Jユースカップ2011
第19回Jリーグユース選手権大会
決勝トーナメント 準決勝
≪試合結果≫ ※45分ハーフ
清水エスパルス 1−5 セレッソ大阪U−18
(前半:0−3、後半:1−2)
≪得点者≫
●小暮大器(前半19分、DFのミスを奪い落としを大阪07番が決める)
●丸岡 満(前半25分、ボールを受けた大阪17番がミドルシュート)
●南野拓実(前半41分、ゴール前で繋がれて大阪10番が押し込む)
●南野拓実(後半05分、前線に抜け出した大阪10番がループ弾)
●藤原雅斗(後半09分、大阪右CKこぼれ球を大阪03番が押し込む)
●清水OG(後半17分、左から直樹がシュートしDFに当たりOG)
≪先発≫
---------柏瀬---------
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直樹--石毛--影山--祐也
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----------渉----------
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藤嵜--犬飼--西村--拓弥
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---------瀧川---------
サブ:八谷、江井、和磨、飛天、凌多、大和、加賀美
◆選手交代
後半05分 OUT 祐也 ⇒ IN 加賀美(RSH)
後半24分 OUT 直樹 ⇒ IN 凌多(RSH)※加賀美LSHへ
後半31分 OUT 柏瀬 ⇒ IN 大和(OH)※影山CFへ
後半途中 ※犬飼をCFに上げてポジションチェンジ
------影山--犬飼------
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直樹-----大和-----石毛
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----------渉----------
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拓弥--藤嵜--西村--凌多
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---------瀧川---------
後半44分 OUT 拓弥 ⇒ IN 飛天(LSH)※2バックへ。
後半44分 OUT 石毛 ⇒ IN 和磨(RSH)
≪後半44分以降≫
-加賀美--影山--凌多---
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飛天-----犬飼-----和磨
----------------------
-------渉---大和-----
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------藤嵜--西村------
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---------瀧川---------
Jユースカップ準決勝。
約1カ月の中断を挟み開催された準決勝。
6年ぶりの栄冠に向けてあと2つ。
中断の間エスパルスはプレミアリーグの2戦を2勝で終え3位の成績を残し、日曜日に清水商業とのTMを経て調整してきた。
負けたらこのチームの終わりとなる準決勝。
今年序盤のチームからは想像できない以上の成長をみせ、「強く」なったチームの集大成。
自分たちがやってきたことを全てぶつけタイトル奪取に挑む。
中断期間中に足首の負傷で離脱していた西村が清商戦から復帰し、この準決勝に間に合い、RSBには1年生拓弥が抜擢された。
対するセレッソはホーム、キンチョウスタジアムでの試合ということで多くのサポーターの前での条件的アドバンテージを得ての試合。
同じくプレミアリーグでは3位という結果を残し、エース南野を中心とした攻撃的チーム。
序盤はエスパルスが攻め込む。
相手のパスの乱れからインターセプト、ショートカウンターがハマって攻撃の形を形成。
ところが最後の部分でパスが乱れたりとゴールに繋げられない。
それでも圧倒的にチャンスの数は多く、先制点は時間の問題だろうと思われていた。
カゲのGKニアを抜くシュートもポストに嫌われてゴールならず。
「決めるところを決めておかないと・・・」とはよく言ったもので、ちょっとしたきっかけでエスパルスは窮地に追い込まれる。
ところが19分。
セレッソ左サイドで縦パス。これが長くなり犬飼がカットするもトラップが乱れ相手に寄せられてうまくスイッチされて左サイドを突破され折り返される。
これは西村の前に流れクリア、と思ったところで西村がスリップ。
こぼれをうまく体を入れられて落としたボールを小暮に決められ失点。
ミスが2つ重なるとさすがに厳しい。
これで流れが一気にセレッソに傾く。
25分。
