2013/9/17
●マッターホルンアタック日
朝03:00に目を覚ます。
「03:40に起き、04:00にヘルメットやハーネス、クライミングギアを装着済みの状態で出発準備をすませて集合。そして朝飯食ったらすぐに出よう」とあらかじめメンバーたちと打ち合わせしていた。
体調も不安だし、トイレも行けなかったら不安だしで、その俺なりの結論が3時起床だった(笑)
ちなみにツェルマットの遅い夜明は06:30くらい。
トイレに何度か行き、腹の準備を済ませ、マルコ、アンディー、マッキーと朝食のパンとチーズを口に詰め込む。
はっきり言って食欲はないのだが(笑)
そして04:20。
3・2・1・レッツゴー!の掛け声で、他パーティーも入り乱れ、まだ暗いヘルンリ小屋を一斉に出発。

マッターホルンアタックの出発時刻は04:20〜とレギュレーションが決まっているのだ。
今回のルートはヘルンリ稜。図の黄色いラインの引かれたリッジをたどる。

そして10分後、
いきなり現れた暗闇の壁は90度越え(笑)しょっぱなからオーバーハングのクライミング。

しかしこちらもトレーニング済みだ。
なんなくこなしてガンガンと進むよ。
なにせ中継地点のソルベイヒュッテに3時間以内で着かなければ撤退する計画だからだ。
自分のパーティーは先頭から7番目くらい。
前のパーティが壁で手こずり詰まる。
待っていると後ろのパーティーのガイドに「GO!GO!」と、ケツ叩をかれた。

俺らが詰まってるんじゃないぜ!おい外人、日本人なめんなよ!
アンディーとマッキーのパーティーは、一番先頭のグループで順当に登高中だ。
競争ではないのだが、撤退のタイムリミットもあり、各パーティーみな早く上がりたいのだ。
リードのマルコが「こっちから登ろう」と、ルートを変える。
他ルートから一気に登り、前パーティーを抜きさる作戦に。
クライミングルートに決まりなんてない。どこから登ろうと自由なのだ。
前パーティーをクリア。ついでに後続を一気に離し(ケツ叩いた奴してやったり笑)、そりてまたクライミング。
登攀開始から1時間半くらいか。
しだいに各パーティーもバラけ、各々のペースで高度を稼ぐようになる。
そして中継地点のソルベイヒュッテに。間もなく夜が明けるよ

ここまで2時間。一般タイムより1時間早いぞ。良いペースだ。体調もなんとか大丈夫そうだ。
除所に明るくなる空

しかし休憩などはしていられない。
なにせ午後から荒れる予報。
スイスアルプスにおける登山ではスピード=安全が常識なのだ。
落差1000メートルの
壁も、もうまったく気にならない。そんなハイペースぶり(笑)

ようやく肩部まで到達し、モルゲンロートに染まるマッターホルンのサミット(頂)

マルコがリードし、設置したクイックドロー(カラビナの留め具)を回収。
そしてまた登る。

GO!CLIMBING!!

後続たちを見おろしながら

もうすぐ上部氷田だ。安定したテラスでアイゼンを装着しアウターシェルを着る。
時間はない。さあすぐに行こう!ここはフィックスロープありだね。

ここからが氷田。山頂まではあと少しのはず。連続のフィックスロープに少し腕が張ってきたが。

そしてまた壁

ここはフィックスは使わず横の岩をクライミングでクリア。
そしてまた氷田。
風もあり、手がの寒さも限界となり、冬用グローブにチェンジ。
残置されたロープがそのまま透ける氷に埋まったままの物もあった。

写真は上からアンディーが撮影。黄緑ウェアがマルコ、黄色ヘルメットが自分だ。
サミットまではあとちょっとだぞ。なんとか登頂できそうだ。
山頂直下、各国のクライマーを尻目に一番先頭でサミットに上がり、そして下ってきたマッキー、アンディーのパーティーとすれ違う。

マッキー:一足お先に登頂しました!!

