ここのところヲタ夫の調子が良くない。
もともと秋は苦手

だったらしい。
季節の変わり目なのである程度は仕方のないことだと、本人もわかってはいるのだが、そんな自分を不甲斐ないと責めているだろう、おそらく。
人間って
(と大きく出てみる)、何事に対してもどんどん高み

を目指す癖がついているというか、よく言えば向上心がある、悪く言うと欲が深い。
例えば、ヲタ夫の病状なんかでも、「もうほとんど一日中寝ていてトイレに行くのがやっと」

という状態を脱して、少しは起きて活動ができるようになると、ついつい「昼夜逆転をなんとかしたい」とか「少しは外に散歩にでも行った方が…」とか、どんどん要求レベルを上げてしまいがちだ。
これは自分を含めた周囲も、そして本人も。
で、つい、「頑張らなきゃ!」と気合を入れてしまい、元の木阿弥ということが数知れず…。
生活リズムが大事だとか、そんなこと本人だって重々承知なのだ。
わかっているけどできないのだ。
そして
できない自分をまた責めてしまうのだ(物事の捉え方が偏ってしまうのもうつ病の特徴)。
そして、そういう症状が出ているからこそ、仕事も休んでいるんだ。
…と、今だから言えるが、うつ病と診断

されてからも一年くらいは、こういうことがわかっていなくて、ヲタ夫にはかなり辛い思いをさせたと思う。
つい最近も、病気のことで話をしていて、ヲタ夫がどう受け止めるかということをあまり意識せずに、かなり力強く「(ヲタ夫はそれが)できるよ!」と彼に何度か言ったとき、「そうやって押し付けないで…」とポツリと言われた。
あ! ほんとだ! 今、思いっきり押し付けてたね。
ごめんね、ヲタ夫…。
自分がいやだと思うことに対して「イヤだからやめて」と言えなかったヲタ夫
(ヲタ夫の名誉のために言うと、気が弱いとか、そういうことではない。あくまでも自分のことに関して言いにくい、ということで、他人が犠牲になっているような場合には、むしろ積極的に声を上げて助けようとするタイプだ)。
自分さえ我慢してうまくおさまれば…という価値観を内面化してきたらしい。これは彼の母親の価値観でもある。
ようやく「押し付けないで」と言えるようになってきた。まだ少しずつだけどね。
大部分は我慢しちゃっているらしいんだ。周りは
(もちろんイノーヴも含めて)ヲタ夫がいろんなことでそんなに我慢しているなんて、全然わかっていない。想像すらしてない。
そういう生活を30年以上にわたって続けてくれば、そりゃあ心も疲れるよね…。
一歩ずつ。
休んだっていいじゃないか。後退したっていいじゃないか。
生きてるだけですごいことなんだから。

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