2014/1/31
※こちらは登山記です。ご興味ある方のみご閲覧下さい。
南八ヶ岳・横岳西壁。

バリエーションルート・石尊稜
厳冬期におけるバリエーションルート(地図にないルート)のミックスクライミング(岩と氷と雪)は、一般の冬山登山よりかなり難易度は上がる。
少なくも今の自分には。
石尊峰(せきそんほう)というピークに抜け、下りは稜線(黄)をへて地蔵尾根から下山を予定
今回はこの石尊稜に日帰りで挑戦。
そもそもこのルートは、1泊でトライするのが一般的なのだが、今回は登頂にこだわりすぎず、折り返しのタイムリミットを14:30に設け、無理と判断した時点で撤退するという計画だ。
●厳冬期バリエーション・横岳西壁石尊稜・日帰りアタック
朝2時過ぎに東京を出発し、朝5時30分。美濃戸口に到着した我々。

メンバーはリーダーS氏とSDくんのユニットに、MUと自分のユニットの計4名。
さあ、石尊稜に向け出発だ!
昨日降った新雪の林道を進む。

石尊稜へのトレースは期待できなそうだ。
3時間弱の行程で赤岳鉱泉に到着。聳え立つ人工氷瀑のアイスキャンディー。
今年は一段と立派だね。
そんなのんきに眺めている時間はないぞ。
急いでお好み焼きパンをほおばり、アイゼン、クライミングギアを装着開始。
インナーグローブはしたままだったが手がギンギンに冷える。
アイゼンよし!
ハーネスよし!
クライミングギアよし!
現在09:00。予定より30分遅れている。早く進もう。
赤岳鉱泉を出発し、徒歩20分。分岐らしき地点より三叉峰(さんじゃほう)ルンゼに入る。
いよいよバリエーションルート(登山道意外の地図にないルート)に突入するのだ。
沢伝いにラッセル開始!ここからは過去に大規模な雪崩事故もあった場所。注意は必要だ。

手はまだ冷えきったままで、まったく感覚がない。
三叉峰ルンゼより、膝〜腰のラッセルに。
進むスピードは1分間に1メートルくらいと言った感じが続く。
そうこうしていると次第に血流が復活し、バリバリバリっとものすごい痛みをともない手が温まる。
そして先には
お〜!横岳の西壁が見える!

しかしどれが石尊稜だ?
もう3時間近くラッセルしているし(笑)
どんどん深くなる新雪。ラッセルも交代でローテーション。分速1メートルの進行は分速50センチに。間に合うのか?

体力いるね〜こりゃ。

三叉峰ルンゼから分岐をへて、日の岳ルンゼに入り、取り付きまではあともう少しだ。
しかしどこから第一岩稜に取り付くのか。コンディションの良い日に上がった方のログや、航空写真では簡単に見えたが、実際は甘くない。

目標地点は第一岩稜。ルートファインディングに苦戦中。
奥にちらっと見えるのが石尊稜。手前は雪が吹き溜まっておりさらに胸くらい。ラッセルの進行スピードはさらに落ちる。

第一岩稜を目指し、縮めたストックを両手で横に持ち、叩き込むように雪をかきわける。
さらに膝で固め、やっと一歩。そしてルートはあっちか?いやこっちか?とやっているのだ。やはり積雪のバリエーションは甘くない。
すでに進行速度は1分間にやっと30センチ進めば良い感じだ。

とりあえず弱点と思われる岩が露出した際どいルートを発見。第一岩稜に直接アプローチするのはやめ、とりあえず石尊稜の上に乗る事にした。
そしてちょっと一服。

てこづらせやがって!
よし。石尊稜の稜線通しでこのリッジをこえれば第一岩稜へつくはず。

正確なルートは不明。2パーティーに別れ、一応ロープをだそう。
S氏がチャッチャとリードを開始。右か?左か?
S氏が第一岩稜取り付きにに到達。
いいよ〜〜!
合図とともにセカンドのSDくんが登りはじめたら、自分とMUのユニットも同時にスタート。
とりあえず自分がMUをリード。
草付きのアイスバーンにバイルを打ち込む。
ザクっ
効くね〜!
リッジを左から詰め、
第一岩稜の取り付きへ到達。
まだMUは下にいる。自分はセルフビレイ(自己確保)をとり、システムをセッティング。
後続のMUを確保開始。
ビレー解除!
いいよ〜〜〜!
MU:いくよ〜〜!
大きな合図が静かな雪山にこだまする。
そしてMUがサクサクと上がり、
到着。
全員第一岩稜の取り付きに到達した。