江原:お〜やったな!コングラッチレーション!登頂おめでとう。俺もすぐに行くからな!
ずっと憧れてきたマッターホルンのサミットは目前だ。
ついに何度も画像で見てきた最後のナイフリッジを越える

高鳴る胸。本当にドキドキする。
この瞬間を味わう為に3年間トレーニングしてきたんだ。
うわっ
うわわわわっ
うわわわわわわっ!
俺、マジでマッターホルンに登ったよ!
登ったんだよ!
目が熱い。涙がちょっと出た。
サンキューマルコ

マッターホルンのサミットに日本とスイスの国旗をかざす

とても狭い最高点。
滞在時間は約10分。後続も来た。狭いサミットをゆずる

そして下山開始だ
マリア像に挨拶

妻に持たされたねむ太郎も一緒に(笑)
もときた氷田を下り
リッジ沿いにロープで下山

岩につっ立ってるのではなく写真の先が下降ルート(笑)
こりゃイモトがヘリで降りたのもわかるね。
あとはサクサクとラペルで

と言ってもロープダウン10数回(笑)

そして無事に下山終了

ヘルンリ小屋に戻ると、沢山のクライマー達に「コングラッチレーション!」と祝福された。
自分らはラッキーにも登頂できたのだが、みなテストをクリアしてきた各パーティー。そのうち約3割は敗退となっていたのだ。
テストトライアルも含め、マッターホルンの登頂率は約30%。本当によかった。
マルコがマッターホルン登頂証明書を書く

そして登頂者のみが着けることの出来るバッジを胸につけてもらった。

熱あったし、俺かなり顔むくんでるな〜(笑)
そしてマルコと抱き合いヘルンリ小屋で別れた
ツェルマットへの帰路。マッターホルンは雲に覆われ雷が鳴り響く

本当にギリギリだったんだ。
翌朝、マッターホルンはじめ、周辺の山々は冠雪し、雪化粧となった。

しばらくは、入山規制が入るだろう。
今回も無事にミッションをクリアできた。3年間計画してきたビッグミッションを・・・・。

旅のなにからなにまで世話になったマッキー

組んでくれたマルコ

アンディーに

コンスティー

みんな本当にありがとう
マッターホルンよありがとう!!!

ありがとう!
まだ俺達のチャレンジは終わらないから

FIN


朝03:00に目を覚ます。
「03:40に起き、04:00にヘルメットやハーネス、クライミングギアを装着済みの状態で出発準備をすませて集合。そして朝飯食ったらすぐに出よう」とあらかじめメンバーたちと打ち合わせしていた。
体調も不安だし、トイレも行けなかったら不安だしで、その俺なりの結論が3時起床だった(笑)
ちなみにツェルマットの遅い夜明は06:30くらい。
トイレに何度か行き、腹の準備を済ませ、マルコ、アンディー、マッキーと朝食のパンとチーズを口に詰め込む。
はっきり言って食欲はないのだが(笑)
そして04:20。
3・2・1・レッツゴー!の掛け声で、他パーティーも入り乱れ、まだ暗いヘルンリ小屋を一斉に出発。

マッターホルンアタックの出発時刻は04:20〜とレギュレーションが決まっているのだ。
今回のルートはヘルンリ稜。図の黄色いラインの引かれたリッジをたどる。

そして10分後、
いきなり現れた暗闇の壁は90度越え(笑)しょっぱなからオーバーハングのクライミング。

しかしこちらもトレーニング済みだ。
なんなくこなしてガンガンと進むよ。
なにせ中継地点のソルベイヒュッテに3時間以内で着かなければ撤退する計画だからだ。
自分のパーティーは先頭から7番目くらい。
前のパーティが壁で手こずり詰まる。
待っていると後ろのパーティーのガイドに「GO!GO!」と、ケツ叩をかれた。

俺らが詰まってるんじゃないぜ!おい外人、日本人なめんなよ!
アンディーとマッキーのパーティーは、一番先頭のグループで順当に登高中だ。
競争ではないのだが、撤退のタイムリミットもあり、各パーティーみな早く上がりたいのだ。
リードのマルコが「こっちから登ろう」と、ルートを変える。
他ルートから一気に登り、前パーティーを抜きさる作戦に。
クライミングルートに決まりなんてない。どこから登ろうと自由なのだ。
前パーティーをクリア。ついでに後続を一気に離し(ケツ叩いた奴してやったり笑)、そりてまたクライミング。
登攀開始から1時間半くらいか。
しだいに各パーティーもバラけ、各々のペースで高度を稼ぐようになる。
そして中継地点のソルベイヒュッテに。間もなく夜が明けるよ