中盤左サイドからパスを繋がれ中央フリーで受けた丸岡がトラップで前に持ち出すと35mロングシュート。
これがバーを叩きラインを越えてゴールイン。
一気に2点差をつけられる。
2点を失い前半のうちに1点でも返しておきたいエスパルスだが、焦りからか良いようにボールが繋がらず、逆に序盤のハイプレスに苦しんでいたセレッソがある程度プレースピードに慣れてきて簡単にはボールを失わなくなり思うように攻撃できず。
このまま0−2で折り返して後半勝負といきたかった41分。セレッソ追加点。
中央で降りてきてボールを受けた南野が反転スルーパスでボールを送り突破を許すと、対峙した西村が交わされ、飛び出したタッキーを嘲笑うかのように冷静に横パスで外されフリーの南野が無人のゴールに蹴り込んで0−3とされる。
前半は0−3で折り返す。
後半開始。メンバー交代なし。
後半序盤は五分の立ち上がりだったが、5分に4点目を献上。
相手バイタルでボールを繋ぎワンツーを狙ったボールを奪われ、大きく空いた裏へロングフィード。
オフサイドラインぎりぎりで抜け出した南野が飛び出したタッキーの頭上をループシュート。
ボールは転々とゴールに転がり込みネットに包まれる。
直後に祐也に代えて加賀美を投入。
さらに9分。
右CKを一度はヘディングでクリアするも小さかったクリアをそのまま右足ボレーでシュートを許すと、このボールはセレッソの選手に当たりゴール目の前でこぼれるが、ワンバウンドしたボールを藤原に冷静にボレーで決められてしまう。
これで0−5。
17分。反撃の狼煙を上げる。
セレッソがGKにバックパスしたボールに暁がチェイス。
GKが慌てて出したボールスピードが遅かったため、これを受けるDFに直樹が猛プレス。
ボールを奪いそのまま左サイドを持ち込み左足で折り返すと、このボールに戻ってきたDFがカットを試みるがボールはそのままゴールに向かいネットを揺らす。
結果的にオウンゴールでまずは1点返しスコアは1−5。
21分にはカゲの突破を手を使って止めた丸岡がこの日2枚目のイエローで退場し数的有利に。
24分には凌多を投入しさらに攻撃的にシフトチェンジ。
暁がスルーパスに抜け出しビッグチャンスというところも左足から右足へ持ち替えようとしたところを寄せられてシュートを打ちきれずと惜しい場面は作るが点に繋がらない。
セレッソはカウンターから、エスパルスは裏を狙って懸命に走るサッカーで終盤のサッカーを展開。
エスパルスも終盤2バックにまで削って犬飼を前線に上げて枚数を増やして点差を詰めようと走るがセレッソも最後まで集中を切らさない。
AT突入も最後までセレッソゴールを脅かす。
気持ちだけは最後の最後まで切らさない。
ATの短すぎる2分を過ぎ、無念のタイムアップの笛。
エスパルスユースの2011年が終わった。
最後は悔しい敗戦となってしまったが、3位は立派。
胸を張って良い結果。
エスパルスユースとして3年生は最後の挨拶。
本当にみんな良く頑張りました。
瀧川翔
タッキー。
決して身長では恵まれなかったGKではあったけど、JYに入ってきて当時のGKコーチの梅ちゃんがタッキーのことを既に完成されたGKだって誉めてたことを今でも覚えています。
技術的に優れていると。
練習を見ていても後輩のGKに基礎の部分で本当に手本になる安定したプレーをしているなぁといつも見ていました。
試合でもタッキーが最後の砦として何度エスパルスのゴールを守ってきたことか。
今年は失点が多くGKとしては勝っても納得いかない試合が多かったかもしれないけど、タッキーがいたからこその快進撃だったよ。
6年間ありがとう!
犬飼智也
犬飼。
キャプテンとして戦った1年間。その責任感の強さから序盤の苦しみでは誰よりも責任を痛感していて苦しかったでしょう。
後半戦の快進撃は犬飼のセットプレーがあったからこそ。その得点能力は目を見張るものがありました。
撃ち合いの試合を制すことが多かった中で、試合後DFの選手だからと心の底からその勝利を喜びきれないところが犬飼をまだまだ成長させます。
まずは6年間ありがとう。そしてこれから進むプロの道。今までのようにいつもそばで応援してあげることはなかなか難しいけど、ずっとずっと応援しています。
TOPに昇格できなかった仲間の分も、精いっぱい頑張って早く日本平のピッチに立つ日が来ることを今から楽しみにしています。
進藤優東
進藤。
3年生の中でもっとも苦しんだ1年を過ごしていた優東。
時には腐った時もあったでしょう。
サッカーが嫌になったこともあったでしょう。
チームの勝利に心から喜べない自分がいたことでしょう。
それでも優東はちゃんと真剣に練習してチャンスが来るのをずっと待って頑張ってきたね。
それは優東が頑張ってきたことをみんなちゃんと見てきたから、だからみんな優東のことはリスペクトしていた。
思えばJYからユースに昇格した時もエスパルスでこれからもプレーできることを心の底から喜んでいてくれて応援している方からしたら本当に大好きな選手です。
これから先の道でもどんな壁でも乗り越えて行けるものをエスパルスで培ったと思います。
6年間ありがとう!これからもミドルブチ込んだれ!