鼻水ではありません。雪です(笑)
時計をみると、すでに14時に迫ろうとしている。
よしっ。ここでタイムリミット〜!下山するぞ。
S氏が敗退を宣言(笑)
本来ならここからが核心部なのだが、まぁ、このコンディションで日帰りでここまでこれただけ良しだろう。

次回リベンジのために岩の状態や、ボルトの有無などをチェックし、下山の準備を始める。
ロープを下ろしエイト環をセット。懸垂下降開始!

7時間以上かけて登ったこれを全部くだらなければ帰れませ〜ん(笑)日暮れに間に合うのか?

SD君が樹林帯を懸垂下降中。

システムセッティングなど基本の課題が残った。もすこし早くなるといいね。
隊長S氏は雪にうもれて遊んでるのでしょうか(笑)

S隊長、ルートファインディングおつかれさまでした。
そんなこんなで次回リベンジを誓い、日暮れギリギリの17時に無事下山を終了した。
今回は敗退となってしまったが、次に繋がるステップとしてよい山行となった。
大自然の中、エクストリームな環境でチャレンジする登山や磯ゲームは人生における沢山の事を教えてくれる。
時の成果や効率的な行き方などをうたう薄っぺらなビジネスセミナーなどとは比べ物にならないくらい、勉強になるのだ。
人生って何が大切なのか・・・
沢山の失敗や小さな成功をへて、俺を成長させてくれる大自然。
まぁ堅苦しい主観の話はやめて、とりあえず2月に迫るネクストチャレンジ・赤岳西壁主稜オンサイト計画はみんな決めようぜ!

八ヶ岳よ、

大切な仲間達よ、今回もありがとう

ありがとう
FIN

南八ヶ岳・横岳西壁。

バリエーションルート・石尊稜
厳冬期におけるバリエーションルート(地図にないルート)のミックスクライミング(岩と氷と雪)は、一般の冬山登山よりかなり難易度は上がる。
少なくも今の自分には。
石尊峰(せきそんほう)というピークに抜け、下りは稜線(黄)をへて地蔵尾根から下山を予定
今回はこの石尊稜に日帰りで挑戦。
そもそもこのルートは、1泊でトライするのが一般的なのだが、今回は登頂にこだわりすぎず、折り返しのタイムリミットを14:30に設け、無理と判断した時点で撤退するという計画だ。
●厳冬期バリエーション・横岳西壁石尊稜・日帰りアタック
朝2時過ぎに東京を出発し、朝5時30分。美濃戸口に到着した我々。

メンバーはリーダーS氏とSDくんのユニットに、MUと自分のユニットの計4名。
さあ、石尊稜に向け出発だ!
昨日降った新雪の林道を進む。

石尊稜へのトレースは期待できなそうだ。
3時間弱の行程で赤岳鉱泉に到着。聳え立つ人工氷瀑のアイスキャンディー。

今年は一段と立派だね。
そんなのんきに眺めている時間はないぞ。
急いでお好み焼きパンをほおばり、アイゼン、クライミングギアを装着開始。
インナーグローブはしたままだったが手がギンギンに冷える。
アイゼンよし!
ハーネスよし!
クライミングギアよし!
現在09:00。予定より30分遅れている。早く進もう。
赤岳鉱泉を出発し、徒歩20分。分岐らしき地点より三叉峰(さんじゃほう)ルンゼに入る。
いよいよバリエーションルート(登山道意外の地図にないルート)に突入するのだ。
沢伝いにラッセル開始!ここからは過去に大規模な雪崩事故もあった場所。注意は必要だ。

手はまだ冷えきったままで、まったく感覚がない。
三叉峰ルンゼより、膝〜腰のラッセルに。
進むスピードは1分間に1メートルくらいと言った感じが続く。
そうこうしていると次第に血流が復活し、バリバリバリっとものすごい痛みをともない手が温まる。
そして先には
お〜!横岳の西壁が見える!

