先日は万之介狂言の会でしたね。一度で二演目も万之介先生が拝見できるというなんとも贅沢な日でした。
井杭は途中から拝見したので前半を見逃してしまったのですが、とりあえず裕基坊ちゃま扮する井杭がたまらん程に可愛らしかったですね。最後にそのまま逃げないでちゃんと姿を表すところが井杭のいいところだと思います。
清水座頭は最早少女漫画かと(笑)なにあのロマンス展開。杖と杖が触れ合うシーンなどもう下手な少女コミック読むよりずっと胸キュンします。お互いに相手の事を分かっているか曖昧な所がまた良いですね。と心温まっていたらaskさんに「あれは二九十八の後日談なんだ」と吹き込まれて一瞬にしてギャグ漫画な展開を想像しました。家に着いてようやく女の正体が分かり「あの時の不細工女かー!」ってなるんやね。でもいいじゃない、見えないんだから。人間最後は性格が大事ってことでひとつ。
そして最後の鈍太郎。上京と下京の女はあの組み合わせ以外にはもう考えられないですね。そしていつの時代も本妻は本妻で妾は妾だなぁ、と…。そりゃ妾の方が自分に都合いいですもんね。私が男でもああいう態度とりますわ。しかし解説にも書いてありましたが、鈍太郎はいい思いしすぎでしょう。散々わわしい女を演じ、書いてきた昔の狂言師が「ふはは、ざまあ見ろ、女手車じゃわほーい!」とか思いながら実際の女には何も言えず、紙上だけで男の勝利をうたったという何とも切ない図が浮かんできます。え、違う??
勿論、鈍太郎にも好感は持てました。だって万之介先生ですから。手車のシーンとっても面白いんですもの。特に女の扱い方の違いが(笑)もうちょっと本妻のこと大事にしようよ鈍太郎。
全演目初めて拝見したので、私にとってとても新鮮な日でした。そろそろ能も見たいんだよなぁ。
その前に卒論片付けてきます…。

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