モルタル打放し表札のつくりかた−その3−道具
間が開きました…いつもながらいけません。
「道具」です。
モルタル表札で建築のミニュチュアを作るつもりはありませんが、さて道具をどうしようと思って探してみると、道具も確かに小さなもので同じ働きをするものが手元に集まってきます。しかし単に小さくて同じ形ならよいというものでもなく、そこに道具のおもしろさを感じてしまいます。
建築の現場でモルタルをこねる容器といえば「船」という120×90cmぐらいの四角い鉄のプール(?)に材料を入れて鍬で捏ねたり、少量だったら鉄の左官バケツに、通称「おかめ」というハート型のへらで捏ねます。
表札を作るのにそんなにたくさんのモルタルは使いませんので、ここではペンキ屋さんが使うペンキバケツと料理用へらを使います。モルタルは砂が含まれていますので当然じゃりじゃりします。そこでバケツは金属製がいいのです。小さくて軽くて、しかも打ち出して一体成型で作ってあるバケツ=ペンキの調合用のバケツとなります。混ぜるへらはお好み焼きをひっくり返すあの形で、プラスチック製が向いています。金属製より厚みがあるので、重くて粘るモルタルをかき回しやすいのです。へらの角で砂粒を書き取りやすく、バケツの隅まで書き取れます。プラスチックの減りが気になりますが。
建築ではこの「へら」が「おかめ」で、そのハート型のとがった先端で隅のモルタルなどをかき取るわけですが、この形の違いが単なるスケールダウン・ミニチュアではないというわけです。何故建築現場では「へら」でなく、キッチンでは「おかめ」でないのか。(生クリームをかき混ぜるへらは先が少しとんがってますが。)人間の動作が物量や環境で変わるわけです。
道具の世界のおもしろさに気づかされます。
話がだいぶそれました。次回はちゃんと必要な道具の説明を…。

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