というくらいだから、
「自営」の部分のみで、1ヶ月生活する分の賃金を稼ぎだすまでには到底至らないので、バイトをしようと思うのだ。
って感じで、なんかないかなぁ〜?
って近所をうろうろしてたら、あっ!あったぁ〜っ!
って訳で、ゴールデンウィークの四日間に、手紙をひたすら封筒に詰める仕事の募集を見付け、速攻エントリーして来ました!
合否は今週中に連絡をくれるらしい。いやぁ〜決定になるといいなぁ〜。
前に某カメラマンさんの手伝いで、写真を封筒に詰めるやつはやったけど、
募集用紙を渡した担当の人に、
「こういう内職系のってやったことありますか?」的な感じの事を聞かれました。
たぶん
ガチャガチャの透明の丸いケースの中におもちゃを入れるやつとかも、
10秒のうちに8個くらい作っちゃうベテランとか、
もともと家計を助けるために妻が始めた内職を
自分が休みの日にたまたま手伝ってたら内職の楽しさにはまり、
それからは仕事が終わると、同僚や上司に誘われた飲み会もきっぱり断り、まっすぐ家に帰るなり飯も食べずに、内職に没頭する夫。
もともと、浮気癖もある夫で、
それまでは帰りはいつも遅く
だいたい休日も接待だと行って、前日の土曜日の夜にゴルフバッグを持って出掛け、日曜の深夜に帰ってくる‥。
一緒に持っていったゴルフウェアは着た形跡もなく、洗濯物置き場のワイシャツにはいつも長い茶色の髪の毛が付いている。
今年から幼稚園に上がった息子はいつも
「パパはきょうもしごとなの〜?
そっか〜、しかたないね、僕の保育園のお金をつくるために働いてくれてるんだよね〜」
健気に‥でもほんとは寂しいはずなのに‥
「こうちゃん‥‥」
私はギュッと息子を抱き締め、
もはや夫への愛が冷めていくことは止められない‥
ただ、せめて!せめてこの子の「父親」であってほしい。
最近では家で会ってもほとんど会話さえしなくなってた夫に対してそう願っていた私にとっては
今の状況は、息子にとっても、「父親」を自分の生活範囲の中で感じることが良いと思っていた。
いつもより明るいリビング。
息子は、段ボールの中に詰め込まれた、束になった封筒をほどき夫に渡す。
すると
「おっ!こう坊、気が利くなぁ〜」
「ほらっ!こうちゃん!邪魔しちゃダメじゃない!」
「あはは〜、良いんだよ。ほらっ!こう坊、この袋の中にこれを入れてな‥おっ、うまいっ!うまいぞっ!」
内職をはじめてからは、夜七時にはいつもこんな、「何気ない家族の風景」の姿が戻ってきた。
息子がこの家に来たとき以来のその景色。
それは私がずっと待ち望んだ景色‥。
しかし、それは絶望へのカウントダウンだったことはやがて思いしることになる。
〜〜
ここ一週間、昼から夫が家にいる。
そしてほとんど眠らずひたすら封筒に「驚異の脱臭力!身体にやさしい新世代の壁紙。いまなら工賃半額〜」的な四つ折りの紙と白黒の注文書を、
それはもうバチスロの体感機並みに正確に
そしてスラッシュメタルのように高速のテンポで、
一心不乱に入れる夫がいる。
「課長、体調とか悪いんでしょうか?」
昨日も部下の人から電話があり、なんでも、今日、有名外資系企業へのプレゼンにも現れないし‥
なんかあったのかな?‥と。
そこで、はじめて私は気づく。「有給」ではなかったと。
〜
「‥あ、あなた‥」
「‥‥‥(しゅ)‥‥(しゅぱっ)‥」
封筒が擦れる音だけが、一瞬だけ晴れ間の見えていたリビングにこだまする。
「会社の人から‥電話あって‥心配してたわよ‥」
「‥(しゅ)‥(しゅしゅ)‥(しゅ)‥」
「‥あっ、もう大丈夫なのよ!ほら、あなたいっぱい内職やってくれたおかげで、もう1ヶ月分完成しちゃったし、これだけやれば、もう家計は大助かりよ!
ありがとう‥だから‥‥ね‥‥‥もう‥‥」
そういいながら、
なにかに取り憑かれたような夫から封筒を取り上げたそのとき
「さっ!触るな!」
ギターウルフが寝起きに枕元で演奏し始めたのかと思うくらいの爆音の絶叫。
鼓膜が破れたかと思った。
そのとき、
「むにゅむにゅ‥‥!?
‥ママ?。どうしたの‥?」
隣の部屋で昼寝をしていた息子が目を擦りながら、部屋の扉を開けると、
その汚れの無い清みきった小さな瞳は、
この世でたった一人の「父親」である「はず」の「生物」と目が合う。
「あっ!パパ〜っ!僕も手伝うっ!!」
息子が封筒に手をかけた瞬間‥
ダ、ダメ‥こうちゃん‥ダメ〜〜〜っ!!
「‥!?うぎゃあああああああああああ〜〜」
もはやこの人は人間ではない。
ありえない奇声をあげる夫。
‥‥グシャ‥ビシャア‥‥‥
きゃあああああああ〜〜〜〜〜っ!
悲鳴が先か、白い壁紙に鮮血が飛び散るのが先か、
そして、最愛の息子の変わり果てた姿を観てしまう瞬間が先か‥
私は‥今‥絶望を知った‥‥
‥もしもし? のりさん? ‥‥の〜り〜さん?
‥あっ!すまんすまん!
だいぶ話がOBしたね!
まぁ、そんな「内職に魂を惹かれた人」が相手だったら俺には分が悪いかもしれんが、
結構俺も単純作業にはかなり自信があるタイプというか、
落花生とかみたいに行く手を阻む系の食べ物とかも、
パキパキ割ってるとハイになってくるタイプだから、合格の電話かかってくるといいなぁ〜。
〜のりライブ情報〜
5月14日(金)阿佐ヶ谷オイルシティー
6月16日(水)吉祥寺曼荼羅

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