しかしどれが石尊稜だ?
もう3時間近くラッセルしているし(笑)
どんどん深くなる新雪。ラッセルも交代でローテーション。分速1メートルの進行は分速50センチに。間に合うのか?

体力いるね〜こりゃ。

三叉峰ルンゼから分岐をへて、日の岳ルンゼに入り、取り付きまではあともう少しだ。
しかしどこから第一岩稜に取り付くのか。コンディションの良い日に上がった方のログや、航空写真では簡単に見えたが、実際は甘くない。

目標地点は第一岩稜。ルートファインディングに苦戦中。
奥にちらっと見えるのが石尊稜。手前は雪が吹き溜まっておりさらに胸くらい。ラッセルの進行スピードはさらに落ちる。

第一岩稜を目指し、縮めたストックを両手で横に持ち、叩き込むように雪をかきわける。
さらに膝で固め、やっと一歩。そしてルートはあっちか?いやこっちか?とやっているのだ。やはり積雪のバリエーションは甘くない。
すでに進行速度は1分間にやっと30センチ進めば良い感じだ。

とりあえず弱点と思われる岩が露出した際どいルートを発見。第一岩稜に直接アプローチするのはやめ、とりあえず石尊稜の上に乗る事にした。
そしてちょっと一服。

てこづらせやがって!
よし。石尊稜の稜線通しでこのリッジをこえれば第一岩稜へつくはず。

正確なルートは不明。2パーティーに別れ、一応ロープをだそう。
S氏がチャッチャとリードを開始。右か?左か?
S氏が第一岩稜取り付きにに到達。
いいよ〜〜!
合図とともにセカンドのSDくんが登りはじめたら、自分とMUのユニットも同時にスタート。
とりあえず自分がMUをリード。
草付きのアイスバーンにバイルを打ち込む。
ザクっ
効くね〜!
リッジを左から詰め、
第一岩稜の取り付きへ到達。
まだMUは下にいる。自分はセルフビレイ(自己確保)をとり、システムをセッティング。
後続のMUを確保開始。
ビレー解除!
いいよ〜〜〜!
MU:いくよ〜〜!
大きな合図が静かな雪山にこだまする。
そしてMUがサクサクと上がり、
到着。
全員第一岩稜の取り付きに到達した。

鼻水ではありません。雪です(笑)
時計をみると、すでに14時に迫ろうとしている。
よしっ。ここでタイムリミット〜!下山するぞ。
S氏が敗退を宣言(笑)
本来ならここからが核心部なのだが、まぁ、このコンディションで日帰りでここまでこれただけ良しだろう。

次回リベンジのために岩の状態や、ボルトの有無などをチェックし、下山の準備を始める。
ロープを下ろしエイト環をセット。懸垂下降開始!

7時間以上かけて登ったこれを全部くだらなければ帰れませ〜ん(笑)日暮れに間に合うのか?

SD君が樹林帯を懸垂下降中。

システムセッティングなど基本の課題が残った。もすこし早くなるといいね。
隊長S氏は雪にうもれて遊んでるのでしょうか(笑)

S隊長、ルートファインディングおつかれさまでした。
そんなこんなで次回リベンジを誓い、日暮れギリギリの17時に無事下山を終了した。
今回は敗退となってしまったが、次に繋がるステップとしてよい山行となった。
大自然の中、エクストリームな環境でチャレンジする登山や磯ゲームは人生における沢山の事を教えてくれる。
時の成果や効率的な行き方などをうたう薄っぺらなビジネスセミナーなどとは比べ物にならないくらい、勉強になるのだ。
人生って何が大切なのか・・・
沢山の失敗や小さな成功をへて、俺を成長させてくれる大自然。
まぁ堅苦しい主観の話はやめて、とりあえず2月に迫るネクストチャレンジ・赤岳西壁主稜オンサイト計画はみんな決めようぜ!

八ヶ岳よ、

大切な仲間達よ、今回もありがとう

ありがとう
FIN

投稿者:江原