以前コラムページに書いたことと重複するが、短い文章でまとめてみた。
前提その1・国家は国民に権力を付託された法人の一種である。
前提その2・生き延びる権利はもっとも優先度の高い基本的人権である。
テーゼ・(自然人と法人を問わず)何者も、自然人を殺す権利はない。
こう考えればかなりすっきりする。
死刑も戦争も国家による殺人だから、個人間の殺人と同じく許されないことになる。「前提その2」は、平和な社会に生きていると忘れがちになるが、改めて書いてみれば当たり前のことである。誰も殺されない社会を作るのがおそらく人類の目的であり、それは殺人者が個人であっても組織(国家)であっても同じというわけだ。
国家による殺人は既存のシステムに組み込まれてしまっているから、それをなんとか肯定しようといろいろ理屈がつけられているわけだが、基本に立ち戻って考えてみれば、結論は一つしかないはずだ。

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