからね(笑)

今朝の予報と雲の感じからすると、天候が持つのは恐らく午前中のみ。
戻る時間も考えると、アタックチャンスは午前10:00くらいまでだろう。
笠が岳(かさがたけ)をバックにさあ出発だ!

気温は−15℃前後だが、風も弱く、爪先以外はさほど寒さは感じない。
丸山を超えルートをチェックする。中央右側に小さく見える四角い岩が独標。三角の山がピラミッドピークだ。

雪質はしっかりと締まり、コンディションは良好。アイゼンを噛む音がギュッギュッと心地よい。
ほどなくして独標手前に到着。この先はルートが険しくなるためザイルを出すことにした。

ここからは雪、岩、氷のミックスルート。まずはこのでっかい岩の塊=独標に登る。

フロントポインティング(アイゼンの前爪のみで引っ掛ける)とピック(アックスの歯)をうまく使いながら、三点確保で登攀。
2701メートルの独標を難なくクリア。足も問題なし。

ちょっとオチャラケ(笑)
次はあの三角形=ピラミッドピークだ。よ〜く見ると三角のてっぺんに、クライマーの姿がかすかに見えるぞ!(黒い点みたいなの見えますか?)

独標〜西穂高岳まではナイフリッジに大小のピークが乱立する要注意エリア。

真ん中にYUくんを挟み、トップはリーダーのS氏。自分は最後尾のサードで登る。

両サイドが切れ落ちた薄べったいいくつものピークをクリアして行く。
アンザイレン中(ザイルで繋がった状態)は安全が最優先される為、なかなか写真が撮れないのが残念。


そうこうしている間にピラミッドピークをクリア。

今回の短い日程での西穂高岳登頂成功率は約40%くらいと踏んでいたが、これはもしや行けちゃうんじゃないのか?
ここからも小ピークのアップダウンは続く。いざ本丸=西穂高岳へ。

クライム オン!
歩いたルートを振り返る。

自分らが付けたトレースがくっきりと見える。
午前09:30。西穂高岳手前の鞍部に到着。

ひとまず小休止。
ここからはリーダーS氏のはからいで、自分がトップに交代。いよいよ西穂高岳へアタック開始だ。

トップの絶対条件は絶対に落ちない事。しっかりと3点を確保し、気を引き締めて慎重に登攀。

正面のルンゼ(縦溝)内から真上の雪壁を直登でつめる。

雪壁に取り付きアックスを突き刺す。そして一気にのぼる。
おりゃ〜〜〜〜!

あと3メートル
2メートル
1メートル
09:30。厳寒期西穂高岳2909メートルに登頂成功だ!

よっしゃ〜〜〜〜!
こみあげるよろこびと達成感。3人でガッチリと固い握手。

西穂高岳山頂からの美しい気色。左にちょこんと見えるのが槍ヶ岳。そしてまん中が北穂高岳、右側が奥穂高岳。

こちらは吊尾根側。左がジャンダルムと奥穂高。右側が前穂高だ。

写真ではなかなかダイナミックさが伝わらないのがちょっと残念(笑)
そして妻から託されたお守り=ねむ太郎も登頂(笑)

よかったね!
この美しくデッカイ気色は登った者だけが見る事のできる気色だ。
はたから見たらこんな危険な遊びはくだらないと思われるかもしれない。
しかし自分らにとっては、バーチャルな世界や、利便性の高まったこの世の中で簡単に手に入ってしまう薄っぺらなよろこびとは違う、本物の感動なのだ。
厳寒期西穂高岳登頂・ミッションクリア!!
今日の事、一生忘れないぜ!
山頂での滞在時間は18分ほど。そのままもと来たルートを下山した。

下山後は至福の山荘名物=西穂ラーメン。

無事登頂できたよろこびと足が持ってくれたことにホッと胸をなでおろした。
今回も沢山の感動をくれた北アルプス。

厳しく

そして本当に美しい大自然

北アルプスよ山の仲間よ

本当にありがとう!

ありがとう

THANKS:S氏、YU氏(JR山岳会)

FIN
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投稿者:江原