「下妻物語」の中島哲也監督、最新作となるのがこの作品
最初、見る前は「え〜っ!130分もあるの〜!長〜いよ・・・」
と思いましたが、ごめんなさい、短かったです、ハイ
(ということで今回のコメントは長くなります、ヨロシコ)
まず本当にこの作品を楽しめるのは、昭和40年以前に
生まれた人となります。ということでギリギリセーフで自分は
入っています(苦笑)。そして「戦後は終わった」といわれた
いざなみ景気からオイルショック、バブル経済で踊った
昭和から平成と、松子を通し日本文化の移り変わりが
楽しめます。もちろん時代設定、歴史公証もしっかりされて
前述の時代に生きた人には涙ものの場面が盛り沢山です
そしてストーリーもさることながら絵コンテの見事さ!
メメントを彷彿させるようなストーリー内での時間の逆行と
伏線の数々、効果的なCGや一見見落としがちだけれども
「コレ撮るのすごく苦労するだろうな〜」とクリエーターの
端くれの自分でも肌で感じる職人技。効果的なアンバーや
アニメーション、随所に盛り込まれたパロディ、
空撮による俯瞰からのズームインなど、
そのきめ細かい配慮は語り尽くせないほど
そして主演の中谷美紀、瑛太の他、エンドロールで
紹介されるまでもなく納得できる見事で豪華なキャスティング
さらにボニーピンクやAIなど挿入歌もしびれます
もちろん若い人でも十分楽しめます。というかオジサンから
言わせていただくと若い人ほどじっくり見ていただきたい
そんな作品です。なぜか?というば、なかなか先の見えない
現代社会において、ニートやひきこもり、さてはうつ病を
はじめとする精神的な病の増加など自分の将来について
暗闇の中を模索し疲れ果てた、またはあきらめてしまった
そんな人々に人生とはなにか?生きるとは何か?愛とは?
説教じみたあからさまに主張されてはいませんが、松子の
生き方から灯台のように一筋の光を見せてくれます
とにかく邦画の中では今一番オススメ!!ぜひ見て欲しい
そんな風に思わせてくれる作品です

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