第37回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
東海大会
決勝リーグ 第2戦
清水エスパルス vs 名古屋グランパスU-18 at ゆめりあサッカー場
≪試合結果≫ ※40分ハーフ
清水エスパルス 4−1 名古屋グランパスU-18
(前半:1−1、後半:3−0)
≪得点者≫
●北川航也(前半25分、ルーズボールを拾った航汰スルーパスに抜け出し決める。)
●桜井 昴(前半33分、スルーパス抜け出しシュートは拓磨ブロックもコースが変わりゴールに。)
●北川航也(後半03分、ルーズボール拾って持ち込み決める。)
●浅沼大和(後半30分、航也右アーリークロスを胸トラップボレーシュート。)
●北川航也(後半39分、カウンターから麗司アーリークロス健太折り返しを運び右足一閃。)
≪先発≫
---------航也---------
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岡田-----大和-----久保
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------航汰--麗司------
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拓磨--翔太--準弥--丸山
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--------高木和--------
サブ:山川、陸、菊池、頼、福井、ヒロ、健太、聖矢
◆選手交代
後半12分 OUT 岡田 ⇒ IN 健太(RSH)※久保LSHへ
後半37分 OUT 久保 ⇒ IN 菊池(LSH)
後半40分 OUT 麗司 ⇒ IN 福井(OH)※大和CHへ
後半42分 OUT 航也 ⇒ IN 聖矢(CF)
≪後半42分以降≫
---------聖矢---------
----------------------
菊池-----福井-----健太
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------大和--航汰------
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拓磨--翔太--準弥--丸山
----------------------
--------高木和--------
≪警告≫
●水谷拓磨(後半24分、反スポ)
日本クラブユースサッカー選手権東海大会決勝リーグ。
初戦磐田に1−3で敗れ、エスパルスが全国大会に進むために自力で決めるには、この第2戦で名古屋を相手に3点差以上で勝つことが絶対条件。
負ければその時点で敗退決定。
それ以外では磐田vs名古屋の結果次第で全国行きかどうかが決まる。
試合前。
いつものように選手たちがスタンド前で整列で挨拶にきた。
いつもと違ったのはキャプテン準弥がいつもなら「オナシャス!」と挨拶して礼していくところを「今日の試合絶対勝って全国行くんで、一緒に全国行きましょう!(応援)よろしくお願いします!」と。
普段と違った雰囲気、気持ちの入ったパフォーマンスに一気にこちらもアドレナリンがドバっと出てきて、すぐさま「王国清水」で選手たちをアップに送り出した。
試合前のベンチ前円陣。
普段からやっていることではあるが、どこかいつもより長い時間をかけていたように感じた。
勝ちさえすれば全国行きが決まる名古屋。
プレミアウエストでは3位。22得点19失点とリーグ1得点している反面リーグ1失点しているチーム。
特に今年の名古屋はDF面に不安があるというのは事前に聞いていた話。
3−0でシンプルに勝つよりも5−2のような打ち合いのほうが勝機がありそうな予感は前日から感じてはいた。
エスパルスは磐田戦から先発を変更。
健太がベンチスタートで匠馬がLSHで先発し、久保がRSHに入る。
前半。
キックオフ直後は「追う者」と「追われる者」の構図でエスパルスが前がかりに攻める。
5分も経過すると名古屋も盛り返し名古屋の時間が続く。
名古屋の攻撃を体を張って守るエスパルス。
セットプレーが続き、神経を使う時間が連続するがなんとか守りきって反撃のタイミングを狙う。
先制点はエスパルス。
25分。
名古屋ボランチラインのところでルーズボールを拾った航汰。
ルックアップからすぐさま航也のスペース右方向にスルーパス。
航也がこのパス一本に抜け出しドリブルで持ち込んでエリア右まで到達。
右足を振り抜き、豪快にゴール左に突き刺す。
待望の先制点に沸くエスパルス。
ところがエスパルスの勢いを往なして名古屋が同点に追いつく。
33分。
桜井がスルーパスに抜け出し拓磨が追いかけシュートブロックでスライディング。
シュート自体はスライディングで勢いを削いでコースを変えるが逆にこれが高木和の逆をついてしまい、ボテボテのシュートは転々とゴールに転がりこんで同点。
前半は1−1のまま終了。勝負の行方は後半へ。
後半開始メンバー交代なし。
後半エスパルスは超攻撃的な入り。
準弥がハーフラインを超えてプレッシングでボールを奪取。
この攻撃は点まで結びつかなかったものの、相手を縮こませる圧力をかける。
3分。
右サイドでルーズになったボールを航也が拾いエリア右から左に蹴りこんで2−1と勝ち越し。
再びリードを奪う。
直後に名古屋のシュートをライン上で丸山がクリアしたり、高木和のスーパーセーブで凌ぐ。
勝ち越したあとのエスパルスの試合の進め方は必ず3点差勝利というような焦りはなく、「まずはきっちりと勝つ」ことを重視した時間の使い方をする選択をし、逆に勝って全国を決めたい名古屋の攻撃からカウンターを狙う攻撃スタイルへシフトチェンジ。
12分。匠馬に代えて健太を投入。久保をLSHへスライドさせる。
両チームを決めてを欠いた攻撃で時間が経過する中、エスパルスが追加点。
30分。
右サイドでボールを持った航也がルックアップからシンプルにアーリークロスを入れるとゴール前走りこんだ大和が胸トラップで完璧なコントロール。
ボールの勢いを殺し、そのままボレーシュートを放ちネットを揺らす。
3−1。あと1点で全国。
負けられない名古屋、攻めて来る名古屋に対し、久保から菊池に代えて守備面でのリスクマネージメント。
予想通りより前にくる名古屋の攻撃にしっかりと対応しチャンスさえあれば一気に狙うという意図がハマる。
39分。
名古屋CKのクリアボールを拓磨が右サイドハーフラインの麗司へ繋ぎ麗司が運んでさらに前方左を駆け上がる健太へ大きくフィードを通す。
健太はボールを確実にコントロールし、中央抜け出した航也へ丁寧に送る。
航也はこのプレゼントパスを受けGKとの間合いを計りエリアに侵入。
冷静に、冷静にボールをゴール左に流し込む。
4−1!
航也のハットトリックとなるゴールでついに名古屋に3点差をつける。
このプレーで走りまくっていた麗司が足を攣り福井と交代。大和がCHに一列降りる。
AT4分。
42分殊勲のハットトリックの航也に代わり聖矢が入る。
そして時間が44分を経過し、試合終了の笛。
自力で東海大会決勝リーグ2位以内を確定させて全国大会出場を決める。
もう言葉では表すことができない、生で現場で見ている人にしか伝わらない素晴らしい選手たちの頑張りが全て。
戦っていた選手たちが自分たちの力で全国を決めた。
全国までプレミアリーグ3試合。ここでしっかりとチーム力を向上させて全国に挑もう。