Jユースカップ2011
第19回Jリーグユース選手権大会
決勝トーナメント 準々決勝
≪試合結果≫ ※45分ハーフ
清水エスパルス 4−3 京都サンガF.C.U−18
(前半:0−1、後半:4−2)
≪得点者≫
●田村亮介(前半02分、中央交わされスルーパスに抜け出し決める。)
●原川 力(後半02分、ペナ左から侵入し倒されPKを自ら決める。)
●影山貴紀(後半18分、ボールを奪い石毛にパス、リターンを受け決める。)
●伊東直樹(後半29分、左サイドからクロスを入れ石毛がニアで潰れそのまま決まる。)
●犬飼智也(後半31分、左CKの崩れから渉が左クロスをファーに送り頭で叩き込む。)
●斉藤隆成(後半36分、ペナやや左からシュートがDFに当たりコースが変わり決まる。)
●加賀美翔(後半41分、ゴール前混戦の中こぼれたボールを蹴り込む。)
≪先発≫
---------柏瀬---------
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直樹--石毛--影山加賀美
----------------------
----------渉----------
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藤嵜--犬飼--西村--和磨
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---------瀧川---------
サブ:八谷、準弥、菊池、拓弥、飛天、凌多、祐也
◆選手交代
後半40分 OUT 石毛 ⇒ IN 祐也(OH)
後半46分 OUT 加賀美 ⇒ IN 拓弥(RSH)
後半47分 OUT 直樹 ⇒ IN 飛天(CH)※祐也LSH、4-2-3-1へ
≪後半47分以降≫
---------柏瀬---------
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祐也-----影山-----拓弥
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------飛天---渉-------
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藤嵜--犬飼--西村--和磨
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---------瀧川---------
Jユースカップもいよいよ準々決勝。
決勝トーナメントもベスト8まできた。
ここから先はもうどこが優勝してもおかしくない強豪揃い。
エスパルスは水曜日に石毛がAFCの表彰式に参加し、金曜から練習に復帰しコンディション面で不安が残るが先発出場。
前節に続き加賀美が先発でRSHに入り、ゴッツをLSBに戻す布陣。
京都サンガとは昨年のJユースでは同グループで対戦しH&Aの2戦で0−10と完敗している。当時の主力伊藤や駒井、久保など今年のJ2での活躍は当時の脅威的なプレーからは全く驚かない活躍ぶり。
今年のチームもU−18日本代表に多くの選手を輩出し、プレミアリーグでは3位に位置する。
最後に京都に勝利したのは前回優勝した2005年。以降ユース、JY共に未勝利と相性は最悪。
それでも鬼門京都を越えなければ優勝はない。昨年のリベンジ、鬼門突破の90分が始まる。
立ち上がりから動きが堅いエスパルス。
突っかけてくる相手に交わされ裏にボールを送られる場面が目立つ。
2分。
中央渉のところを交わされてスルーパスを通されると田村が冷静に決めて早くも京都先制。
決してこれで下を向いてしまったわけではないが、京都の大人なサッカーに翻弄され、芯がしっかりした体幹で球際でボールを失わず、シンプルにスルーパスで裏を狙う攻撃で守備に押し込まれる。
京都の変則的な4バックでLSBの斎藤がかなり高い位置にポジションをとり、RSHの加賀美がケアしなければならず、和磨との受け渡しがうまくいかずに、中盤でボールを拾っても一気にカウンターという流れまで持っていけず。
京都の攻撃では何度もオフサイドというシーンが目立ったが、決して狙って取ったオフサイドというよりかは、ギリギリのところを狙ってくる京都がわずかにタイミングを逸しオフサイドとなってしまったという形。
前半の終盤、徐々に持ち前の高い位置のプレスが効き始め、ボールを奪うチャンスが増えると和磨の右クロスにカゲが頭で合わせる。
伸びきったところでのヘディングで枠を捉えることはできなかったが惜しいシーンだった。
徐々に流れを掴み始めたが前半は0−1。耐える時間がほとんどの前半で、攻撃の形はほとんど作ることができなかった。
後半開始。メンバー交代なし。
堅さも取れ良い感じで試合に入れたと思ったが、2分に失点。
ペナ左からエリアに侵入されたところを引っかけてしまい主審はPKの判定。
倒された原川自らが決めて0−2とリードを広げられてしまう。
もうあとがなくなったエスパルスはリスクを背負いながらも攻撃に出る。
迎えた18分。
センターライン付近で暁が相手と交錯しながらも寄せるとカゲが連動してプレスを掛けてボールを奪取。
追い越した石毛にボールを送ると石毛はGK一対一になりながらも冷静に左に走り込んだカゲにボールをリターン。
これをカゲがきっちり決めて1−2と反撃の狼煙を上げる。
そして29分。直樹が左サイドで突破から右足に持ち替えてクロス。
石毛が走り込みGKの前でスライディングシュートを狙うが僅かに届かず。
ところがこれがGKのブラインドとなり、ボールを見失いボールはそのままネットに包まれた。2−2の同点に追いつく。
完全に試合はエスパルスの流れに。
ルーズボールがエスパルスの選手に向かって転がってくる。
良いポジションを保っているからという伏線はあるが、それでもボールがエスパルスの選手に向かってこぼれてくる。
31分。
CKの崩れから再びボールは左サイドへ。
クロスは相手に当たり渉の元へ。渉のドライブ気味のクロスがファーサイドに送られると前に残っていた犬飼がヘディングシュートを叩き込み、ついに3−2と試合をひっくり返す。
これで攻撃に出なければならなくなった京都が攻撃に転じる。
エスパルスは絶対に守らなければならない時間。
気持ち的に逆転したこと、余裕が出たことがマイナスに働いたか、京都が押し込み、36分に斎藤のシュートがDFに当たりコースが変わり左ポストをかすめてゴールに転がり込んだ。
3−3の同点。
撃ち合いに持ち込めば経験値はエスパルスが上。
41分。ゴール前のこぼれ球を加賀美が決めて4−3と再び突き放す。
この日守備に奔走していた男が土壇場で大きな仕事を成し遂げた。
再び奪ったリードを守るべく、今度は攻めて時間を浪費させる。
表示されたATは3分。
カゲが途中で倒れ込んだりと時間を止める場面はあったがATが5分も経過してやっと試合終了の笛。
2失点しても折れない強い心。プレミアリーグで培った攻撃力に裏付けられた自信は準々決勝という大舞台でも決して揺らぐことはなかった。
宿敵京都サンガを倒し準決勝進出。ベスト4まで来た。
京都はやはり強かった。
前半に見せつけられたサッカーは今年対戦したチームの中では一番完成されたサッカーのように感じた。
その京都を倒せたことは本当に大きな自信となった。
VIDEO
勝ちロコも大いに盛り上がった。
これでJユースカップは中断。
来週からは高円宮杯プレミアリーグが再開。
選手権出場を決めた青森山田と、県大会決勝で清商に敗れた静学との2戦を挟み、12月23日Jユースカップ準決勝セレッソ大阪U−18との対戦を迎える。
この勢いそのままに最高のXmasを過ごすために、最高の1カ月にしよう。