ここまで2時間。一般タイムより1時間早いぞ。良いペースだ。体調もなんとか大丈夫そうだ。
除所に明るくなる空

しかし休憩などはしていられない。
なにせ午後から荒れる予報。
スイスアルプスにおける登山ではスピード=安全が常識なのだ。
落差1000メートルの
壁も、もうまったく気にならない。そんなハイペースぶり(笑)

ようやく肩部まで到達し、モルゲンロートに染まるマッターホルンのサミット(頂)

マルコがリードし、設置したクイックドロー(カラビナの留め具)を回収。
そしてまた登る。

GO!CLIMBING!!

後続たちを見おろしながら

もうすぐ上部氷田だ。安定したテラスでアイゼンを装着しアウターシェルを着る。
時間はない。さあすぐに行こう!ここはフィックスロープありだね。

ここからが氷田。山頂まではあと少しのはず。連続のフィックスロープに少し腕が張ってきたが。

そしてまた壁

ここはフィックスは使わず横の岩をクライミングでクリア。
そしてまた氷田。
風もあり、手がの寒さも限界となり、冬用グローブにチェンジ。
残置されたロープがそのまま透ける氷に埋まったままの物もあった。

写真は上からアンディーが撮影。黄緑ウェアがマルコ、黄色ヘルメットが自分だ。
サミットまではあとちょっとだぞ。なんとか登頂できそうだ。
山頂直下、各国のクライマーを尻目に一番先頭でサミットに上がり、そして下ってきたマッキー、アンディーのパーティーとすれ違う。

マッキー:一足お先に登頂しました!!

江原:お〜やったな!コングラッチレーション!登頂おめでとう。俺もすぐに行くからな!
ずっと憧れてきたマッターホルンのサミットは目前だ。
ついに何度も画像で見てきた最後のナイフリッジを越える

高鳴る胸。本当にドキドキする。
この瞬間を味わう為に3年間トレーニングしてきたんだ。
うわっ
うわわわわっ
うわわわわわわっ!
俺、マジでマッターホルンに登ったよ!
登ったんだよ!
目が熱い。涙がちょっと出た。
サンキューマルコ

マッターホルンのサミットに日本とスイスの国旗をかざす

とても狭い最高点。
滞在時間は約10分。後続も来た。狭いサミットをゆずる

そして下山開始だ
マリア像に挨拶

妻に持たされたねむ太郎も一緒に(笑)
もときた氷田を下り
リッジ沿いにロープで下山

岩につっ立ってるのではなく写真の先が下降ルート(笑)
こりゃイモトがヘリで降りたのもわかるね。
あとはサクサクとラペルで

と言ってもロープダウン10数回(笑)

そして無事に下山終了

ヘルンリ小屋に戻ると、沢山のクライマー達に「コングラッチレーション!」と祝福された。
自分らはラッキーにも登頂できたのだが、みなテストをクリアしてきた各パーティー。そのうち約3割は敗退となっていたのだ。
テストトライアルも含め、マッターホルンの登頂率は約30%。本当によかった。
マルコがマッターホルン登頂証明書を書く

そして登頂者のみが着けることの出来るバッジを胸につけてもらった。

熱あったし、俺かなり顔むくんでるな〜(笑)
そしてマルコと抱き合いヘルンリ小屋で別れた
ツェルマットへの帰路。マッターホルンは雲に覆われ雷が鳴り響く

本当にギリギリだったんだ。
翌朝、マッターホルンはじめ、周辺の山々は冠雪し、雪化粧となった。

しばらくは、入山規制が入るだろう。
今回も無事にミッションをクリアできた。3年間計画してきたビッグミッションを・・・・。

旅のなにからなにまで世話になったマッキー

組んでくれたマルコ

アンディーに

コンスティー

みんな本当にありがとう
マッターホルンよありがとう!!!

ありがとう!
まだ俺達のチャレンジは終わらないから

FIN


投稿者:江原