去る1月13日、新春の風が吹きすさぶ中、成城は食堂棟地下和室にて今年最初の死闘が繰り広げられた。腕に覚えのある強者共が集い、ただ一枚の札を奪い合う。その死闘の名はそう!「
新春大狂言歌留多大会」!!
極寒の地下室に集まったのはいずれも劣らぬ精鋭六百名。わずか五十数枚の札を取り囲むその光景は圧巻であった。大会主催者が厳かに「狂言歌留多」を取り出すと、会場全体がざわめいた。一枚一枚に狂言の名場面が描かれたこの歌留多は見るもの全てを魅了する。
机上に景品の「豪華粗品」が並べられると、ざわめきは歓声に変わった。最高景品は「蟹の缶詰」。皆の目の色が変わるのも当然である。既に会場には殺気が渦巻いていた。
試合は初手から混戦を極めた。血で血を洗う戦は筆舌に耐えがたく、また全てを描くにはあまりに紙面が足りない為、残念ながらここでの解説は控えさせて頂く。詳しく知りたい方は近日発売予定のDVD「KARUTA〜その私闘のすべて〜」を購入されたい。
しかし、試合後、互いの健闘を讃え交わされた握手の美しさはここに記しておく。
最後に、見事初回の優勝を勝ち得た女性のコメントを紹介する。
「愛です。愛が私の手を動かしました」(カニ缶を掲げて)
まさに優勝者にふさわしい言葉と言えるだろう。
注)記者の記憶による記述の為、一部誇張・創作あり

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