伊東渉
渉。
フッチからユースに加入し、1年の時から中盤のダイナモとして欠かせない選手でした。
夏に弱い渉も今年は全然そんなことを感じさせないプレーを見せてくれた。
渉が前に出ることができている時はチームの調子が良い時。チームの調子のバロメーターでした。
礼儀正しい、良い男だ。
暁との息のあったプレーは見ている方からしたらたまらなかった。渉がエスパルスに来てくれて本当によかったよ。
3年間ありがとう!
影山貴紀
カゲ。
スーパーヒーローだよ。
カゲが復帰してからのこのチームの強さはすごかった。
カゲが復帰して負けた試合は尚志とセレッソだけ。
本来のFWではない、シャドーのポジションでの攻守にわたる活躍。
チームになくてはならない存在でした。
つらいことを正面から受け止め、それを糧として、力として頑張る姿。
最後まで貪欲にゴールにこだわる姿勢。
カゲはお母さんの誇りだよ。
6年間、特にユースに上がってからの3年間、決して全てがうまくいっていたわけじゃない。
それでもカゲは自分自身で戦う場を掴み、なくてはならない存在まで上り詰めた。
再びオレンジのユニホームを着て戦う日が来ることを待ってる。
自分の力でそのチャンスを掴め。カゲならできる。
6年間ありがとう!
山崎祐也
祐也。
清水の10番を背負いその番号にかかる期待は誰よりも祐也がわかっていたはず。
だからこそ静学戦で祐也が決めたことをみんなが自分のことのように喜んでいた。
より厳しい道を自分で選んだ祐也。これから先は一日一日が勝負の世界。
想像している以上に苦しい現実との戦いが待っている。
それを乗り越えることができる男だって思っているし、信じている。
同じサッカーの世界。叶うならばまた同じチームで応援したいという気持ち、叶えてくれよな!
3年間ありがとう!
柏瀬暁
柏瀬。
衝撃的な中学1年生だった男がフッチからユースになってエスパルスの一員となり、その中学時代の戦績から大きな期待を背負ってやってきた。
どうしても注目されるだけに将来が大きな期待でいっぱいで大変だったかもしれない。
11番を背負い、身を削ってチームのために献身的な姿が印象的でした。
これから進むプロの道。何人ものユース卒の先輩FWたちが苦しみ開花しきれずにいる中で、もちろん暁にかかる期待、プレッシャーは並大抵のものではない。
それを乗り越え、エスパルスユース卒のエースストライカーが誕生する日を楽しみにしています。まずは3年間ありがとう!これからもがんばれ!
伊東直樹
直樹。
3年間苦しんで苦しんでやっと掴んだポジション。最後まできっちり守りぬいてエスパルスの一つの武器として輝いていました。
最後のゴール、結果的にオウンゴールになってしまったけど、あれは直樹が今まで一生懸命やってきたことが認められたゴールだった思うよ。
気持ちで押し込んだんだ。焼け石に水のゴールだったかもしれないけど、ゴールに意味のないものなんてない。全てのゴールに意味がある。
直樹が気持ち見せてくれて嬉しかった。途中交代が多かったけど、交代でピッチを去る時にいつも空に顔を向け悔しそうな顔をしていること、それでも与えられた時間の中で一生懸命サッカーしていること。
直樹の良さを最後は存分に出すことができたチームで、直樹が活きたチームになったと思う。
遠く福島からエスパルスに来てくれてありがとう!3年間ありがとう!
3年生、本当に素晴らしいサッカーをみせてくれてありがとう!
これから先の人生、どんな道を歩もうが、お前らみんな立派なSUPER ORANGE BOYSだ!